和歌山県田辺市は、一般財団法人から提案を受けて検討している公立大学の設立構想を巡り、高校生や保護者らを対象に昨秋実施したアンケートの結果(速報)を公表した。進学を希望する県内生徒のうち45%が、検討中の大学に「興味・関心がある」「やや興味・関心がある」と答えた。
アンケートは、県内外の高校2年生と、田辺市とその周辺にある高校の2年生保護者を対象に実施。県内生徒は3683人、県外生徒は1017人、保護者は131人から回答があった。
市が設立を検討中の大学について、県内生徒で「興味・関心がある」と回答したのは11%、「やや興味・関心がある」は34%だった。居住エリア別では、田辺・西牟婁で「興味・関心がある」「やや興味・関心がある」と答えた生徒が52%、新宮・東牟婁で56%だった。
一方、保護者で「興味・関心がある」と回答したのは19%、「やや興味・関心がある」は38%だった。
興味・関心がある理由として最も多かったのが、生徒は「公立大学なので安心感があるから」、保護者は「自宅から通えるから」だった。
検討中の大学を「受験したい」と答えた生徒は164人だった。
■企業「期待する」6割
また、企業の採用担当者を対象にしたアンケートも実施した。県内事業者185社、県外事業者35社から回答があった。
県内事業者のうち、検討中の大学について「非常に期待する」と答えたのは37%、「ある程度期待する」が29%で、6割以上の事業者が期待を示した。
期待する理由として多かったのが「優秀な人材の輩出」、続いて「地域社会の活性化(消費効果)」だった。
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大学構想は、現役の大学教授らでつくる一般財団法人「立初(たてぞめ)創成大学設立準備財団」(兵庫県宝塚市)が市に提案した。市が大学の設置主体となり、公立大学法人が運営を担う構想で、市役所旧庁舎(新屋敷町)を活用して文系・理系の枠にとらわれずに学ぶ「文理融合型」の大学を設置したいとしている。
学部は「社会情報科学部」(仮称)で、定員は1学年144人。探究的な学びや国内外でのフィールドワークなどを通じ、「AI(人工知能)・DX(デジタル変革)時代において、従来の地方や仕事のあり方に縛られない、自ら事を起こせる人材を輩出する」ことなどを目指している。
市は現在、学識経験者や市民らからなる「高等教育機関設置等調査検討会議」を設けている。大学設置の可能性について専門的な見地を含めて検討しており、本年度中に報告書をまとめる予定。