人気のマチアプ、トラブル発展も 「独身偽装」で賠償命令
マッチングアプリは男女の「出会い」のツールとして広く浸透し、結婚に至るカップルも少なくない。一方で配偶者やパートナーの存在を隠して交際し、トラブルに発展するケースも増えている。「独身偽装」と呼ばれる問題だ。 【写真まとめ】「独身偽装は性加害」と訴える投稿画面 声を上げ始めた女性も こども家庭庁が2024年度に実施した調査によると、回答した既婚者2000人(30代以下で5年以内に結婚した人が対象)の25・1%が配偶者と出会った場所や機会について「マッチングアプリ」を挙げた。職場や仕事の関係、アルバイト先(20・5%)や学校(9・9%)、友人やきょうだいの紹介(9・1%)を上回り、最多の割合となった。 一方、婚活支援サイト運営の「オミカレ」(東京都)の24年の調査によると、アプリの利用経験がある20歳以上の男女1064人のうち、77・2%の821人がトラブルや困った体験に遭遇した経験があると答えている。このうち、恋人や配偶者を隠されたとの回答が女性で6・8%、男性で3・5%に上った。 訴訟にまで発展したケースもある。 マッチングアプリで出会った交際相手の男性が独身を装っていたとして、女性が約780万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は25年12月、男性に約150万円の賠償を命じる判決を言い渡した。 女性側は訴訟で、既婚者ならば性的な関係を持つことはなかったが、男性が独身を偽装したことで関係を持ってしまい、性的な自己決定権(貞操権)を侵害されたと主張した。 これに対し、男性側は「結婚を前提とした真剣な交際ではなく性交渉を目的とした関係だったため、侵害はない」と主張したが、判決は貞操権の侵害を認めて不法行為が成立すると判断した。 他にも、マッチングアプリで出会ったさいたま地検の元男性検事(懲戒免職)が独身を偽装して交際を続けたとして、元交際相手の女性が元検事に550万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。この女性も貞操権の侵害を主張している。【北村秀徳】