娘は少年院を出たばかりの15歳に殺された 幼少期に虐待を受けた少年、その母親に責任「なし」 遺族が見た壮絶な現実
―私の話に真正面から向き合って、謝罪の意味を必ず答えてほしい 「ごめんですね」
ミサトさんの母はうめく。「更生する気なんて全くない。いっそこの手で殺してやりたい」
少年院での矯正教育が不十分だった、と国賠訴訟も起こしたが、国は「最善を尽くした」と主張。国民を守ってくれるはずの国すらも、責任を認めようとしない現実に、言葉を振り絞った。 「誰が犠牲になってもおかしくない事件なのに、誰もが責任から逃げている。『仕方なかった』『運が悪かったね』と済ますのが司法の立場なのでしょうか」
ミサトさんの母は、少年の母親への判決に対し控訴している。控訴審は、2月20日に結審される見通しだが、判決が覆る可能性はないのだろうか。
判決が覆る可能性はあるのか
京都弁護士会の吉田誠司弁護士は推測する。
「今回の事件はかなり特殊なケース」と前置きした上で、「少年の粗暴性は母親が手元で育てていた時から明らかで、身元引受を拒否すると少年に怒りが生じて、殺人とはいかなくても、他人に危害を加える恐れがあると『予見できた』と認めることはできるのではないか」と指摘。
さらに、母親が少年をいったん受け入れることで、「少年の不安が解消され、事件を『回避できた可能性がある』と認定することもできるだろう。私は、判決が覆る可能性は十分にあると思う」とする。
その上で、こう結論付けた。「事実はすでにテーブルに並べられている。後は、一つ一つをどう判断するか。すべては、裁判官の裁量に委ねられている」 (京都新聞報道部 藤松奈美)
※この記事は京都新聞と Yahoo!ニュースによる共同連携企画です。
京都新聞報道部 藤松奈美