女子枠/限定公募という差別がまかり通るアカデミア界隈
まず,最初に.女子枠も限定公募も明確な差別である.いくら「必要なんだ」と繰り返そうが,差別であるという事実が変わることはない.いくら反論を重ねたところで,せいぜい合理的差別に仕立て上げるのが限界であろう.「差別で何が悪い.それでも必要なんだ」と開き直って,悪役に徹してくれた方がまだ筋は通る.ぶっちゃけ差別している自覚のない賛成/推進派は,知能と人間性が終わってると思うゾ.
男女の偏りは自由と稼得圧によって生じる
ほぼ常識とも言ってよい「男女平等のパラドックス」を知っていれば即終了レベルの話ではあるのだが,先進国等の比較的豊かで自由な国であるほど,女性はSTEM分野には進学しない.むしろ発展途上国の方が,男に頼らずとも食っていけるよう,STEMを専攻するのである.つまり,理工系学部の男女比の偏りは自由であるが故に生じているのだ.
また,別の視点であるが,男に対する稼得圧も,男子学生の理系進学には影響している(文系の場合でも,文学部よりは経済学部や法学部の方が男性比率が高くなりやすい).内閣府の調査でも,男子学生の方が進学選択への周囲の干渉を受けやすいことはわかっている.なお,将来食っていくだけでも大変な音大・美大への進学者では,男女比において女性が多いことからも,社会的な稼得圧に影響されていることがわかるだろう.
少し脱線:高等教育機関の進学率では
ここから1セクション分は脱線した話題となる.四年制大学への進学率の男女比ばかりが語られやすいが,高等教育機関というものは四年制大学だけではない.本来は,短期大等の高等教育機関への進学者も含めて,進学率は考慮すべきである.中等教育後期を終えた後に就職するケース,つまり高卒労働者の男女比ではどうかということもセットだ.
結論から言うと,高等教育進学率では女性の方が数ポイントだけ高い.これは,高卒で働かされているのは男性が多いということも意味する.
また,ついでに進学率の男女比を国際比較する際,海外では女性の比率が高いことを引き合いに出すものがいる.これも厳密さを欠いている.そもそも教育システムというのは国によって違うのだから,単純比較してしまうのは浅はかだ.また,算出方法についても,国によって違う点は注意が必要である.「四年制大学のみの進学率」を出している国と「コミュニティカレッジ等も含めた高等教育進学率」で出している国とを比較したところで,あまり意味はないのだから.
そもそも解消すべき偏りなのか
自由であるが故に進路が偏っている点は,果たして解消する必要性がそもそも存在するのか.稼得圧によって男子の理系進学率が押し上げられている点は,改善の必要がないか.これらの議題について全く検討されないまま,「女性比率が低いのは悪」という結論ありきで,やれ女子枠だのやれ女性限定公募だのが導入されてしまっているのが現状だ.
なお,女子枠を「現状改善のための荒療治」とのたまう阿呆もいるが,病巣が存在しないのであれば,そもそも治療の必要はない.荒療治もクソもないのである.このような阿呆は,何をもって「病巣が存在する」と断定したのだろうか.甚だ疑問である.
何故このような事態に陥ったか
正直なところ,女子枠も女性限定公募も,人並みに健常な知能を有していれば「何の合理性もない悪手」であることはわかるはずである.であるにも関わらず,なぜアカデミアはこれを採用するのか.
結論から言えば,文科省への媚である.媚びて金をせしめるための病身舞である.短期的には集金に有益であろうが,こんな悪手によって人材面で壊滅してしまっては,長期的には損しかないと思うのだがね.
あと最後にこれだけは.女子枠や限定公募という慈悲的差別の存在は,席を奪われる学生や若手研究者がかわいそうなのは言わずもがなだが,枠なぞなくとも実力で男と肩を並べられる強い女にとっても不都合であろう.本来の実力が評価されず,下に見られるリスクだってあるのだから.



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