故郷の村への帰還を支援
現地で活動しているNGOなどは、保護された子どもを一時的に受け入れるシェルターの運営や、故郷の村への帰還支援などを行っている。だが、支援の手はまだ十分ではない。「かものはしプロジェクト」の担当者は言う。
「経済的理由から売春に従事せざるをえない少女を故郷の村に戻しても、また同じ状況に追い込まれ、本質的な解決にはならないと思います。そもそも、売買春が違法とされており、児童買春の現場は表立っては見えにくく、売られた少女たちを保護するのがまず難しい状況にあります」
そうしたなか、同NPOは昨年12月、「#こどもを買わせないプロジェクトinラオス」を立ち上げた。
力をいれているのが「啓発」だ。買春問題は、「買う側」に罪の意識がないことも大きな問題とされる。買春者は悪いことをしているという自覚が薄く、「被害者を経済的に支援した」と考えている人も少なくないといわれる。また、依存的に児童買春を繰り返してしまう人もいるという。
そこで同NPOは、ホームページで「児童買春は犯罪」であると訴え、現地の団体と連携し、日本語で「ラオス国内での買春行為は犯罪である」と記したリーフレットを配布したり、ポスターを貼るなどの活動を始めた。ホームページ上では、自らの加害を止められない人へ向けた匿名相談窓口も設置している(https://kodomo-kawasenai.net/)。
日本人が児童買春に加担する状況
「まずは日本人が児童買春に加担する状況を止めていきたいが、それだけではこの問題は解決しない。長期的には、当事者の子どもを含むラオスの人たちの声や価値観を尊重しながら、子どもの尊厳が守られる社会をラオス流の形で実現できたらいいと思います」(「かものはしプロジェクト」の担当者)
社会の変化を後押しするには、国際社会からの働きかけも重要だ。カンボジアでは、国際的な圧力を受けて児童買春の摘発体制が強化された。ラオスでも、外からの視線が社会の意識変革を促す可能性があるという。
「ラオスにおける児童買春を国際問題として可視化し、『児童買春はどこの国でもしてはいけない』という国際的なうねりをつくることが求められます」(同)
児童買春は、遠い国の問題ではない。私たち一人ひとりが、社会全体で子どもを守らなければならない。
(AERA編集部・野村昌二)
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