会話

画像
視点・視野・視座をちゃんと整理してみた
「視点・視野・視座の違いを説明せよ」と問われたときに、どれだけの人がキリっと回答できるでしょうか? ちなみに僕は無理でしたね。
だからこそ 「今の話は、視野を広げる話?それとも視座の話?」 「てか視座が高くなれば、自動的に視野も広くならね?」 みたいに疑問が絶えなかったので、都度、コンサル時代の先輩、MBAでお世話になった教授、経営者の方々に質問してまわっていました。 そのときのメモを備忘録がてら整理しておきます。

視点・視野・視座って何が違うのよ?

まずは、ややこしい3兄弟の意味合いを整理しておきましょう。
画像

視点の多さ:どれだけバランス感を持って評価・判断できるか

視点とは、対象を評価・判断するときに用いる観点の数とバランス感のことです。
売上、利益率、顧客満足、オペレーション効率、リスク、ブランド、法規制、人材育成・・・これらの観点を総合的にふまえたうえで何かを決めたり、評価できたり、物申したりできる人が、いわゆる「視点が多い人」です。
よくバランス感覚が優れた人っているじゃないですか。 ・角を立てないように立ち回れる ・同じ施策を検討する際に短期・中期・長期の効果を切り分けられる ・複数のことを優先度づけしながら捌ける 視点が多いと、こういう立ち回りができるようになります。

視野の広さ:自分以外のことをどれだけ捉えられているか

視野とは、自分が対象として捉えている範囲の広さのこと。
自分の作業だけを見ているのか、同じチームの流れまで見ているのか、隣の部署やサプライヤーまで含めて見ているのか。 どこまで範囲を広く見るかによって、問題の原因や影響をより正しく捉えられるようになるんですよね。
例えば、あなたがシステム開発会社の営業担当だったとします。 業績がなかなか良くならないときに「売上が上がらないのは、営業の受注率が低いせいだ。もっと受注できるようにしよう」って話になって、受注率を上げるために、営業のスタッフ向けに研修をやったとしましょうか。
でも、実は業績が上がらないのは、営業の受注率のせいではなく、「エンジニアの納品スピードが原因だった」とすると、受注率をいくら上げても無駄なんですよね。
↓こういう状況のときに
画像
営業の受注率を上げるために研修を頑張ったところで↓のようにしかなりません。
画像
視野が狭いと、こういうことをやっちゃいます。
でも、視野が広い人、自チームだけでなく他チームや他部署まで考えられる人は、「システム納品までの流れを俯瞰すると、ボトルネックはエンジニアチームにあるな」と正しい問題定義ができるんですよね。

視座の高さ:どの立場の高さで物事を考えるか

視座とは、思考を置く立場の高さを意味します。 いち担当者の立場だけで考えるなら視座は低いですし、部署・全社・業界・社会という高い立場で考えられるほど視座は高い。
新人であっても、「この作業は会社の顧客価値のどこに効くのか」「業界のトレンドに照らすと我々の強みはXXXだから、今のうちにXXXをやったほうがよいのではないか」と考えられるなら、その人の視座は高いと言えます。逆に、役員であっても自部門の数字だけで物事を捉えるなら、思考上の視座は低いままです。

8タイプの愉快な仲間たち

ここまでの堅苦しい説明だけだとイメージしづらかった人(特に自分)に向けて、もっと具体的に描写してみたいなと。
ちょっと誇張しているのですが、これまで会ったことがある人を視点・視野・視座の整理すると、次の8タイプに分類できそうです。
画像

①井の中の新人(視座低い×視野狭い×視点少ない)

まず視座が低いので、考える立場は「自分の作業」どまり。会社全体とか顧客価値とか、そういう高い立場からは物事を見られません。
あと視野も狭くて、見えているのは自分の机の上と目の前のタスクだけ。隣の席の人が何をしているかも、他部署がどう動いているかも視界に入っていない。
さらに視点も少ないから、判断基準は「言われた通りにできたか」くらい。品質とか効率とか、複数の観点から考えることができません。
結果として、フォーマットを正確に埋めたり締め切りを守ったりはできるんですが、「そもそもこの資料って誰が何のために使うの?」という目的意識が持てないんですよね。真面目なのは素晴らしいけど、ちょっと井の中の蛙状態です。

②意識高いだけの人(視座高い×視野狭い×視点少ない)

さっきと違って視座は高いので、会社全体とか社会貢献とか大きな立場から語ることができます。 ただ、視野が狭いから実際に見えているのは限定的。しかも視点も少ないから、判断基準も単純なんですよね。
「イノベーションが大事だ!」「顧客中心でいこう!」とか言うけど、じゃあ具体的にどのプロセスをどう変えるの?どの指標で測るの?って聞くと答えられない。視座だけ高くて、視野と視点が追いついていないから、現実との接点が作れないんですよね。
旗を振るのは上手だけど、実際の現場や制約が見えていないから空回り。視座の高さに見合う視野と視点を身につける必要があります。 まあ、でもここがスタートですよね。 視座が高いだけでも、可愛がりたくなります。

③ニッチな職人(視座低い×視野狭い×視点多い)

このタイプも視座は自分の持ち場に限定されていて、視野も狭いまま。 でも面白いのは、視点だけは豊富なんです。
つまり、自分の担当範囲という狭い世界の中では、品質はどうか、効率は上げられないか、安全性は?顧客の受け止めは?って、いろんな観点から改善を重ねていくんです。資料の体裁とか可読性とか、局所的な最適化はもう職人芸の域です。
ただ、視野が狭いから他部署との連携とか、顧客の体験全体とかは見えていない。せっかくの改善が組織全体に波及しないのがもったいないところです。「狭く深く」が行き過ぎちゃってる感じですね。

④その道のプロ(視座高い×視野狭い×視点多い)

さっきのニッチな職人の進化版ですね。
視座は経営や業界レベルで考えられるんですが、視野は自分の専門分野だけに絞っている。その代わり、その範囲では視点がめちゃくちゃ豊富です。
財務面、顧客動向、競合分析、規制、技術トレンド…自分の専門領域なら、あらゆる観点から深く分析して本質を突いた提案ができます。主力事業の改善とかプロダクトの磨き込みでは最強の戦力です。
ただ、視野が狭いから隣接分野とか新規事業とか、横のつながりが必要な話になると急に動きが鈍くなる。高い視座と多様な視点を、もっと広い視野で活かせるようになれば理想的ではあります。 …なんですが、この手の人はあえて、こういうポジションを取っている人もいます。それに、これもこれで、1つのキャリアのロールモデルだよな、とも思います。かっこいいですもん。

⑤おせっかいウォッチャー(視座低い×視野広い×視点少ない)

おせっかいだけど傍観者よね、という、少し矛盾した要素をはらんでいる存在です。
視座は自分やチームレベルにとどまっているけど、視野は意外と広いタイプでして。 誰が詰まっているか、どの工程で遅れが出ているか、他部署の状況はどうか…アンテナの範囲は結構広いんです。
でも視点が少ないから、判断基準が「早いか遅いか」「困ってるかどうか」みたいな単純なものしかない。だから解決策も「みんな頑張ろう!」「人を増やそう!」って表面的になっちゃうんですよね。
いろんなことに気づけるのはすごいんですが、その気づきを多角的に分析して具体的な解決につなげる観点が足りない。視野の広さを活かしきれていないタイプです。

⑥クソ優秀なサイコパス(視座高い×視野広い×視点少ない)

視座は高くて会社全体や業界を俯瞰できていて、視野も広くて売上、競合、市場、いろんなものが見えています。 でも視点が偏っていて、例えば「短期の数字」だけで判断してしまう、的な。
確かに結果は出るんですよ。でも顧客満足とか従業員の幸せとか、ブランド価値とか、そういう他の観点を無視しちゃうから、長期的には会社をボロボロにしちゃう危険があります。
高い視座と広い視野を持っているのに、視点が少ないせいでバランスの悪い判断をしてしまう。もったいないというか、危険なタイプです。

⑦気が利くサポーター(視座低い×視野広い×視点多い)

視座は自分やチームの立場なんですが、視野はチーム内外に広がっていて、しかも視点も複数持っている器用なタイプです。
進捗状況、品質、顧客の反応、メンバーの負荷…いろんな範囲のいろんな観点を同時に把握して、段取りの組み替えとか資料の修正とか、具体的な対応をパパッとできちゃいます。上司の右腕として、根回しや調整を先回りでやってくれる頼もしい存在です。
ただ、視座が低いので会社全体の戦略とか長期的な方針とかと結びつけて考えるのは苦手。 現場を回す力はピカイチなんですが、もう一段高い立場から物事を見られるようになると、もっと活躍できそうです。

⑧スーパーマン(視座高い×視野広い×視点多い)

視座は経営・社会レベルにあって、視野は現場から業界まで全部見通せていて、視点も財務、顧客、従業員、リスク、ブランドなど状況に応じて使い分けられる。まさに理想形です。
戦略を現場の言葉に翻訳して実行可能な計画に落とし込むこともできるし、短期と長期のバランスも取れる。高い立場から広い範囲を見渡しながら、多角的に判断できる稀有な存在です。
まあ唯一の注意点をあえて申し上げると、何でも自分でできちゃうから、つい細部まで手を出しちゃうこと。 それだとチームが育たないし組織も大きくなれない。 いかに任せるか、いかに仕組み化するか、それがこのレベルの人の課題になります。

どうやって視点・視野・視座を鍛えるよ?

じゃあ、どうやってこの3つを鍛えればよいか? 諸先輩方から教わって、実際に僕も試してみたこと(今も絶賛やっていること)をまとめてみます。
続きは、↓のnoteで解説しておりますので、よろしければご覧くださいませ。
こういった現場知をまとめたnoteが200記事以上、月額500円で読み放題のメンバーシップをやっています。 ワンコインで 「仕事がデキて、サクッと定時に帰れるようになる」 「副業なり転職なり、自由にキャリアを選択できるようになる」 「生成AIを実務でちゃんと使う方法がわかる」 そんな内容にこだわってこだわって書いています。 よろしければ、試しに覗いていってみてください。
画像

記事の公開をご希望の場合
プレミアムにアップグレード
21件の返信を読む