【詳報】不適正な交通取り締まり、2716件取り消し 24人を処分

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稲葉有紗 中嶋周平 編集委員・吉田伸八 板倉大地 奥田薫子
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 神奈川県警は20日、交通反則切符や捜査書類に虚偽の内容を記載したとして、第2交通機動隊(2交機)に所属していた警察官7人を、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検し、発表した。不適正な取り締まりが繰り返されていた疑いがあるとして、交通違反2716件を取り消し、納付済みの反則金約3457万円を還付する。

記事のポイント

①不適正な取り締まりの内容
②なぜ判明?どう調査?
③なぜやったのか、どう説明したか
④違反取り消し対象者、どうしたらいいか
⑤再発防止策 ドラレコ確認要請に対応へ

 今村剛・県警本部長は記者会見し「是正の対象となる方に多大なるご迷惑をおかけするものであるとともに、県民の皆様の信頼を大きく損なうものであり、県警察の責任者として深くおわび申し上げます」と謝罪。県警と警察庁は同日付で、中心となった男性巡査部長(41)を懲戒免職処分とし、監督上の措置なども含めて計19人を処分。退職者5人を「処分相当」とした。処分の対象者は計24人にのぼった。

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 県警によると、7人の書類送検容疑は2022年3月~24年12月、違反を確認した際の状況について交通反則切符に虚偽の内容を書いたり、現場に行ったかのように装って実況見分調書を作ったりしたというもの。

 パトカーによる取り締まりでは、対象車との車間距離を一定にして追いかけ、違反を確認することとされている。だが巡査部長らは車間距離を一定に保たずに速度を計測するなどし、書類の記載も不正確だったという。

 違反の取り消しにより、免許停止や取り消しが取り消される事例が約100件、一般運転者から優良運転者などに区分が変わる事例が約1千件ある見通しという。

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 県警は約290人態勢のチームを立ち上げ、対象者に連絡を始めた。24時間対応の相談ダイヤルも設置した。

①不適正な取り締まりの内容は

 覆面パトカーがスピード違反を取り締まる際は、違反車両と車間距離を一定に保って同じ速度で走行し、パトカー自身の速度を計測して違反を証明する。

 車間距離不保持の場合も同様に同じ速度で走行し、違反車両と前方の車両の間隔を目視で確認する。

 違反車両が覆面パトカーに気付いて減速することがある。この場合は正確な速度や車間距離を測定できないため、交通反則切符は切らないことが一般的だという。

 だが今回、不正を主導したとされる巡査部長らは、十分な追尾をしていないのに交通反則切符を切っていたと供述している。

 また、交通反則切符には、パトカーが違反車両を追尾した距離を記録する。巡査部長らは短い距離しか追尾していないのに、書類には「100メートル」などと実際より長く書き込んでいた。

 交通反則切符を交付された人が違反事実を否認した場合には、警察官は現場に行って実況見分調書などを作らなければならない。だが巡査部長らは現場に行ったことにして、ネット上の地図などを流用して虚偽の実況見分調書を作っていたという。

②なぜ判明?どう調査?

 取り締まりを受けた人から2024年8月、「現場で受け取った書類と、自宅に送られてきた書類とで、車間距離の記載が異なっている」との指摘が県警に寄せられた。

 懲戒免職処分となった男性巡…

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この記事を書いた人
稲葉有紗
横浜総局|神奈川県警担当
専門・関心分野
事件事故、ウクライナ情勢
中嶋周平
横浜総局
専門・関心分野
格差、貧困、コモン
  • commentatorHeader
    高橋真樹
    (ノンフィクションライター)
    2026年2月20日14時14分 投稿
    【視点】

    今回の不適正な取り締まりは、定められたルールに基づかずに違反切符を切ったので、もちろんあってはならないことです。しかし、警察の交通取り締まりには、日頃から「こんなことで事故防止に役に立つのだろうか」と疑問を抱かざるをえないような行為が横行し

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    杉山日那子
    (弁護士・米国ロースクール実務家教員)
    2026年2月20日14時19分 投稿
    【視点】

    1/ 記者会見前の記事に江川紹子さんが調査の独立性が担保される必要について鋭いコメントをされていましたが、記者会見を前提したこの記事を拝見しても、これまで行われた調査に独立性が客観的に担保されていたようには見受けられず、調査の質の限界を伺わ

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