「選挙後の症状」 斎藤美奈子 文芸評論家
(東京新聞 「本音のコラム」)からの全文引用
選挙後「高市鬱」という言葉がネット上を飛びかっている。「あ、それ私」と思った人もいるんじゃないだろうか。
仕事にも家事にも身が入らない。ニュースを見たくない。体調が悪い。 ため息が出る。何をしてても気が滅入る。
周辺に「いいよね高市さん」とか言う人がいるともう最悪である。どこがいいの。「だってなんかやってくれそうじゃん」。なんかって何よ。「それはわかんないけど」。わかんないのに支持するんかーい。
非支持者には地獄。メンタルもやられます。
こういう時は気休めも大事である。まず数字。すでに指摘されている通り、自民党の議席数こそ316だが、得票率は小選挙区49%、比例37%。有権者全体に対する絶対得票率は小選挙区で27%。みんなが高市支持ってわけでもないのである。
16日、朝日新聞が電話世論調査の結果を発表した。それによると、自民党が3分の2超の議席を得たのは「多すぎる」が62%。国民の賛否が分かれる政策は「慎重に進めるほうがよい」が63%。 力を入れてほしい政策は物価高対策が最多で51%。それに対して外国人政策は9%、憲法改正は5%、大方の市民の意識は穏健なのだ。
このような穏健な市民意識と、暴力的な選挙結果の落差が絶望を生む。 それゆえの鬱。あなたが変なわけではないってことだ。