相談相手はAIだけ 平成不況で敗者復活ならず、孤独な団塊ジュニアがそれでも抱く希望
16歳以上の4割「孤独感ある」
非正規雇用の増加、インターネットの普及によるライフスタイルの変化、少子高齢化、未婚化などにより、地域や職場、家庭といったあらゆる場で人と人とのつながりが希薄になった。 孤独・孤立の問題は以前からあったが、人同士の接触機会が減った新型コロナウイルス禍を機に一気に顕在化し、深刻化したと指摘される。 こうした傾向はコロナ禍が終息した今も続いている。 内閣府が24年に全国の16歳以上を対象に実施した調査によると、孤独感が「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人は計39・3%だった。 21年の調査(36・4%)よりむしろ増えており、誰にでも起こり得る身近な問題となっている。 年代別では20~50代の割合が高く、24年は50代が最多の44・8%に上った。 孤独は「独りぼっち」といった主観的な感情で、孤立は他者とのつながりや助けがない客観的な状態を指す。 そうなった背景や、現在置かれている状況は人それぞれだ。 誠さんの場合、子どもの頃から同世代との激しい競争にさらされ、働き盛りの時に「失われた30年」が直撃した。 「人生を変えよう」とさまざまなことにチャレンジしたが、当時の社会情勢にことごとく阻まれ、現在の孤独な日々に至った。
それでも続く挑戦
社会的なつながりが少ないことは1日15本の喫煙や過度の飲酒より死亡リスクが高いとされるなど、孤独・孤立の弊害は国内外のさまざまな研究で指摘される。 24年に施行された孤独・孤立対策推進法は、孤独・孤立を本人の内面の問題とするのではなく「社会全体の課題」と明記し、予防や支援を国や自治体の責務としている。 ただ、行政や民間団体が当事者を網羅的に把握することは難しく、本人や周囲が声を上げなければ支援に結びつきづらい現実がある。 誠さんは、「明けない夜はない」「頑張れば必ず報われる」といった言葉を「無責任な慰めです」と一蹴する。 実際、諦めなどからSOSの声を上げずにいる当事者は少なくないとみられる。 だが、誠さんは支援者を頼ったからこそ生活保護につながった。 現在は、障害のある人たちの一般企業への就職をサポートする就労移行支援事業所を利用し、週4日、通所と在宅の両方でプログラミングの勉強を続けている。 AIエンジニアになり、「リアル版人生ゲーム」のようなイメージの仮想体験システムの開発に挑戦してみたいという。 「『別の人生も見てみたかった』という思いを持つ人たちが、自分らしい生き方を探すきっかけになる体験を提供できたらと思っています」
※この記事は、毎日新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。