【速報】交通違反約2700件を取り消しへ 神奈川県警が不適切な取り締まり 反則切符や実況見分調書の虚偽記載容疑で巡査部長ら警察官7人を書類送検
神奈川県警・第二交通機動隊で交通違反の不適切な取り締まりが確認された問題で、県警は、交通違反の反則切符に虚偽の内容を記載したなどとして、警察官7人を書類送検しました。不適切な取り締まりが行われた約2700件の交通違反を取り消し、すでに納められた反則金、3400万円あまりを返還するということです。
神奈川県警は20日、第二交通機動隊・第四小隊に所属していた40代の男性巡査部長らが2022年から2024年にかけて取り締まりを行った交通違反、2716件について、不適切な方法で取り締まりを行ったなどとして違反を取り消すことを明らかにし、県警の今村剛本部長が会見で謝罪しました。
県警は20日から、およそ290人の体制で交通違反の取り消し作業にあたり、対象者には通知文を郵送するほか、電話でも順次、案内を行うということです。すでに納付された反則金、約3457万円も返還します。
違反によってゴールド免許から一般免許になったり、免許停止になったりした人もいるため、免許区分の変更作業も始めます。
巡査部長らが当時、所属していた第四小隊は神奈川・茅ヶ崎市を拠点に活動していて、神奈川県西部を通る「小田原厚木道路」を中心に交通違反の取り締まりを行っています。
■「間違えた正義感だった」…反則切符の虚偽記載に加え実況見分の“ねつ造”も
「違反とされた車間距離が実際とは違う」――。2700件にも及ぶ不適切な取り締まりが発覚したきっかけは、2024年8月、安全な車間距離を保っていないとして、巡査部長らから反則切符を交付された人物からの相談でした。
県警は翌月からドライブレコーダーなどの調査を開始。不適切な取り締まりは、これだけではありませんでした。
本来、スピード違反などの疑いがある車両を発見したパトカーは、正確な速度を測るために、相手に合わせた一定の速度で、一定の距離を走行する必要があります。
この距離について、巡査部長や、一緒に取り締まりに当たっていた部下らが、実際とは違う距離を反則切符に繰り返し記載していたことが判明しました。
また、取り締まりを受けた相手が違反を認めなかった場合は、後日、違反を確認した現場で実況見分をすることになっていますが、巡査部長らは、実況見分をしていないにもかかわらず、インターネットの地図などをもとに、見分を実施したと偽ったウソの文書を作成したということです。
こうした調査結果をふまえ、神奈川県警は、この巡査部長らが関与した取り締まりについて、明確に違反とは認められないと判断し、2716件を取り消すことを決めました。
またこのうち9件については、反則切符に虚偽の記載をした虚偽有印公文書作成などの疑いで、巡査部長や当時の部下ら20代~40代の警察官7人を書類送検しました。
任意の事情聴取に対し巡査部長は「事故に直結する速度超過などの悪質な違反は、取り締まって道路交通の場から排除したかった」「今思えば、間違った正義感だった」などと不適切な取り締まりを認めているということです。
また、実況見分調書の“ねつ造”について巡査部長は「実況見分をやったことがない」「隊員として1件でも多く取り締まりを行いたいので、実況見分の時間を取り締まりに回せば良いと思った」などと説明し、当時の部下の警察官も「(巡査部長から)行かなくても作成できると言われた」などと話しているということです。
県警は、この巡査部長が中心になって不適切な取り締まりを組織ぐるみで繰り返したとみています。