「無知は力なり」 トランプ政権が撤去した奴隷制展示、米連邦地裁が返還命令 オーウェルの「1984年」引用

独立国立歴史公園にある奴隷制に関する屋外展示=2025年10月、米ペンシルベニア州フィラデルフィア/Michael Yanow/NurPhoto/Getty Images/File

独立国立歴史公園にある奴隷制に関する屋外展示=2025年10月、米ペンシルベニア州フィラデルフィア/Michael Yanow/NurPhoto/Getty Images/File

(CNN) 米フィラデルフィアの歴史博物館から奴隷制度関連の展示が撤去されたことをめぐってフィラデルフィア市がトランプ政権を訴えている訴訟で、連邦裁判所は16日、ジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」を引用し、撤去した展示物を返還するようトランプ政権に命じた。

米連邦地裁のシンシア・ルーフェ判事(ジョージ・W・ブッシュ政権下で任命)は命令の中で、何度もオーウェルの小説を引用。訴訟が続く間は展示を元に戻すよう求めたフィラデルフィア市の申し立てを認めた。

「まるでジョージ・オーウェルの『1984年』に登場する真実省が、今ここに存在しているかのようだ。そのモットーは『無知は力なり』だった。本裁判所は今、連邦政府が自ら有していると主張する権限、すなわち、政府が歴史的事実にかかわる何らかの管轄権を有する場合、歴史的真実を偽り、解体する権限を有しているかどうかの判断を求められている。政府にその権限はない」。ルーフェ判事はそう指摘した。オーウェルの1984年は抑圧をテーマとして、政府が厳格に支配する社会を描いた小説だった。

フィラデルフィアの歴史博物館からは先月、奴隷制度について説明した大型パネルが撤去されていた。これに対してフィラデルフィア市は、変更を加える場合は事前に市と協議する必要があるとして、トランプ政権を提訴した。

内務省は17日、今回の決定を不服として異議を申し立てる意向を示した。

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