衆院選の投開票が8日、行われ、元テレビ朝日アナウンサーで、昨夏まで東京都議だった川松真一朗氏(45)が初当選を果たした。地元墨田区から国替えし、自民党公認候補として東京23区(町田市)で出馬。短期決戦で不利な状況の中、再スタートとなる新天地で見事に議席をつかんだ。
一報が入ると「よしっ!」とガッツポーズ。都議会の先輩で同選挙区での出馬を後押しした吉原修氏(70)らと握手し、喜びを分かち合った。川松氏は「みなさんと12日間ひたすら歩いてこの結果が出ました。議席をとらないといけないという責任をまずは果たせてホッとしています。(後押しした)吉原さんを男にすることができました」と力強く語った。
期間中の演説には、麻生太郎氏や小池百合子東京都知事、テレ朝アナ時代の上司、松井康真・元アナウンサー(62)らが応援に駆けつけて支えた。
2月6日の選挙戦終盤の街頭演説では、「私もテレビ朝日でアナウンサーをやったり、東京都議をやったり、世の中のおかしいことや変な仕組みを排除するよう努力してきました。けれどこの国にはたくさんあるから、高市政権でみなさんの力を借りて無駄の排除をしていきたいと思っている。この日本が沈んでいく姿を見たくない。10年前、20年前、30年前の日本は、考えてみたら僕ら世界の中のトップにいたはずが、いまその地位は危うくなっている。日本をしっかり守りもう1度世界のトップに押し上げることができるラストチャンスが、高市早苗政権だと思っています」と訴えていた。
「知ってもらえれば勝てると思っている」。こう語って選挙戦を戦ってきた。町田市内を、のぼりを持ってスタッフらとひたすら歩き、出会う人たちへ声をかけ続けた。「自民党なのにこんなことするんですね」。次第に“歩く候補者”として知られるようになった。
SNSにも力を入れ、選挙期間中だけで動画を約120本掲載。町田駅前で若者に人気のYouTuber、東海オンエアのしばゆーに遭遇した模様を映した映像はTikTokで40万回以上の再生数を記録。関係者は「若者へもかなりリーチできたのではないか」と分析し「川松さんは元アナウンサーで滑舌もいいのでAI生成する動画の字幕付けもほぼズレがない。そうしたことがスムーズな動画作成にもつながった」と語った。
川松氏はアナウンサーとしての顔のほか、プロレスラーやイベントプロモーターとしての顔も持つなど多様な活動を積極的に行ってきたことでも知られる。会見でも昨年7月に亡くなった米国のプロレスラー、ハルク・ホーガンさんとの交流についても明かした。リングでは使用許可を受けた得意技、アックスボンバーを披露するなど活躍しており、現地で多くの人に囲まれるホーガンさんのスターぶりにも感銘を受けたという。
1月19日の出馬会見では「日本から世界へ飛び出す人をどんどん出していったら必ず日本は世界の中心になれるなと思いました。プロレスラーは入場からみんなをワクワクドキドキさせるんですよ。出てきた時から空気を変えるので。政治でもそうした雰囲気で入場してくるイメージで選挙をやりたいなと思います。強いニッポン誇れるニッポンを取り戻すために衆議院選挙戦っていきたい」と誓っていた。
今回の出馬については、昨年7月に都議を卒業以来、次の国政選挙へ向けて準備を進める中で「地元で目指すのが筋ということで、後援会にもその話をしながら行っていました。しかし、同選挙区には松島みどり氏がおり、どこかの段階で結論を出さないといけなかった」として熟考。
そんな最中に都議の先輩で、町田市を地場とする吉原氏に面会した際に「自分の後援会も戦うつもりでいるけれども、町田のことを考えた時に継続的に道をつないでくれる存在が出たのかもしれない」と後継者としての立候補を勧められたと経緯を明かしていた。
川松氏は当選確定後、だるまに目を入れ「町田のみなさんが押し上げてくれたということを、胸を張って証明していきます」と宣言。1月17日から睡眠時間も削る戦いが続いていたといい「やっとゆっくり眠れるかな」と安堵(あんど)の表情もみせ「町田はそれぞれの地域に魅力がある。ポテンシャルが高い。必ず町田を日本で一番の街にします!」と拳を握った。【松尾幸之介】