募集から頒布まで2ヶ月間の大爆走アンソロジーを出した話
約20人規模のアンソロジーを募集から頒布まで約2ヶ月で駆け抜けた話です。
このnoteは多分なんの参考にもならないと思います。
というより参考にしてはいけないと思います。
アンソロジー未経験者が2ヶ月で頒布まで漕ぎ着けられたのは、人に恵まれていたからです。
これはただの記録として書いています。
主催について
本作りの経験
アンソロジーの主催はおろか、寄稿したこともない。
合同誌は寄稿で1度参加したことがあるが、その後主催が音信不通になったので、複数人による本作りの流れは何もわかっていない。
個人誌は2年ほどの経験あり。
主催業の経験
別の創作活動で、企画書を作り人を募って作品作りをすることが年に2~3回ほど。約3年の経験あり。
〆切間際に参加者のケツをシバくことには慣れている。
多忙度
別の主催企画を同時期に開催していたり、趣味の遠征を控えていたり、土日に仕事の出張が予定されていたり、5月のイベントの〆切を控えていたりと、本来ならば主催を立候補してはいけないスケジュールである。
今回のアンソロジーについて
出すことになった経緯
いつもお世話になっている創作系SNSのサービス終了が発表され、せっかくだから記念にアンソロジーを作ろうという話題になった。
その時点では主催が決まっていなかったが、うっかり募集要項等をまとめてしまったために私が主催をすることになった。
ほぼ同時に、サービス終了直後に別のユーザーが主催で小規模のオフ会を開催することが決まったため、その場をお借りしてアンソロジーを頒布することにした。
この時点で判明しているスケジュールは以下の通りである。
2025年12月17日 サービス終了のお知らせ
2026年2月22日 サービス終了
2026年2月23日 アンソロジー頒布
はたしてできるのだろうか。
大前提
そもそも出せる見込みがなければ、募集要項をまとめようなどとは思わない。
なにしろお金が関わってくる話だ。軽率に実現させようとしてポシャることもありえる。
だが、このSNSで付き合ってきた人たちは自分で表紙・原稿を作り、入稿してイベントで頒布してきた経験がある。私が把握している限り、原稿を落とした人はいない(いたらごめん)。
つまり、サポートなしで原稿の作成、スケジュール管理ができるということだ。
また、アンソロジー立案の流れで表紙デザイン担当もおおよその装丁も印刷所も決まっている。
素晴らしい。
この時点で主催がすべきことは下記の作業のみであり、一般的なアンソロジーよりかなり少なくなっているはずだ。
・原稿の取りまとめ、チェック
・台割作成
・事務ページ作成
・販促
・印刷所とのやりとり
・献本のあれそれや通販のあれそれなど、雑務
原稿の催促をしなくていい、表紙をデザインしなくていい(デザイナーさんとやりとりしなくていい)、この2点が1番助かったと感じている。
特に原稿の催促は一見大した労力が不要に見えるだろうが、実際は非常にストレスのかかる作業である。原稿が集まらなかったらどうしよう、入稿締切に間に合わなかったらどうしよう、頒布できなかったらどうしようという不安が常につきまとってくる。
だからこそ執筆者への信頼は最重要事項のひとつであった。
この前提がなくては、アンソロジーを現実に作ろうとは思えなかっただろう。
頒布までの流れ
スケジュール
2025年12月25日 参加者募集開始
2025年12月31日 参加者募集〆切
2026年1月31日 原稿〆切
2026年2月12日 原稿入稿
2026年2月23日 頒布
参加者募集
アンソロジー参加者を募集するにあたり、募集要項に記載したのは以下の通りである。
※いろいろふんわりぼかして記載しています
・テーマ
・応募条件
・原稿の体裁
・印刷所
・日程
・頒布方法
・費用
・参加者への謝礼
・参加方法
テーマ
SNS終焉に寄せた記念アンソロジーなので、思い出集になるようにテーマを設定した。
応募条件
大規模になるとまとめきれないので、参加条件を絞らせてもらった。
あとは一般常識として「音信不通にならないこと」「〆切を厳守できること(遅れたら掲載しかねます)」と記載した。
「遅れたら掲載しかねます」は少々厳しい言葉かもしれないが、タイトなスケジュールであることは事前に知らせているのでお互いに協力しようという意味である。
「本を出したことがある人」という条件を本来ならつけておくべきだったのだろうが、この募集は本を出している人ばかりが見るところに置いていたので、条件にするという発想がなかった。
原稿の体裁
一般的なアンソロジーがどのように取りまとめているかはわからないが、今回は文章がメインのアンソロジーであったため、テキストファイルにて提出してもらい、主催がテンプレートに流し込んでノンブルを振る方法を選択した。
※主催は一太郎使いである。
印刷所
企画している流れでどこの印刷所にするかは決めてあったため、募集の時点で記載することができた。
日程
募集期間、〆切、入稿日、頒布日を記載した。
募集時点で印刷所の〆切は不明だったが、ほかのイベント合わせ等の〆切からざっくりと割り出した。
頒布方法
前述のオフイベントでの手渡しほか、通販希望の人がいる場合には通販も検討する旨を記載。
費用
主催が全費用を負担することを記載。
当初は参加者全員割り勘で負担し合うことを検討していたが、金銭のやりとりが面倒だと思ったため全額負担することにした。
謝礼
献本のみ。
ノベルティを作ることがあればつける旨を記載。
参加者分+少しだけ刷ることを想定しており、どう足掻いても利益は出ないと判断したため。
オフイベントに参加しない人には郵送で送付。
参加方法
Googleフォームに必要事項(名前や連絡先等)を記載する形で参加申請完了とした。
以降、基本的なやりとりはDiscordのアンソロジーサーバーにて実施した。
以上が募集要項の内容である。
そして募集〆切までに表紙、主催を除いて16人の応募があった。
5~10人規模になると思っていたので、完全に想定外であった。
計18人によるアンソロジーが始動することとなった。
原稿提出
約1ヶ月間しか執筆時間を取れなかったが、見事に全員〆切に間に合った(1人避けようのない事情で辞退があったが、せっかくの記念アンソロジーなので他の形式で参加していただいた)。
時折SNSで全体に向けて「進捗どうですか」とつつくことはあったものの、個人に向けて「出せそうですか?」「〆切過ぎてます!」と連絡を取ることがなかったのが大変ありがたい。
昨今のアンソロ事情を聞いていたため、遅れる人が出てくることを覚悟していたが、まったくそんなことはなかった(前述の辞退された方は締切より早めの段階でご連絡をいただけたので、大変ありがたかった)。
原稿提出後の流れは以下の通り。
参加者:原稿を提出
↓
主催:簡単な誤字脱字チェック
↓
参加者:修正版提出
↓
主催:全員分集まってから台割を作成し、ノンブルを振ってPDF化したものを参加者に送信
↓
参加者:PDF化した自身の原稿を確認して主催に連絡
↓
主催:入稿用にファイル名の書き替え等の処理
「ノンブルを振ってPDF化したものを参加者に確認してもらう」という工程には、原稿の誤字脱字等の責任を参加者にも肩代わりしてもらおうという下心があった。
誤字脱字はどれだけ確認しても残るものである(多分入稿後にデータ内でのびのびと増殖してるよあいつら)。
そのため、主催1人ですべてのチェックを完璧にこなすことは無理であると判断し、PDFを確認してもらったあとに「これを最終稿として入稿します」と連絡をすることにした。
結果、印刷所からは「ノンブルミスってます!」というご連絡をいただいた。
ダブルチェックしてもミスは発生するものである。
本当に申し訳ございませんでした。
ページ数確定後、台割を作成して表紙担当者に背幅を連絡した。
表紙に関してはかなりタイトなスケジュールを独断で決めてしまったが、ご快諾いただけて本当に助かった。
台割を作成している中で空白ページが発生するのが気になってきた。
数ページだから白いままでもいいのだが、どうせなら記念作品としての特別感がほしい。
そうだ、SNSの年表を作って埋めるのはどうだろう。
入稿まで10日を切っている状況での思いつきだった。
SNS内で年表に書けそうな出来事を募集し、それをリストアップすることにした。
思いのほか協力してくれる人が多く、計3Pに渡る年表を作成することができた。
また、突然のお願いにも関わらず急遽イラストのカットを提供してくれる人にも助けられ、無事に空白ページをすべて埋められた。
人に恵まれていることがわかるエピソードである。
部数アンケート
原稿のあれそれとほぼ同時に部数アンケートを取っていた。
ページ数がわからない段階で取るという思い切った行動は、このSNSだからできたことである。
原稿が回収できたあたりでアンケートページ内の情報を更新し、部数アンケートを元に頒布価格を決定してBOOTHによる予約販売を開始した。
受注生産ができるのは一次作品の長所である。
原稿入稿
どうにかこうにか〆切に間に合わせ、予約数+献本数+少しの部数で印刷所へ発注した。
前述のノンブルトラブルはあったものの、ほかに目立ったミスはなく受け付けてもらうことができた。
あとは待つだけである。
ノベルティの数調整等々あったが、アンソロジー本体には大きく関わらないため割愛する。
頒布
このnoteを書いているのは20日。
頒布するのは23日。
未来の話である。
多分これからが大変なんだろうと思う。
献本と通販に分けてノベルティをつけて発送。
当時想定していた部数よりも多くご注文をいただいたため、ありがたい反面すべての梱包を自分でやるということに頭が真っ白になっている。
もう自宅に本が届いているため、この土日で梱包作業をすればいいのでは……?
それは至極当たり前の意見だが、なんとこの土日は仕事の出張が入っている。
新幹線の距離に泊まりだ。
愚かである。
そんな中、大変ありがたいことに運送会社への運搬手伝いの申し出があった。
人に恵まれているエピソードである。
頼れるものはすべて頼らせていただく所存だ。
最後に
こんなアンソロジーはよほどのことがない限り真似してはいけません。
予定を詰めまくっている主催を許してくれるような人たちがいたからこそ、完走できた企画です。
経験者揃いで助け合えたからこそ、こうして本の形になりました。
この2ヶ月間、大変貴重な経験をさせていただきました。
自ジャンルでアンソロジーを作ってみたい→経験がないから身内だけで実験的にアンソロ主催させてもらおう、という身勝手アンソロジーを進めている最中の突発アンソロジーでした(身勝手アンソロジーは立案から頒布まで1年かけています)。
こんな無茶は二度とするまいという反省も大いにありましたが、原稿提出の体裁や原稿チェックの観点など、とても勉強になりました。
2ヶ月間一緒に突っ走ってくれた皆さん、ありがとうございました。


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