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成瀬「心と言葉の英文法」レクチャーシリーズ 004「認識・思考・言語」人の視点、天の視点

「英語の心の仕組み」がわかる!

成瀬がユーチューブで展開しているレクチャーシリーズ(約10分ビデオ40本)のテキストバージョンです。同シリーズでは英語の認識・思考の特性からセンテンスの構造までのすべてを解説しており、英語の心と言葉の仕組みの全容を知ることができます。ユーチューブビデオにはタイトルに提示しているURLからアクセスできます。

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004「思考・認識・表現」 「人の視点、天の視点」(2)

https://www.youtube.com/watch?v=CROOn8LELRg&feature=youtu.be

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スライド 1 

「人の視点、天の視点」の第2回の講義では、第1回で学んだ日本語と英語の視点の違いについて、別の観点から考えていきます。では、はじめましょう。

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最初の例です。日本語の「山田さんには子どもが二人いる」と英語の”Mr. Yamada has two children.”の違いを考えます。 

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まず、日本語の「山田さんには子どもが二人いる」からみていきましょう。この内容に対する日本語のイメージ構造図はこのようになります。日本語の「人」の視点からみた認識において、この日本語文でまず認識されているのは、「山田さんには」という話題・トピックです。

日本語の場合、トピックを「~は」という言語形式を用いて表現します。この「~は」のことを「心の日本語文法」では「トピックマーカー」と呼んでいます。なお従来の日本語文法(国文法)では「取り立て助詞」とも呼ばれています。ここでは、その「~は」というトピックマーカーのもとで「山田さんに」の部分がトピックとして取り立てられているわけです。

英語には日本語の「は」にあたる純粋なトピックマーカーとしての言語表現はありません。英語のSubjectはトピックを表すこともありますが、そうでないこともあります。

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つづいて、“Mr. Yamada has two children.”という英語センテンスの認識、思考、表現をみてみましょう。

”Mr. Yamada has two children.”という英語センテンスでの認識は、日本語のように話し手/書き手の視点、「人」の視点をベースにしていません。そのベースにあるのは「天」の視点からのイメージです。

その視点からは、”Mr. Yamada”と”two children”というふたつの実体が見えており、そのあいだにhaveという関係性が見えています。どうか皆さんは、天上にのぼったつもりで、このイメージ図をみてください。

英語では、こうした認識イメージをベースとして“Mr. Yamada has two children.”というセンテンスが表現されています。では、ここでMr. Yamadaの代わりに“I”を置いてみましょう。

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これが、”I have two children.”という英語センテンスの認識イメージ図です。天上にのぼった皆さんの視線には、”I”と”two children”というふたつの実体が見えていますね。そうです、”I”という自分自身が、そこからは見えているのです。まるで幽体離脱のようですが、これが英語という言語の持ち味です。 

日本語の世界では人の視点から世界を認識していますので、自分自身は自分の目には入ってきません。英語のような幽体離脱はできないわけです。ですから、“Mr. Yamada has two children.”を「私は子どもを二人持っています。」と「私は」をトピックにして表現をすることは、日本語の世界では無理筋です。そうではなく、「子ども」をトピックとして取り上げて(トピック)「子どもは二人です。」とするのが、日本語の世界としての普通の表現です。

ですから、”I have two children.”と同じ内容を示す正しい日本語表現は、「私は子どもを二人持っています。」ではなく、「子どもは二人です。」であり、これが正しい日本語と英語との組み合わせです。

こうしたことを、ほとんどの日本人は直観では、わかっているのです。けれども、それをしっかりと理解することができませんでした。なぜかといえば、こうしたことを中学や高校ではきちんと教えてくれないからです。これは残念なことですが、でもまあ、いまここで学べばよいわけですから、問題ありません。

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【確認テスト】

 問1
本レクチャーでは”I have two children.”が示す内容に対応する日本語表現は「私は子どもを二人持っている」ではなく「子どもは二人です」であり、これが正しい日本語と英語との組み合わせであると述べました。

英語は2つの実体間(ここではIとtwo children)のあいだの関係性(ここではhave)を認識する「天の視点」が強い言語であるのに対して、日本語は人の視点から世界を認識しているため自分自身は自分の目に入ってこず、この場合に「私は」をトピックにして表現をすることは無理筋です。ゆえに”I have two children.”= 「私は子どもを二人持っている」とはならないわけです。

これにならって、その他の同様の例を、いくつか挙げてみてください。

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