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クラシック音楽家のそこが知りたい!

ほんの数日前、あるクラシック音楽家がThreadsに投稿したものが、クラシック音楽家界隈(というかオペラ歌手界隈)で話題になっています。

ことの発端

こちらが実際にThreadsに投稿されたもの

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その後FBではこんなアンサーソング的な投稿が笑

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問題点その①何が問題なのか?

多くの人は「同業者(他人)の収入を同時に公開している事」に嫌悪感を抱いているようです。
しかしながら、一般的に求人情報に給与が明記されているのは当たり前だし、バイト探す時はより時給の高い求人を探しますよね?そしてフリーランス新法が施工されてから、我々の仕事も事前に金額が提示されなければならないので、僕個人としては「今までが秘匿過ぎたんだからいいんじゃない?夢(の対価)に裏切られたときの絶望を味わうよりマシ」というスタンスです。

ただ、目下の件に関して彼は「自分の場合は」という断り書きが必要だったと思う。なぜなら僕の場合と違うから

情報の訂正ポイント

僕は彼(バス歌手)ほど多くのプロダクションに関わったことはないのだけど、彼と大きく違う点は、二期会やその他で主役を演じているところにある。(僕は彼の直接の知り合いだし、同じ舞台に乗っていたこともある)

そもそも、前提としてバスが主役の演目はテノールが主役の演目に比べて圧倒的に少ないので、主役だから偉いとかじゃなくて、単純に歌う量、出演シーンが多ければ稽古期間、総稽古時間も変わってくる。

僕の場合、関わった大手プロダクションは以下の通り

東京二期会・・・キャスト4回(内メインキャスト3回)
        カバーキャスト4回
新国立劇場・・・カバーキャスト1回
東京・春・音楽祭・・・キャスト2回(内メインキャスト1回)

当然ながら二期会が一番多く、情報の精度も高いので二期会のギャラについて訂正を加えて行くことにする。

二期会のギャラについて

二期会の場合、出演料は明確に決まっている。
とはいえ、それをぶっちゃけることは控えたい笑

いや、以前記事にしようと思って二期会会則、規約、その他会員が入手できる資料を集め、AIに読ませて「禁止事項、守秘義務」を洗い出した結果、我々会員には特に守秘義務は存在しておらず、ギャラの規定が書かれている書類にも特に公開禁止とは書かれていないことは確認済みなのだが、逆にそれが不気味で・・・笑
なので詳細な金額は伏せつつも正確な情報をお伝えいしたいと思います。

二期会のギャラ(二期会主催のオペラ公演)は4段階で金額が決められています。
金額の幅は初舞台を踏んだ歌手のギャラを1と仮定すると、最高峰のベテランは2です。

こう書くとギャラに2倍の差があるの!

と思われると思いますしその通りですが、その1たる初期値が・・・ね笑

ちなみに4段階で金額が決められていますが、1から1,25にランクアップする明確な規定はありません(公式=事務方の見解)

さて彼はThreadsで
二期会などの(以下略)・・・キャスト15万(1ヶ月拘束)
と書いていますが、二期会の場合、主役級の稽古は通常公演3ヶ月からスタートします。(演目によっては4ヶ月前から←タンホイザーがそうでした)

ギャラとして支払われる出演料の内訳は

総稽古出席コマ数✕稽古手当(昼/夜で2コマ換算※1)
出演料(2回※2)
※1⋯僕が出演した時は1コマ3000円だった気がする。今は4000円かも。
※2⋯二期会はダブルキャストにて4公演行うため、各キャストの出演回数は2回となる

となり、規定で決まっている出演料とは別の、キャストごとに異なる稽古代が加わることで最終的なギャラが変わってきます。

なお彼の言う1ヶ月拘束というのは、(おそらく)二期会の場合、公演日の1ヶ月前から完全拘束というのが始まります。これは簡単に言うと「この期間は二期会に関係した公演以外の出演はダメです!稽古に必ず出席してください!」という期間です。(このこと)

ということで、僕がもらったギャラをざっくりというと
稽古期間3ヶ月の演目⋯25万くらい?
稽古期間4ヶ月の演目⋯30万くらい?


「ほら、こんなに夢があるよ!!!」
と言いたいところだけど、結果的に何も言えない笑

問題点その②言い方が悪かった

教師やりながら片手間にオペラ
この発言に関してご立腹の同業者が多くいます。

ま、現実問題3~4ヶ月稽古期間が必要なのにもらえる金額が30万そこそこでは生活が出来ません(二期会の場合ね)。なので日本に生息するオペラ歌手のほとんどは二足のわらじを履いてます。大学に務めつつコンサート活動・オペラ出演されている「先生」はたくさんいますし、なんなら多くの音楽家がナチュラルに目指す道です。そりゃ1年の1/3、1/4の時間かけてもらえるギャラが一般職の1ヵ月分の給料と大差がないとなれば当然です。
我々も資本主義の世界に生きているので、稼ぎがなければ生きていけません。
彼の言う新国立劇場の出演料くらい貰えれば話は別だし、実際にオペラ歌手業のみ(とはいえ個人レッスンは実施している人がほとんど)で生活を成り立たせようと思ったら新国一択ですね。

問題点その③やりたいことは人それぞれ

では彼が提案している「ドイツの劇場は合唱でも最低月3200ユーロ」に関して。
僕がイタリアに留学していた2008年~2013年の間、同じく勉強に来ていた多くの外国人と出会いました。もっとも人数が多かったのが韓国人の友達で、彼らから多くの合唱団員オーディションの話を聞きました。
特にドイツは小規模、中規模劇場の数が多く、雇用の絶対数がイタリアとは段違いでした。
しかしそこで必ず聞かれるのが
「君はドイツ語を話せるのか?君はドイツで仕事をするんだぞ?」
です。
ま、当たり前です。

ちなみに、なぜイタリアの劇場の合唱団オーディションを受けないのか?ですが、僕が唯一目にしたボローニャ歌劇場の合唱団員募集オーディションには、「ヨーロッパ圏の国籍を有する者のみ」と明記されていました笑

ということで、ドイツで合唱団員として働くためには、まずはドイツ語を習得しなければならないという言語のハードルがあります。

ただ、僕は日本で音大出て、歌一本で生きていこうと決めた時に「合唱団員」という選択肢はありませんでした。
(ちなみに合唱は好きですし、今も仕事は引き受けます)

僕はソリストとして第九ソロや、オペラでは主役を演じたいと思うタイプのオペラ歌手です。

どの様な生き方をするかは個人の自由。

きっと彼は可能性を示したかったんだと思います。
ただちょっと不器用だっただけ。




しらんけど笑


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コメント

5

「監査役の方に聞きました。その他も平均額です」という情報がはじめから掲載されていれば、金子くんのThreadsを読んだ多くの同業者が受け取った印象はだいぶ違うものであったと感じます。
それと「本名で書いているので、某、とか言うのはやめましょう。」というのは僕が転載の許諾を取らずに記事にしたので伏せただけであり、それが議題の透明化にマイナスの影響を与えるか否かは切り離して捉えていただければ幸いです。
そして「片手間」という言葉の辞書に掲載されている意味を正しく理解しているなら、その言葉を持ち出したために金子くんの周囲で起こる事象の責任は君に帰結するよね。
「余暇」を辞書で引くと「仕事をはなれて、自分の勝手に使える時間。ひま。」とある。
戦後、まだ楽譜が思うように手に入らなかった時代、米軍の基地に通い詰めてラジオから流れる音源をみんなで聴音し、必死に譜面に書き出して自分たちで演奏しようとしていた世代がいて、その世代を見てきた先生方が「片手間」に反応するのは致し方ないかな、と。「正しさ」も大事だけど、それがもとで相手が「気持ちを踏みにじられた」と感じたらその行動は正しかったのかな?難しいね。

金子慧一 KEIICHI KANEKO
金子慧一 KEIICHI KANEKO

返信ありがとうございます。
監査役の話は、反論ですので投稿では念頭にありません。
書かれた金額が私個人の金額だと読んだのかもしれませんが、それは「書かれていないこと」です。
文脈的に「日本人のギャラ」と書いていますし平均額を想定したものです。

「多くの同業者」がどういう反応かは届いていないので分かりません。一件も反論が届いていない。
むしろ「多くの同業者」からいいねとリプライ、そしてフォローが増えています。享受している側とそうでない側の分断でしょうか?それは別投稿で対立を煽るものではないとしました。
芹澤さんのように冷静に議論できれば別ですが、むしろそういう怒り出す人、サイレントマジョリティーからは「逃走」せよということです。

「正しさ」とはどこからの引用でしょうか、私は書いていません。正しい自覚もないですが、情報を若い世代に「正しく」伝える努力をしたい、それがSNSの使い方の「正しさ」です。

全ての人の「気持ち」を考えて格差の議論はできません。宮台真司の言葉を借りれば「てめぇの快不快に公共性はない」という感想です。音大で休講や補講出してオペラに出るのは「余暇」ではないですか?

「文脈的に」という、行間を読む行為を読み手に委ねる時、それが自分の意図したものと別方向に読み取られる可能性が発生します。伝えたいことを正確に伝えるということは難しいことですね。
金子くんの投稿が丁度松本滞在時だったので、その時、僕個人が耳にした周囲の歌い手の意見及び反応を大雑把な「多くの同業者」というワードに落とし込んだもので、それは100人、1000人規模のアンケートを取ったものではありませんし、ましてや当該Threadsの「いいね!」の数には遠く及びません。

「正しさ」は何の引用でもありません。
強調したいワードにカギカッコを使用したまでです。
宮台真司氏の言葉は知りませんでしたが、そもそも「公共の福祉」の考え方が根本的に同じですね。(つまり金子くんの意見に賛同してます。)
→ 音大で休講や補講出してオペラに出るのは「余暇」ではないですか?
これに関しては、「教師やりながら片手間」という最初の文言に「休講」、「補講」という新たな条件が加わるため、回答は「余暇か否か」ではなく「問題か否か」に変わってしまうと思います。
(文字数制限があるので続けて書きます)

(続き)
学校側が補講制度を認めている上で【補講を適宜実施すれば休講することは業務上問題ではない】=【別のことに充てられたその《問題ない時間》は全て余暇である】と言い切れるのか?(今回のトピックスにおいては休講理由に冠婚葬祭は除外します)
「休講」するということは、後日本人に「レッスン時間を別途設ける(補講)」という「負担」が返って来ます。
「負担」を負ってまで行う行為は「余暇」なのか?
辞書に書かれている言葉の意味からここまで思考を巡らせれば「片手間で」というフレーズに反感を覚える人の思考パターンが想像できるかと思います。
つまり、字義や事象として判断するならば、それは【余暇】であるという判決が下される気はしますが、人間は感情で動く動物なのでね。。。
書いてて(考えてて)よくわからなくなってきたよ笑

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クラシック音楽家のそこが知りたい!|芹澤佳通(とあるテノール)
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