《参政党「神谷王国」潜入ルポ》「選挙戦前に支持者が発した腰砕けの言葉」、「最古参党員との対話」…参政党員の実態と辻立ちで感じた「田中角栄流の名言に隠された意味」
自民党の歴史的大勝となった今回の総選挙で、野党が軒並み議席を減らした中、公示前の2議席から15議席へと躍進したのが「参政党」だ。昨年の参院選での"旋風"ほどの注目が集まったわけではないが、着実に、大きく議席を増やした。神谷宗幣代表率いる参政党はどのようにして支持基盤を固め、広げているのか。潜入取材のプロフェッショナルであるジャーナリスト・横田増生氏が5か月にわたって組織に潜り込んだ。 【写真】ビラ配りや街宣車ではマイクを握ることも ジャーナリスト・横田増生氏が5か月にわたって組織に潜り込んだ「神谷王国」潜入ルポ
今回の潜入取材で横田氏は、万全を期すために妻と何度目かの離婚と結婚をし、妻の姓を名乗り、田中増生となった(次回以降の潜入取材で使う可能性があるので姓は仮名とした)。そして、参政党に入党、千葉第1支部に所属して、千葉1区で立候補した上田淳広候補の選挙に関わることになった。選挙をサポートする中で見えた、「神谷王国」の実像とは――。 (文中敬称略)【シリーズ・第3回】
「選挙ある派ですか、ない派ですか?」
年末に千葉の旭市議選で選挙ボランティア活動をしたのち、ようやく上田の活動を手伝うことになったのは、年が明けた1月12日、成人の日だった。二十歳のつどいが行なわれる千葉市内の会場前で、幟を立てて参政党のビラを配った。 その2日前の10日、読売新聞が、1面トップで「首相、衆院解散検討 2月中旬投開票」と打った。毎日新聞も、「衆院解散案が浮上 23日の通常国会冒頭で 高市首相は慎重に判断」と載せた。 果たして事実なのか。そう思っていたら、翌11日、朝日新聞と産経新聞が1面で後を追った。さらに総務省が、各都道府県選挙管理委員会事務局宛てに、最短で2月8日投開票の衆議院解散案が浮上しているので、準備を進めるようにという通知を出していることをつかんだ。 これで2月中の選挙は決定である。 そうして迎えた12日、私は朝9時からビラ配りに参加した。数人のボランティアが顔を合わせると、旭市で一緒に丸一日ビラ配りをしたムードメーカー役の男性が、私を見て「この人、旭市の選挙を熱心に手伝ってくれたんですよ」と紹介してくれたことで、皆の輪に溶け込むことができた。 午前中のビラ配りが終わり、私を含む男性4人で、昼食をとろうということになり、中華料理店に入る。私は、解散総選挙の話でさぞ盛り上がることだろう、と期待していた。 しかし料理を囲んでの第一声は、「参政党が開く3月のフェスまでに、解散総選挙はあるんですかね」というもの。腰砕けの形で耳を澄ましていると、 「3月までにやらないと、選挙やるやる詐欺みたいになるんじゃないの」という謎のコメントが続いた。 午後のビラ配りを始めていると、週刊ポストの編集者から電話がかかってきた。ビラ配りの列を離れて電話に出ると、 「いよいよ衆議院選挙ですね」という声が耳に飛び込んできた。 やはりそうこなくては、と思い、一連の新聞報道や総務省の通知について話し、迫りくる取材の準備について軽く打ち合わせをした。 ビラ配りが終わった3時過ぎ、幟を片付けて車に運び込んでいると、女性から声をかけられた。 「田中さんは、選挙ある派ですか、ない派ですか」 あるに決まっているやろう! と言いたくなる衝動を抑え、 「ネットであれこれ言われているので、どうなんでしょうね……」と話を合わせた。
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