c飯塚被告が乗った車両(Xより)
スタッフルームに悪口の張り紙
弁護人は、被告人の当時の心情として「仕事ができない不甲斐なさ」「居場所のなさ」を感じ、また精神特性から幻聴などもあり、犯行を思い止まる能力がなかったと主張した。
確かに、ペットショップの当時の同僚の供述調書では、飯塚被告に対する正社員からの指示が冷たく、アルバイトも「キモい」、「変な奴」と陰口などを叩かれていたとある。またスタッフルームには「飯塚被告の接客態度は最悪だ」という内容が書かれた悪口の張り紙がされることもあったという。
仕事が長続きせず、面接にも落ち続けた事件の直前、八方ふさがりな気持ちとなり、ある時ふと保護司の殺害が頭に浮かんだという。そして“守護神”からは「私の考えだが、チャンスを逃すのは負け犬」などの言葉もあったという。犯行時は、混乱の極みで自身の行為を止められなかったという。
公判前に行われた心理鑑定(医師の精神鑑定とは別)では自閉症スペクトラムに近い特徴が見られるという指摘も受け、これまでその特性の対応を家族も知らないまま生きてきた中で、“守護神”に従って自尊心を保っていたという。
今回の事件では、現役の保護司などからも不安や恐怖の声が多く上がっている。犯罪者の更生に関わる人の処遇や安全性は今後、どのように確保されるべきなのか。第3回記事では、出廷した保護観察所の現所長や現役保護司の証言から、保護司の仕事のあり方について探っている。
(第3回につづく)
◆取材・文/普通(裁判ライター)