恵方巻きの売れ残りと食品ロス、今年はどうだった? 2026年のコンビニ商戦、現場で調べてみた結果は…
2026年の節分は、国政選挙を控えて候補者名を連呼する選挙カーが行きかうなか、コンビニ店頭では、赤鬼や青鬼姿の店員が恵方巻きを売りこむ姿が見られ、例年にないにぎわいとなった。 【グラフと表】詳細データはこちらの画像で 帝国データバンクによると、今年の恵方巻きの平均価格は、「コメ」「のり」「鶏卵」など原材料の価格高騰を受け、前年比で11.7%値上がりし、2年連続で10%を超える値上げ幅となった。前年、主力商品の「七種具材の恵方巻」や「海鮮恵方巻」の販売価格を据え置いた大手コンビニのローソンも、今年はおよそ1〜2割ほど値上げした。 小売企業のなかには、恵方巻きのサイズや原材料の見直しによって価格転嫁を抑える動きもみられた。たとえば、ハーフサイズへの切り替え、米国産カルローズなど輸入米の使用、コメを使わないタコス巻きの提案などだ。(ジャーナリスト/井出留美)
2026年恵方巻きの売れ残りはどうだった?
2019年からつづけている恵方巻きの売れ残り調査を、今年もおこなった。 ======================== 【調査日時】2026年2月3日(火)21時から24時 【調査対象】大手コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)加盟店373店舗 【調査地域】1道1都12県(北海道、岩手、千葉、埼玉、東京、神奈川、富山、長野、愛知、三重、奈良、広島、宮崎、沖縄) 【調査人数】53人 【調査方法】商品棚に残っている恵方巻きの本数を商品ごとに数える ======================== それでは、さっそく2026年の調査結果をみてみよう。 大手コンビニ3社の恵方巻き売れ残り本数および金額(合計・平均値)をまとめると、画像のようになる。 大手コンビニ3社の1店舗あたりの恵方巻き「売れ残り本数」と「売れ残り金額」は多い順に、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンとなった。
恵方巻きの売れ残りは3年間でどう変わったか
大手コンビニ3社の1店舗あたりの恵方巻き「売れ残り本数」と「売れ残り金額」の直近3年間の推移をみてみよう。 調査対象を毎年同一店舗としていないため厳密な比較はできないものの、おおよその傾向は把握できる。こうして3年間の推移をみると、大手コンビニ3社が恵方巻きの売れ残りを着実に減らしてきたことがわかる。 2026年に調査したコンビニのうち、完売していた店舗数の割合である「恵方巻き完売率」は、セブンイレブン(59%)、ファミリーマート(70%)、ローソン(93%)であった。大手コンビニ3社すべてで恵方巻きを完売させる店舗が50%を上まわったのは今回がはじめてである。 3年間の推移をみると、2026年に各社が完売率を急激に上げてきたことがわかる。セブンイレブンは完売させた店舗を前年の27%から59%に、ファミリーマートも29%から70%へと2倍以上増加させている。需要予測の精度が上がったのかもしれないし、ローソンが2025年に完売店舗を前年の35%から66%へとほぼ倍増させたことに触発されたのかもしれない。 そのローソンの2026年の完売率は93%だった。9割以上の店舗で恵方巻きを完売させたことになる。これ以上、販売数量を絞ると、客に「完売」というよりは「品切れ」と認識されてしまうのではないかと心配になってくる。しかし、そんなローソンの企業姿勢に好感をいだく消費者は少なくないはずだ。 ローソン広報部は、「恵方巻きは原則予約販売としていること、アプリ予約の実績が拡大していることが影響しているのではないか」と分析している。 一方、大手コンビニ3社のなかでは売れ残りの多いセブンイレブンも、売れ残りを「51本以上」出した店舗は、2025年の15%から2026年は4%に激減している。 それでも、まだ競合他社に比べて売れ残りが多いのは、セブンイレブン本部が、2026年の恵方巻き商戦を前に、各加盟店に「対前年比で、金額ベースで117%、数量ベースで112%の売り上げ増を目指す」ように号令をかけ、その売り上げ目標を達成させるために過剰発注した店舗があったからではないか。 せっかく6割の店舗が「完売」したのに、ごく一部の店舗が大量に売れ残りを出すことで、企業のイメージが損なわれているとすれば残念なことだ。