中国人「ゲートクラッシャー」後絶たず 米軍基地に不法侵入・接近…米国はスパイ行為警戒

米海軍横須賀基地(本社ヘリから、矢島康弘撮影)
米海軍横須賀基地(本社ヘリから、矢島康弘撮影)

偽造身分証明カードを使って40代の男が米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に不法侵入した疑いが浮上した。米国では近年、中国人が米軍の軍事施設に無断で侵入、接近する「ゲートクラッシャー」事案が後を絶たない。観光客などを装って不法に侵入したり、周辺に接近して機密施設を撮影したりするケースが相次ぐ。米政府は中国によるスパイ行為の可能性があるとして警戒している。

ステルス爆撃機や海軍基地撮影

米連邦検察は1月、中西部ミズーリ州のホワイトマン空軍基地で昨年12月に軍用機などを無断で撮影した罪で、中国国籍の35歳男を起訴した。基地で運用されるB2ステルス爆撃機などの撮影を行っていた。

男は基地周辺で一度警告を受けたが、翌日にもまた同じ場所で撮影を続けていた。画像には軍用機に加え、基地のゲートや軍用装備品も含まれており、男が単なる「軍事マニア」ではないとの見方が浮上している。

昨年6月には米司法省が、無許可で「外国政府の代理人」として活動した罪で、30代の中国人の男2人を起訴した。AP通信によると、米海軍基地などの監視や撮影を行ったり、スパイに勧誘する目的で海軍関係者の氏名や出身地の情報を収集したりしていた。

一人は中国の情報機関、国家安全省の工作員で、2021年頃からもう片方の男を協力者として育てながら諜報活動を行ったという。別の中国系スパイと協力していた痕跡もあり、収集した情報は中国に送られたとみられている。

数年間で100回確認と報道

ボンディ司法長官は声明で、「米国の国家安全保障を揺るがす中国の持続的、攻撃的な取り組みだ」と懸念を表明。在米中国大使館は米側の主張を否定し、「米国も中国へのスパイ活動をやめていない」と反論した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは23年9月、米当局者の話として、中国人が米国の軍事基地や機密施設に侵入するなどの「ゲートクラッシャー」事案が過去数年間で100回確認されたと報道。ロケット発射場近くの海に泳いで侵入したり、無人機(ドローン)で撮影したりしていたケースもあった。

中国人による同様の事案は、日本やフィリピンの米軍施設でも確認されている。中国政府による米軍の「弱点」を探る目的のスパイ活動だとの見方も根強く、米政府は警戒を強めている。(桑村朋)

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