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サッカー界のパワハラは海外でも存在する? 日本では一発アウトも、イタリアなどでは全く問題視されないのはなぜか。批判を覚悟で言えば…

カテゴリ:ワールド

垣内一之

2026年02月21日

文化の違いがパワハラの有無に少なからず影響を与えている

熱血漢、闘将の代表的な存在として挙げられるアントニオ・コンテ。昨季からナポリを率いている。(C)Getty Images

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 パワハラ――。言うまでもなく、パワーハラスメントの略語で、職場の優位性を利用し、業務の範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与える行為などのことを指す。

 近年、Jリーグでもこのパワハラ問題が表面化している。直近で言えば、2025年シーズンにアビスパ福岡を率いた金明輝氏のケース。サガン鳥栖時代に続き複数のコンプライアンス違反行為があったとされ、百年構想J1リーグのシーズンイン直前に契約を解除されたことは記憶に新しい。

 Jリーグもパワハラを人権侵害と捉え、日本サッカー協会と協力して相談窓口を設置するなど、再発防止と根絶に向けた対策を講じている。

 とはいえ、同じハラスメントでもパワハラは、セクハラなどよりも多義的。受けた側の主観と客観的な認定基準の間にずれが生じることが大半で、デリケートで、判断が難しい問題だ。それは過去の事例を推察しても明らかである。
 
 では、このサッカー界のパワハラは日本以外でも存在するのか。私の得意分野である、イタリアに絞って調べてみた。

 そもそも、ハラスメントという言葉から派生した、パワハラという用語自体が存在しない。イタリアではハラスメントはスペイン語同様、「Molestia(モレスティア)」と言われる。ハラスメントの意味が嫌がらせや悩ます行為を指す一方で、モレスティアは主に不快感など気分的な損害を示すことが大半。あまり勝手なことは言えないが、この辺りのニュアンスの違いも、もしかしたら英語圏とラテン語圏の文化、国民性の違いがあるのかもしれない。

 話をサッカーに戻すと、確かにイタリアスポーツ界でもモレスティアは存在する。ただ、いじめや権力の乱用といった行為がほとんどで、もっと言えば被害者の大半が未成年。イタリア人の知り合いに聞いたり、ネットで調べたりしても、プロ年代ではほとんど事例が出てこない。

 ここからはイタリアで8年ほど住んだ自身の肌感覚の話になるが、日本では主張するのではなく控えめであることが、一種の美徳とされる。ただ、日本文化を理解している相手は例外として、海外でそのような姿勢だと、逆に自己主張のない人間というマイナスのレッテルを貼られかねない。

 もちろん、海外でも育った家庭環境や両親の性格などの影響で、性格は千差万別。イタリア人も全員が全員、自己主張が強い人間だとは言わない。ただ少なくともそういった文化の違いが、パワハラの有無に少なからず影響を与えていることは感じている。

 サッカーでも、海外でプレーしている日本人選手がときに、意を決して監督に直談判したなどといった話が美化されて伝えられることもあるが、海外の選手からすれば、それは珍しいことではない。むしろ日常茶飯事と認識されている。

【記事】「頑張れ」はパワハラ?元日本代表と楽天社長が今日の指導法を考える「極大解釈されすぎちゃってる」「この先が心配」
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