<楽天2-3オリックス>◇7日◇コボスタ宮城

 さらば、闘将-。今季限りで退任する楽天星野仙一監督(67)がシーズン最終戦のオリックス戦で通算17年間の監督生活に終止符を打った。1回に1点を先制しながら、拙攻が響き延長の末の逆転負け。平たんではない野球人生を物語るように、最後に今季最多7連敗、最下位で終えた。11年から指揮を執り、1年目の東日本大震災を乗り越え、3年目で初優勝&日本一。そして、4年目の今季は腰痛による離脱を味わった。山あり、谷ありの楽天4年間を駆け抜け、ついにユニホームを脱いだ。

 闘将と呼ばれた男の目が光った。退任セレモニー。コボスタのど真ん中、星野監督は大型スクリーンに見入った。4年間の名場面に「思い出すね」。松井稼、藤田、斎藤、小山伸、嶋、銀次。次々と花束を受け取った。泣きじゃくる“子どもたち”を見る目は優しかった。逆転負け直後のこわばった表情は消えていた。

 星野監督

 勝負というのは、本当に残酷。昨年の、何度も何度も宙を回ったシーンを思い出します。あのまま本当に時計が止まって欲しいと思ったぐらい。まさに今年と昨年は、天国と地獄です。人生ってそんなもんかなあと。最大の責任は、私が長期にわたり皆さんの前から消えたこと。痛切に責任を感じています。

 7連敗で最下位。5回無死満塁を逸したのが痛かった。試合後のいつもの会見がないと聞き「ぼろくそに言ってやろうと思ったのに」と、冗談でごまかした。

 悔しい終わり方だが、最後まで楽天を強くすることを考えていた。辞任表明から1週間後の9月25日。首位ソフトバンクに3連勝しても「結果オーライ野球だ!!」と声を荒らげた。「甘えの体質がしみついている。アウトになったからOKで済ませてきたからだ。今年で辞めるが、再来年ぐらいまでは、俺の影響、責任があるんだ」と翌日、不満爆発の真意を語った。

 CS圏外でも関係ない。プレーの質にこだわり、選手と真剣に向き合う。だから、67歳にして本気で怒る。鉄拳はなくなったが“厳しさ”は不変。同時に“情”の人だった。休養中、監督自身の意に反し2軍に配置転換された米村コーチをラスト5試合で1軍に戻した。同志たちと、この日を迎えた。そういう人だから、自然と人の輪ができる。「財産は友だち」と言えた。

 中日、阪神、楽天と3球団を優勝に導いた指揮官は、今後の現場復帰について「年を考えろ」と一蹴した。「燃える男」のユニホーム姿は、もう見られないだろう。来季はSD(シニアディレクター)のような立場で球団をサポートすることになる。最後、ファンに呼び掛けた。

 星野監督

 イーグルスの監督になって本当に良かった。最高に幸せな野球人生を送らせていただきました。遠くから、みなさんとともに彼ら(選手)の目標をしっかり応援してやりましょう。皆さん、ありがとう!

 さようなら!

 星野コールは鳴りやまなかった。【古川真弥】