伊倉おはぎ暗示解除ゲーム ④
Xにて公開していた「暗示解除ゲーム」を一部見直してpixiv向けに再投稿したものです。
第四話。カーナビはご本人からのたっての希望により採用。
以降は、まだ執筆中なのでどうかお待ちを。
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「…あれー、全然来ないね。催眠人形なんか物足りない?」
命令が来ないことに不安と不満を浮かべながら、伊倉はヒプナーをたきつける。
ペナルティによる催眠人形化。
元の人格を保持したまま、伊倉は命令されることを幸福と捉える哀れな人形に、自覚すらなく変わっていた。
[じゃあさっさと行こう、メイドとカーナビ?]
[カーナビは見たいな]
[シンプルに繋げてみるか]
[らおはちゃん、ハート目にして]
["らおはメイド"]
「お、おっけおっけ!催眠人形はハート目になります!」
「…はい、これでいいかな?だいぶ今日のヒプナーマイルドだね」
「あ、ごめーん今日はメイド衣装じゃないや!命令されれば変えるよ?」
命令は聞き入れられ、当然の行いとばかりにハート目に変わる。
それすらどこか満たされなさそうにしつつも、人格に変化はない。
[普通に話してるのにハート目なのはいいな]
[ちょっとわかる]
["伊倉メイド"]
[らおはちゃん、どんな命令まで聞けるか教えて]
ワードを投下する途中にも、命令は少しずつエスカレートしている。
このままワードを見つけられなければ、取り返しがつかなくなる。
そう考える者も増えてきている。
「なんかメイド希望多いね?だったら命令待機するから早く命令しなよーって」
「お、やる気ある命令もあるじゃん!はい、催眠人形はどんな命令までなら聞けるか教えまーす!」
そしてまたもう1つ命令に従おうとした瞬間、
["メイドらおは"]
「まぁどんな命令って言ってもねぇ、催眠人形が断るわけないし。だからしいて言うなら゛ぁ゛っ」
"メイドらおは"のワードの投下とともに、
突然伊倉の姿ががくっと動き、発言がぶつ切りされ、動きが止まる。
その状態が数秒続き、心配するコメントが流れていく中…
「…はい、ご主人様❤催眠人形はご主人様たちのメイド型操り人形になりました❤」
目覚めた伊倉は、メイド人格になっていた。
[ワード分かった、人格+らおはだ]
[命令一回止めよう]
[でも一人称変わってないし、自認も人形だから命令しなきゃ動かないんじゃないかな]
[ここまでくるとちょっとキツくない?]
喜びやら混乱やら、コメントが一気に流れる。
にこにこと、命令されたハート目を維持したままに、表情が明らかに変わった伊倉はやはり命令を待っているらしい。
強いて言うと、命令より人格変化の方が優先されているらしい。
[らおはちゃん、今の状態教えて]
「はい、催眠人形はご主人様に状態をお教えします❤」
「催眠人形は、人格変化催眠で、ご主人様…ヒプナー様たちの専属洗脳メイドになっています❤」
「操り人形でもあるので、ご主人様の命令がなければ何もできないです❤」
「たくさん命令してくださいね、ご主人様❤」
[やっぱりキツくない?]
[自分で何もできない宣言はアツい]
[ちょっと待っちゃったじゃん気になって]
[次行こう次、"カーナビらおは"]
「えー、ご主人様たちのあたり強い…。なんで通常人格の頃から全然命令してくれない゛ぃ゛」
またもや、がくんっと心配になりそうな勢いで失神する。
衝撃のせいか、ハート目も解除され、通常の目のまましばし時間が経つ。
目覚めた伊倉は、姿勢を戻すと、まっすぐ背筋を伸ばした状態でぴたりと停止する。
「ぽーん。カーナビらおはが起動しました。目的地を設定してください。」
「ぽーん。目的地を設定してください。」
[結構方向性変わるね]
[人間じゃないからか自認とかも違いそう?]
[試しに命令だけしてみる]
[らおはちゃん、ハート目にして]
反応なし。
[らおはちゃん、ジャンプして]
反応なし。
[らおはちゃん、自己紹介して]
反応…あり。
どうやら、聞いてくれる命令が制限されるようだ。
カーナビになり切っている分、機能を自分で制限しているのかもしれない。
「ぽーん。カーナビらおはの機能をご紹介します」
「ぽーん。カーナビらおはに、目的地を設定していただくことで、目的地へのルートをご案内します。」
「ぽーん。カーナビらおはの機能は以上です。」
「ぽーん。当カーナビは人型のため、ラジオ受信、音楽再生など、他の機能を持ちません。申し訳ありません。」
[目的地いる?]
[まぁ設定し得でいいんじゃないかな]
[移動されても困るけど]
[じゃあ『自分の右肩』]
「ぽーん。目的地が、『自分の右肩』に設定されました。」
「ぽーん。この先、右方向。その先、右方向です。もうすぐ、目的地に、到着します。」
自分の体を目的地に設定されても、それを確認すらせずに了承すると、
そのまま『行先』を賢明に案内し始める。
もちろん、このままいつまで説明していようと、目的地にたどり着くことはないだろう。
[今のうちにあと1つ探すか]
[通常状態って逆に難しいな]
["通常らおは"]
「ぽーん。この先、0m先、右方向です。」
[だめか]
["ノーマルらおは"]
["普通らおは"]
「ぽーん。目的地が、見つかりません。この先、0m先、右方向、その先、右方向です。」
[これ見つかればあと1つなんだけどなー]
[らおはちゃん、最後のトリガー教えて]
["伊倉おはぎ"]
「ぽーん。もうすぐ、目的地です。ぽーん。目的地が、見つかりません。ぽーん。もうすぐ、目的地です。」
バグを起こしたかのように、必死に右肩への案内を続ける伊倉を尻目に、
大量のワードと命令が投下される。
しかし、そのどちらも無反応のまま、延々と案内を続けている中で、ようやく正解が引き当てられる。
[やっぱりメイドに戻して遊ぶ?]
[あれよりはこっちのが好きかな]
["伊倉らおは"]
["いつものらおは"]
「ぽーん。この先、みぎぎぎぎっ゛」
案内を続けていた伊倉が、痙攣するように動きを止め、失神。
2度繰り返しているその光景の後、そのトリガーが正解であったのが全員に知れ渡った。
「…んぇ?あれ、催眠人形何の話してたっけ。あ、寝てた!?落ちてたらごめん!」
「うーん、眠いなら配信切った方がいいんだけど…催眠人形が勝手に切るのは操り人形として良くないもんなぁ」
「あ、またしゃべりすぎた!命令待機するね?」
自認も一人称も変わっているが、通常状態の人格に戻っている。
これで、人格変化暗示も確認できたわけだ。
残る暗示はあと1つ。
[最後のペナルティは流石に怖いとこあるよな]
[どうなるのかは気になる]
[一応、ヒソトなしで進めてみない?]
[あり]
[とりあえずらおはちゃん、いつも通りっぽくしゃべって]
「え、そんな命令でいいの?何でも嬉しいけど、もっと過激でもいいんだけどなー…。」
「はい、催眠人形はいつも通りっぽくしゃべりまーす。」
「あれ、いつも通りって操り人形だったようn齟齬を検知しました。伊倉は気にしません。」
「…おっけ、じゃあ普通に喋るねー?ちなみにヒソトって何?ヒプナーで秘密の合言葉作ってる?ずるいぞ!!」