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女ひとりで宿経営。危険はないのか?

 ゲストハウスを経営したいひとにとって、やりたい宿のイメージは強くあると思うのですが、起こりうるリスク・不安要素にもきちんと目を向けてゆく必要があります。今回は1166バックパッカーズでこれまで起こった対処に困った案件を、いくつか。

自転車で転けたおじいちゃん

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玄関のようす

 まだ一人で宿を営業しているころでした。1166バックパッカーズの玄関はこんな様子でして、この椅子に座って仕事をしていた午後3時ころ、ちょうど玄関前で自転車を押したおじいちゃんが自転車ごと軽く転倒。あらあら!と思い、(大丈夫ですか?)と声をかけたところ、顔を上げたおじいちゃんとバチっと目が合いまして…おじいちゃんは泥酔されておりました(笑)。転倒なんてなんのその、おじいちゃんはずんずんっと詰め寄ってきて、間寛平ちゃんのように「ここは何じゃ」(宿です)「おまえは誰じゃ」(宿のひとです)「宿とは何じゃ」(泊まれるところです)「ここは何じゃ…」の無限ループ。館内には誰もおらず、私だけ。怖くなりおじいちゃんが詰め寄ってくる目の前で玄関の扉をピシャリと閉めて鍵をかけました。一瞬何が起こったかわからなかったおじいちゃんも、ハッとして「こら〜!!」と玄関扉を蹴り始めます。ガラス割られるかと思うほど大きな音だったので、ご近所さんが窓から顔を出す始末。近所の交番に電話をかけたところ、おまわりさんが駆けつけてくれ、おじいちゃんを連れていってくれました。おまわりさんは私に「玄関は鍵かけてくださいね!」って。でもさ、宿で玄関に鍵かけておくっていうのも…ねぇ?

「これはパレオじゃ、正装じゃ」

 開業して1年目のころ、公衆電話からの当日予約で来られた日本人男性がいました。顔は市川 團十郎(海老蔵)のようなキリリとした目力。いや、顔よりなにより、格好に皆釘付け。作務衣に三度笠、背負ったリュックにはキツネのお面とお守りがジャラジャラ。そしてスンスンと杖をついて登場。いやはや、ツッコミどころ満載でしょう? ラウンジにいた誰もが(どこから来たんですか!)(めっちゃ旅してるんですね!)と話しかけるも、当の本人は寡黙。その時は、この方がめっちゃ問題児だとは誰も気が付きませんでした。

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脱衣所のようす

 夜です。1166バックパッカーズのシャワーはこんな感じの引き戸なのですが、そのひとは垢すりタオルを腰に巻いただけの全裸で脱衣所から出てきて「タオル忘れた」とうろうろ。なぜかトイレをするときもドアを全開。これはうっかりではなく、確信犯だ!!!と。こういうときはオーナーに見えない力が降臨するようで(そとでその格好でうろうろしたら逮捕されるでしょ? 宿のなかもパブリックなスペースですからね、次にそれやったら警察呼びますよ!)と伝えたところ、海老蔵のような渋い声で「これは正装だ、パレオだ」と言い出しました(パ、パ、パレオ…)。頭くらくらしますね。延泊を希望されましたがさすがにご遠慮いただきましたところ、知人でもある近隣の宿スタッフから(なんか、やばいゲストきたんですけど!)と連絡が入り、聞くとやっぱり同じかた…。後日談として、関東のとあるゲストハウスの方がSNSで「お客さんから預かった荷物がすごい!」と投稿があり、写真をみると見覚えのあるキツネのお面…。経営に慣れていたころであれば、即通報していたと思うのですが、それをしなかったのが悔やまれる。

日本人女性1人で立ち向かえるのか

 その他にも、ガタイの大きい外国人男性ばかりが泊まっている夜なんかもあります。消灯と言っても聞いてもらえない、夜中通してパーティしたがる、他人の食パンを堂々と食べちゃう、そんな海外勢に、日本人のなかでも小柄な私が立ち向かう日々。よく無事でいられたなと思います。

 ここまで書くと、ゲストハウスを運営するのに怯える方も多いだろうし、泊まりにいくのを恐れてしまう人もいるかもしれません。そういう方に、これだけは伝えたいのですが、上に書いたような出来事は全て開業1~2年目くらいだけでした。そこからは基本的に大きな問題なく運営しています。

面倒を起こしそうなひとに引っかからない営業をする

  • 情報発信の仕方

  • 価格

  • レビュー

 この3点で、来られるゲストをコントロールすることができるように思います。情報発信としては、パーティパーティした写真ばかりを上げない。スタッフがきちんと在宿し管理している宿として情報を発信する。価格としては、地域の最安値にならない。レビューとしては、よその宿より高いお金を出してでも泊まりたいと思ってもらえるサービスをする。そして他より高かったけれど泊まってよかったという良いレビューを蓄積していく。加えて、近隣住民に味方になってもらったり、複数のスタッフが出入りする状態を作るのももちろん吉。
 前述の酔っ払った近所のおじいちゃん、というのはまた別の話になってくるけれど、1166バックパッカーズに来てくれるゲストはほんとうに素敵な方ばかりで、新しく働き出すスタッフはみんなそれを口にする。「パレオだ!」なんていうひとには(ゲストハウスばかにすんな!)と言いたい。


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2010年、長野市で小さなゲストハウス https://1166bp.com を開業。観光客と地元民のパイプ役として集まるひと新しい世界に触れられ、国籍や年齢、肩書きなどに捉われず安心して居られる場所を目指し運営中。ここでは宿運営に対しての哲学から裏話まで記しています。
女ひとりで宿経営。危険はないのか?|ORIE IIMURO / 1166バックパッカーズ
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