高校時代の性被害でPTSDに 元教員に1100万円の賠償命令

札幌地裁=札幌市中央区で2020年12月4日午後1時23分、岸川弘明撮影 拡大
札幌地裁=札幌市中央区で2020年12月4日午後1時23分、岸川弘明撮影

 札幌市内の高校在学中に教員から性被害を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患ったなどとして、元生徒の20代女性が元教員の50代男性と学校法人を相手取り計約2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は20日、男性に1100万円の支払いを命じた。法人への請求は棄却し、使用者責任は生じないとした。

 守山修生裁判長は「生徒と教員の関係で男性が年上。判断能力の未熟さに便乗し、性的欲求に応じさせていた」と非難した。

 原告は学校法人恭敬学園(北海道仁木町)が運営する通信制の「北海道芸術高校札幌サテライトキャンパス」の生徒だった女性で、2022年に提訴した。

 判決によると、女性は男性の授業を受け、1年時に自動車内で体を触られ、卒業までにホテルなどで度々性的行為をさせられ、卒業後にPTSDを発症した。

 男性側は真剣交際を主張し、性的行為とPTSDの因果関係を否認していたが、判決は「性的行為の態様によりPTSDに罹患(りかん)したと認められ、心身を害しうる」と指摘。2人の関係について「性的行為を行うかは女性の責任で自由に判断することが前提だが、当時は未成年で判断能力は十分だったと言えない」として不法行為を認定した。

 一方、法人の使用者責任については「男性の不法行為は授業などと関連しない日時、場所で行われ、法人の事業と密接に関連しない」として否定した。

 記者会見に臨んだ女性は「手を出してはだめだと、教員全員がわかってほしい。誠心誠意、謝罪がほしかった」と語った。代理人弁護士は「今後も続く精神的被害を評価してもらった」とし「使用者責任は認められなかったが、学校は加害教員に何の指導もしていない」と改めて批判した。

 男性の代理人弁護士は「裁判所は提出した証拠と異なる心証のようだ。改めて判断を仰ぎたい」と控訴する方針を示した。【谷口拓未、安元久美子】

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