のぼえん!
鬼滅の夢?小説です。
乗車しましたか?わたしはしました。
転生したオリ主が煉獄さんと最終選別でバッタリする話です。
出会ったあとわちゃわちゃするところまで書きたかったけど書けなかったので誰か書いてください、もしくは書こうか……
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以下、シリアスになったから本編には入れなかった導入。
朝もやのけぶる湿気た林の中、ぱちりぱちりと瞬くとすぐそこの草から露がしたたり眼を洗った。つめたい。身体があちこちギシギシする。ちぢこめた腕や足を伸ばすと、はて私は何故そこで体を丸めていたやら、まったく思い出せずに混乱した。
わたしは、……そうだ、ピアノ教室へ行こうと。
自転車に乗った、いつもの道を走った。雨上がりでラッキーだ、傘を差して歩かずにすむ。
そこで気付く。
昨日かかさまがわたしの手を引いたのだ。良い所へ行こう、おまえだけにたんと飯をくださるかたがあっちの山の向こうにいる。にいさまたちには内緒、分け前が減ってしまうからね。おなかいっぱいになったら、こっそりかえっておいで。
かかさまはわたしが聡い子どもだと知っている。だから泣きながら、わたしを抱きしめる。
口減らしというやつか。
ここをまっすぐにおいき、と言われて歩いて歩いて最後にへたりこんだ大きな椎の実の木の下で、ひたすらにドングリを眺め続けたのだ。月に青く照らされる若いドングリの影。
……いや、ピアノだ。ピアノの支度をして自転車のカゴにリュックをいれて、行ってきます、とママに声をかけた。行ってらっしゃい、車に気をつけてねとリビングから返事があって、
「まま?」
自分の口からまろびでた声に慄く。
かかさまではない、でもそれはかかさまを呼ぶ言葉だと知っていた。でもあれはかかさまではない、でも、ママ。
頭の中でおかしなことが起こっている。
「……おや。こんな朝っぱらから、迷い子かい。お嬢、どこからきた。こんなところに」
もつれた思考は、頭の上から降ってきた穏やかな声にいったんその混乱をおさめた。
「まいご、じゃない」
「どこから来た?」
こまって首を振る。捨てられたのはわかっている、帰っても親と兄弟が困るだけだ。
「……送ってやろうか?」
これにも首を振る。
あっちへ真っ直ぐいけと言われたから行くのだと言うと、穏やかな声のひとは眉をしかめた。わたしが指したのが山の奥まった方だからだろう。でもそのほうがいい。猪やキツネにでもくれてやればいい。……そうだ。
「このへん、くま、いる?」
「熊?」
「くまがいいな。こぐま」
どうせくれてやるなら子熊がいい。可愛い子熊、どんぐりがあかるく色づく前に飢えないように。
穏やかな声の人は、少しだけ黙ってから膝を叩いた。
「……よし。お前、うちへおいで」
「なぜ?」
「俺は熊谷という。子熊じゃないが、がまんしな」
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- 生姜。October 3, 2021