娘は少年院を出たばかりの15歳に殺された 幼少期に虐待を受けた少年、その母親に責任「なし」 遺族が見た壮絶な現実
少年は法廷で、「すごい期待の気持ちが強くあって、頑張ろうっていう気持ちが強かったので、急に引き取りが難しいということになり…全く、あまり前向きにはなれないままでした」と語った。
「クズはクズのまま。変われないと思う」
2022年7月25日、少年には、少年法が適用され、10―15年の不定期刑が言い渡され、その後確定した。
ミサトさんの母は、法廷で親子関係が明らかになるたびに「身の毛がよだつような思いがした」と話す。「少年はまだ15歳なのに、育て方があまりにもひどい。この犯罪には、母親にも重大な責任がある」
2023年3月、少年の母親の責任を問いたいと、少年と母親相手に民事訴訟を提訴。母親は未成年の親権者なのに、育てた環境が常軌を逸していることや、仮退院時に引き受け拒否したことが子どもの監督義務に違反しているという理由を挙げた。
「誰がどう見ても、母親の行動が少年の人格形成や犯行に影響を与えている。そう確信していたので、当然、認められると思っていました」とミサトさんの母は語る。
少年の母親に責任「なし」遺族の憤り
しかし結果は正反対だった。
2025年3月に言い渡された民事の一審判決では、少年の賠償責任は認められたが、母親の監督義務違反はないと認定された。
判決を要約すると、こうだ。
「不適切な養育を含む家庭環境が、少年の行動に相当な影響を及ぼした。しかし、母親が少年と同居していたのは事件発生の4年半前までであり、同居時の不適切な監護が直接事件の発生に影響を与えたとは認められない」
「仮退院の時に引き受けを拒否したことは、少年に孤独感や不安感を生じさせた。しかし、親権者が適切な養育環境を整えられないという理由で、公的機関の保護にゆだねることは許容される。それによって、少年が第三者の命を奪うという予見はできない」