いのちのセックス 安心について (1)
2026年2月21日執筆開始
いのちのセックス ~安心について
坂口恭平
はじめに
みなさん、はじめまして、坂口恭平と申します。私は芸術家です。本を45冊ほど出版し、絵も描いてまして美術館などで展示し、歌も歌ってまして、時折舞台で歌を歌ったり、配信もしてます。そんな感じで、いろんなものを作って、それを売って生活をしている者です。そんな人間がなぜセックスについての本を書くのか? それは単純にセックスが好きだからです。すみません、単純な理由です。
あと私はいのっちの電話と称して、死にたい人からの電話を1日二十人ほど受け続けてます。寝ている時は繋がりませんが、24時間365日やってます。着信があれば全て折り返してます。そんな活動を15年もやってます。なので、10万人ほどの死にたい人の声を聞き続けてきました。
そんな私がなぜセックスについて今から書こうとしているのか。私もまだよくわかっていないのですが、とにかく今、書きたいと思ってます。私はセックスが何よりも好きで、セックスの研究も大好きで、もちろん実際にセックスするのも大好きで、大好きすぎて、私は結婚もしているのに、妻以外の女性とセックスをしてしまうこともあり、時々妻に怒られたりもしてます。でも、好きなものは好きで、好きじゃないようにはできませんので、怒られつつも、時々、するみたいな、ちょっと今の日本の常識では怒られてしまうかもしれませんが、そんな感じで、静かに楽しく過ごしてます。おかげで満たされてます。
もちろん、妻とも、出会って25年ほどになりますが、その間、ずっと週に一度くらいはセックスしてきました。今もしてますよ。楽しいです。妻とのセックスがやっぱり一番楽しいですね。でも時々、もっと楽しいこともあったりします。そこがセックスの奥深いところですね。気持ち良い方法をお互い一番知っている長い恋人関係だけが全てではなかったりする。そんな単純なようで複雑な豊さを持っているセックス。私はそんなセックスに夢中です。
今回セックス本を書こうと思った動機の一つに、私が色々電話で死にたい人の相談を受ける時に、よくセックスの話になって、みなさん気持ち良いセックスがあんまりできていないんじゃないかと感じたということがあります。おいおい、死にたいのに、セックスの話かよ、と突っ込まれてしまいそうですが、ところがどっこい、死とエロスというものは表裏一体、いやむしろ一心同体でありまして、生きる死ぬかって話をしているとき、ふとセックスの話に繋がるなんてことが日常茶飯事なんです。もちろん、死にたい時に、暗い話をするよりは、明るく気持ちの良い話をしていった方が、死ぬことがバカらしくなるので、私が自らちょっとエッチな話を盛り込んだりすることもあります。これは一つの生きのびるテクニックでもあります。死にたい人は、セックスのことを少し忘れてしまってます。気持ち良いことなんか一つもないそんな人生なんて終わらせてしまえ、みたいな思考回路になっているわけですね。そこをちょっとずらしたい。気持ち良いこともあるんだよー、しかも無料でできるんだよー、どんな経済不況に陥っても、気持ちよさはずっと死ぬまで変わらず、自然界に存在しているんだよーって私は伝えたいんです。
そんなわけで、私は知らぬうちに、女性用風俗嬢になってました。これは正直、本にするときは、伏せるかもしれません。さすがに、妻がいて、子供が2人、1人はもう高校生です、そんな夫が、そんな父親が、こんな本を書いたら、怒られますからね。しかし、うちの家族はできた家族です。私が書くものは全て小説である、と完全に理解してくれてます。つまり、私は今から小説「いのちのセックス」を書きます。正直伝えます。これは全て事実を書きます。事実を書きますが、事実と言うと問題になるので、小説ということにします。なので、みなさんも話半分に聞いていてください。もちろん全て事実です。私が経験したことしか書かれていません。しかし、これは小説です。もうそれ以外は質問しないでくださいね。小説と書けば、何事もフィクションになるのです。というわけで、これから書かれたことは全てフィクションとなります。前置きを整えましたので、これで問題は全て払拭されました。話を続けましょう。
これからセックスについて書いていきますが、私は男性ですので、男性目線のセックスの本にはなります。そして、セックスの相談のほとんどが女性からの相談でした。男性からのセックスの相談はただ一つだけです。
やりたいのにやれない。
つまり、セックスの相手がいないという相談ばっかりです。しかし、女性からの相談は気持ちよくなりたいのに、なかなかセックスで気持ちよくなれない。オナニーだったらいけるのに、なかなかセックスではいけない、みたいなセックス最中の話でした。
男性はもてない、セックスできない、いつでもしていいよと言ってくれる女性と巡り会えていない、という相談。
女性は男性のセックスが下手すぎて気持ちよくなれないという相談。
この二つの相談は実は全くすれ違っていません。そうですよね、読んでみたらわかると思います。
男性が女性を気持ちよくさせることができない。そのために女性は不満を抱えている。
私は現代のセックスの問題を「男性が女性を気持ちよくさせることができない」という一点に絞って考えてます。寄せられてくるセックスの相談もそのことに尽きるからです。もちろん、これは私が調査した結果、約10万人の死にたい人の電話から導き出した問題なので、かなり偏りがあるとは思います。何も男性だけでなく、女性にも問題があるはずだ、と怒ってしまう男性もいらっしゃるかもしれません。なので、今のセックスの問題が、男性にある、ということに異論をお持ちの方は、どうぞ、この本は読まないでください。嫌な気持ちになるだけだと思います。ということで、今回の私のセックスについての本は、日本人全員に向けての本ではありません。私の研究結果から導き出した「男性がセックスが下手すぎて女性が不満を抱えている」ということに同じように問題意識を持っていらっしゃる男女に読んでもらいたいと思ってます。このように読者を限定すると、本は途端に売れなくなるのですが、しかし、私は実は知ってます。ほとんどのセックスの問題はこれに尽きるからです。女性のみなさん、ご安心ください。あなたたちに問題は一つもありません。
問題は男性のみです。セックスレスの問題は、全て男性にあります。もちろんこれは私の仮定ですので、怒らないでほしいし、怒る人は読まないでください。どうぞ、あなたの自信のあるセックスプレイで女性を魅了してください。しかし、女性経験の豊富な男性陣に話を聞いたところ、ほぼ全員私のこの意見に同意してもらっていることも事実です。つまり、モテないでセックスできない男たちが吠えているだけなんじゃないか、と思ってしまうくらいです。しかし、これも全部フィクションですから、そこまで真剣に取りあわないでください。
どうでしょうか。こんな初期設定で私はこれからセックスの方法についてのフィクションを書いていきたいと思います。
男性がセックスとはなんなのか、気持ち良いとはなんなのか、をしっかり学ぶことができたら、この世からセックスレスなんてものは無くなります。少子化問題、無くなります。景気が悪いから子供が産まれないんじゃないんです。男性がセックスの方法を知らないから少子化なんです。私はこうやってフィクションのフリをしてどんどん断定していきますので、読んでいて嫌な気持ちにもなるかもしれません。しかし、これはフィクションですので、どうか笑って読んでいただけたら、と思ってます。
ちなみに今回は男性と女性の問題を扱います。ゲイやレズの方のセックスについては、私自身に経験がないもので、考慮していないことは最初に断っておきます。そちらはそちらの専門家に任せたいと思います。
というわけで、最初に初期設定の話をしました。
読みたい人だけ続きをお読みください。
きっと今日からあなたも喜びのセックスができるようになるはずです。
1 私のセックス
まずは私のセックスについて書いてみることにしましょう。というか、それしか語れないわけですが、つまり、これから書くのは私の経験談です。もちろんフィクションなのですが。
先ほどお伝えしたように、私は女性用風俗の仕事をしてます。もちろん家族には内緒です。バレたことは一度もありません。
どのように仕事をしているかというと、私は坂口恭平という名前でも活動しているのですが、坂口恭平という名前をWikipediaで調べるとなんと世界で唯一、携帯電話の番号が掲載されてます。その電話番号が風俗嬢である私の仕事番号でもあります。ここにも書いておきましょう。09081064666です。セックスに不満を抱えてらっしゃる女性が私に電話をかけてきます。それで私は呼ばれて、どんなところにも駆けつけてセックスをしてます。しかもなんと料金が日本初と思うのですが、0円です。仕事と言いながら、私はセックスでお金をもらっていません。つまり、合法です。ただ誘われてセックスしているだけです。無料のおかげで自分で言うのもなんですが、無茶苦茶人気店です。働いているのは私だけなので、そんなに毎日稼働しているわけではないのですがそれでも月にかなりの数の女性とセックスしてきました。
おそらくみなさんとは仕事というものについての感覚が違うのかもしれません。無料で働くなんか、タダ働き、そんなの仕事じゃねえよ、とおっしゃる方もいると思います。しかし、私はセックスの研究者なのです、その前にセックスが死ぬほど好きなんです、お金を払ってでも本当はしたいんです。それがこの風俗店では無料でできるんです。お金を払ってでもしたい私が無料でできるのですから、それはもう無料を超越しているのはお分かりいただけますか? しかも、私は風俗店を利用してくれる優しい女性が、今月の家賃が払えなくて困ってるなんてセックスの後にポロッと漏らした時には、ついつい5万円くらい手渡してしまいます。もうどっちが風俗店を経営しているのかわからなくなってくるのです。実際は私が経営している無料風俗店に来店してきたはずの金欠のお客様が帰りには5万円を手にしてホクホク顔で帰っていかれます。つまり、セックスというものはこのように資本主義経済というものまで超越していくような可能性を常に人類が誕生してからというものずっと秘め続けているのです。読者の方には、私のことを狂人とおっしゃる方も出てくるかもしれません。無料で体を売り続けてどうするのか、と。しかし、心配ご無用です。私はただただひたすらしたいと思うことを毎日することができてただひたすら幸せなだけです。もちろん無料なので、こちらも適当にできることがあります。それは、向こうから誘われて電話がかかってくるのですが、時々波長が合わない方がいます。その時は丁重にお断りするのです。向こうはお金を払ってませんから、私に断られたら、残念です、としか言えません。断って怒られたことが一度もありません。私は女性の風俗嬢の方の友達がたくさんいるのですが、その方達は一度も断ったことがない人がたくさんいます。波長が合わせないとセックスすると、必ずトラウマになります。それくらいセックスというものは繊細な運動です。みなさんは絶対に、波長が合わない人とセックスしないでくださいね。
時々、セックスを毎日している私のことを「英雄色を好む」とおっしゃる男性の方もいます。これは必ず男性なんです。お前セックスだよね、嫁さんいるのにさ、みたいな感じで、少し突き放すように言ってくるのです。まあ、それはそれで良いのですが、英雄色を好むのではありません。英雄は誰でもできるわけです。強いのだから。それで妻がいるのに、妻が泣いているのに浮気ばかりする、第二夫人、第三夫人などと増やしていく。それでもまだまだ欲望は抑えきれず、さらに若い小娘へと興味関心を高めていく。私はこんなことを一度もしたことがありません。なぜなら私が風俗嬢だからです。私は都合の良い女を探し出し、セックスをしまくっているわけではありません。私はただの「都合の良い男」なのです。やりたい時に電話をして、いつでも無料でやれて、お金も渡さないのに喜んでやってくれる。それが私です。全く反転していることに注意して読んでみてください。私がこの女とやりたい、とよだれを垂らしたことは一度もありません。私は欲求不満ではありません。英雄色を好む、これは理由があります。英雄は大抵、生い立ちがひどいものです。母親からの愛情をもらえずに生きてきました。だから、性欲が強いように見えて、実は母性を求めて、女を漁っているのです。つまり、それは乾いた砂漠に水を撒こうとするようなもので、永遠に満たされません。母性を性欲と勘違いしている。こうなると、性被害へとまっしぐらです。ビルゲイツ、松本人志、中居正広、たくさんの母親からの愛情を受けなかった、悲しい少年たちが、必死な思いで英雄となって、金に物を言わせ、母性を性欲だと勘違いし、下手なセックスをし続けます。この人たちのセックスはただひたすら痛いです。気持ちよくさせたい、という気持ちがゼロだからです。自分の欲求を満たしたい、しかも永遠に得ることのできない母性を満たしたい。これがしょうもない金を持っただけで英雄であると勘違いしている狂人まがいの芸能人やIT長者たちの成れの果てです。私はむしろ、そういった狂人たちの餌食となった性被害を受けた女性の相談、もしくはそういった女性たちを癒すための、セックスをしてきました。セックスが恐ろしくなってしまい、自分の体が嫌いになってしまっている女性をどういやしていくか、これも現代の喫緊の問題だと思ってます。
非モテと自分のこと自虐的に言う男性がいますが、彼らはただセックスが下手な男性と呼び替えた方が良いでしょう。穏やかで優しいセックスで女性を満足させることができる男性は、顔がどれだけ不細工だろうがモテてます。もちろん、お金を持っていてもモテるのですが、お金に物を言わせ、母性を性欲と勘違いし、幼年期のトラウマを発散するために、女性のことを無視して、男性がやりたいようにやるという攻撃的なセックスをする輩もいます。それが松本人志と中居正広です。こういった人間は確かに、モテるんでしょう。でも、泣いてる女性がたくさんいます。このような男性をこれ以上産まないためにも、私は徹底して、男性によるセックスの問題を男性に向けて啓蒙していきたい、と思うのです。穏やかなセックス気持ちの良いセックスができる男性は確実にモテます。当然モテます。そして、当然ながら仕事もよくできるのです。そのために当然ながらお金もまたよく稼げるのです。しかし、お金を持った後にモテたやつは、松本人志と中居正広のようになります。みなさん気をつけてください。何よりもまず学ぶ必要があるのは、お金でも仕事でもなく、セックスです。気持ちの良いセックスを覚え、そのサービス精神によって仕事を充実させ、それによってお金を稼いでいきましょう。お金を稼いだ後にセックスを学んでももうだめです。女性を気持ちよくさせる対象と思えなくなってしまうからです。男性諸君、とにかくその順番の間違いを犯さないように。気をつけてください。



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