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ファミコンカセットの高騰が止まらない? 文化としての「レトロゲーム」置き去りの危機

カセット1本が1億円近くに

スーパーファミコン用ソフトで取引価格が高騰している作品のひとつ、『ファイアーエムブレム トラキア776』(任天堂)
スーパーファミコン用ソフトで取引価格が高騰している作品のひとつ、『ファイアーエムブレム トラキア776』(任天堂)

 2021年7月に海外版の『ゼルダの伝説』(英題「Legend of Zelda」)の未開封版がオークションにかけられた際の落札価格は87万ドル、当時のレートで約9600万円、2023年6月のレートでは約1億2000万円となります。同じ2021年の5月には『スーパーマリオブラザーズ』の美品が66万ドル(約7300万円)で落札されており、レトロゲームが単なる投機商品として扱われているのが明白となっています。

 長くデフレ環境下に置かれていた日本の経済力は低下しており、観光客は日本の「安さ」を求めて観光に訪れるようになっています。日本人からすれば高く感じるレトロゲームも海外の方からすれば安く思えるようで、かなりの数をまとめ買いする光景も見られます。投機目的の買い漁りであればしばらく死蔵される可能性も高く、再び日本国内に入ってくる可能性は高くないでしょう。レアなタイトルに関しては、いずれ日本国内のショップから消えてしまうことも覚悟をしないといけないかも知れません。

 レトロゲームの高騰を背景に、「偽物」も出回るようになっています。外見は素人では見分けがつかないほど精巧に作られたものも多く、偽物を見極める力を持つ経験豊かなショップ店員の存在がなければ、中古市場がいつ偽物であふれかえってもおかしくはありません。すでに通販ではある程度の偽物が出回っていると考えられますが、状況の確認は極めて困難です。

 海外との経済力の差を考えれば、今後もレトロゲームの高騰は避けられないでしょう。しかし、希望がないわけではありません。元漫画家で現在は国会議員の赤松健氏が「プレイ可能な状態での、過去のゲームの合法的保存」に乗り出し、レトロゲームをリモートでプレイできるような環境および法律の整備を目指しています。

 レトロゲームのなかには既に権利関係が定かではないタイトルもあるため困難が予想されますが、カセットなどの実物がなくなってもゲームそのものが遊べるようになれば、文化としてのゲームの継続性を保ち続けることができるのではないでしょうか。

(ゆうむら)

【画像】ファミコン末期の無名ソフトが多い? 中古価格が高騰しているカセットたち(8枚)

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