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猿が火の使い方を覚えたということ

はじめに:俺は猿だった

断言する。半年前の自分は、猿だった。
性欲は猿でありたい。あの頃のように・・・

毎日TDnetで決算短信をポチポチ開き、カタリストになり得る情報や決算数字などをメモやスプレッドシートを手打ちする。情報ページをブックマークして、更新がないか目視でチェック。それを引け後~夜中、翌朝までやっていると午前中が終わる。

機関投資家がBloombergターミナルで一瞬で取れる情報を、自分は素手で木の実を割るように集めなければならない。端末を契約すればいい話なのだが、リターンが少ないのではと思っていた。

そんな猿が、AIという「火」を手にした。

正確に言えば、AIに「薪の組み方」から教わって、自分で焚き火を起こせるようになった。プログラミング経験などいらない。Pythonの「P」の字知る必要もない。今では20本以上の自動監視スクリプトを走らせ、決算発表から数秒でDiscordに通知が飛んでくる環境を構築している。

これは、「進化した猿」の記録だ。


第1章:火を使う前の暮らし ── 手作業という名の苦行

個人投資家の情報収集は、基本的に「苦行」

適時開示を追いかけ、決算説明資料や説明会、EDINETから四半期報告書や有価証券報告書を読み受注まで把握、信用取引の動向を確認し、ニュースをチェックする。上場企業は約4,000社。決算シーズンになると1日に約1000件以上の開示が出る。人間の目で追える量ではない。それを地道にやってこそのレベルアップもあるわけだが・・・

以前の自分の「投資ルーティン」はこうだ。

朝:ブックマークしているページや更新チェッカーでの市場情報把握→ 前日に入れ替えた監視銘柄の再チェック 

場中:トレード、暇があれば決算やイベドリのスケジュール管理やデイトレ案、ファイルの整理、漫画・アニメ・スポーツ観戦

夜:その日の反省点の今後の対策、スプレッドシートやメモに手打ちで数字をまととめる → 翌日の戦略を考える → 疲れて寝落ち

効率? そんなものはない。根性と気合いで戦う、まさに「素手で狩りをする猿」だな。株を始めたころは決算の数字・修正・パターンを全てスプレッドシートに手入力して寝る時間って仕事中くらいだった記憶しかない。仕事なんてしているフリしてずっと寝てたなー

一方、機関投資家はどうか。専用端末で全銘柄のデータにリアルタイムアクセスし、高性能PCでAIがニュースを要約し、アルゴリズムが異常値を検知する。月額数十万円のツールを湯水のように使い、チームで分担して分析する。

そもそも同じ立場ですらないが情報格差を感じる。武器が違いすぎた。こっちは石器、あっちはマシンガンだ。


第2章:火の発見 ── 「これ、AIに作ってもらえばよくない?」

転機は、12月下旬のことだった。

きっかけはChatGPT。公開情報の要約や翻訳、文章の校正に使っていたある日、ふと思った。

「これ、Pythonのコードも書けるんじゃないか?」

試しに聞いてみた。情報を取得して、特定のキーワードが含まれていたらDiscordに通知するPythonスクリプトを書いて」

返ってきたのは、そのまま動くコードだった。

衝撃だった。自分がプログラミングのプを覚える必要などなかった。投資本も買わない俺が買った本はPython初心者攻略本みたいなものだったが、途中で読むことすら挫折していた。その本を買う必要すらなかったのだ。やりたいことを日本語で説明すれば、AIが設計図を描いてくれる。あとはそれを動かして、エラーが出たらまたAIに聞けばいい。

猿が火を見つけた瞬間だった。異世界か?くらいの感動である。

そして年が明けた1月、Claude(Anthropic社のAI)に乗り換えた。ChatGPTで「火起こし」の感覚を掴んだ猿が、より高性能な火打ち石を手にした格好だ。Claudeはコードの設計力と日本語の理解力が段違いで、「やりたいこと」を伝えたときの打ち返しの精度が明らかに上がった。ここから一気にシステム構築が加速することになる。

その翌週のオフ会でClaudeをクラウドと呼んでしまい恥ずかしい思いをしてしまうのは内緒だ。


第3章:焚き火の育て方 ── システム構築の実際

「火」を手にした猿は、次々と焚き火を起こし始めた。ここからは、実際に構築したシステムの概要を紹介する(具体的なコードやスクリプト名は伏せる)。普段自分が手動でやっていたことを自動化しただけだが

🔥 自動化

公開情報からフィルタリングを経てDiscordに通知が飛ぶ。決算短信、業績修正、自社株買い、MBO……重要な情報を見逃すことがなくなった。以前は「帰宅したら大事な情報が出てた」という悲劇がよくだったが、今ではスマホがブルブル震えて教えてくれる。通知が多すぎて見逃してしまうこともあるが()

🔥 決算発表スケジュールの自動取得と予測

JPXが公開する決算発表予定表を自動取得し、会社IRを確認、さらに過去の発表パターンから「この会社は何時頃に出すか」を予測する仕組みを作った。場中に出るのか、引け後なのか。これがわかるだけで、ポジション管理が格段に楽になる。

🔥 EDINET(有価証券報告書)の監視

金融庁のEDINETに提出される書類を自動チェック。大量保有報告書や臨時報告書など、株価に影響する書類をリアルタイムで捕捉する。手動で毎日EDINETを開いていた頃が嘘のようだ。今は画面にすら出していない。

🔥 信用取引データの監視

日々の信用残や逆日歩の変動を追跡し、異常な動きがあればアラートを出す。空売り残が急増している銘柄、貸借倍率が急変した銘柄をいち早くキャッチできる。増し担保や日々公表も手動で計算するなんてもはや原始人のやるもの。猿でもやらないヨ

🔥 ニュースの自動収集とフィルタリング

経済ニュースを常時監視し、特定の銘柄名やキーワードが含まれるものだけを抽出してDiscordに流す。ノイズを削ぎ落として、本当に必要な情報だけが手元に届く。これがグリーンランドを企業名:ランドとかで通知してくるのが地味に困る。

🔥 決算データの一括収集

事前の決算数値、コンセンサスなどもDB化しておき、決算前の比較データをそろえておくことは俺にとってはかなり重要。決算前に事前データを持っていることで単体QやYY/QQなどを暗算し、トレードに活かすことができる。その暗算をしなくてよくなったのは見た目の数字でのトレードをデイトレで優先している俺にとっては最優先。正直な事を言えば株探を見るだけで済みます。そう、数銘柄だけならね
同時刻に決算が100件程度出て、ぱっと見の数字を元に売買意志決定までには時間がどのくらいかかるだろうか

🔥 AIによる要約

公開情報からPYに分析を並べさせる。資料、報告書をAIに投げて、要点を自動要約させる。売上・利益の増減、会社側のコメント、通期見通しの修正有無……これが1件数秒で出てくる。人間が1件読むのに5分かかるとして、100件なら8時間半。AIなら数分だ。それを読んでも30分はかからない。プロンプト力は問われるかもしれない

🔥 自動ポスト

22件/日以内なら無料なので適当にテスト中
今は増し担保とか日証金規制、売買停止、大量保有の一部など

🔥 それら全てを集約するツール

全てがdiscord通知だと把握しきれないので、決算、材料、ニュース等自分が把握したいものはツール内に全て表示できるようにしている。受注・予定・カタリスト・アクティビスト・中計くらいまでは把握できている・・・はずだ。
例としては以下こんな感じ。今だに抽出ミスが多いので各企業設定するのが一番大変。すぐに検証→修正が大事

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ツール一部の例
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中計一覧


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受注

第4章:火傷もした

かっこいいことばかり書いたが、当然ながら盛大にやらかしてもいる。

事件1:無限ループ通知テロ
間隔設定をミスって、同じ通知がDiscordに数百件連投される。

事件2:日付が変わって沈黙する監視くん
0時を跨ぐと日付の処理がバグって、翌朝まで一切通知が来なくなるスクリプトがあった。「今日は静かだなぁ」と思ったら、監視が死んでいただけだった。平和な朝は、だいたい何かが壊れている。

事件3:AIのコードを信じすぎて本番環境崩壊
AIが書いたコードを「動いたからヨシ!」とそのまま本番投入。しばらくして特定の条件でクラッシュすることが判明。AIは万能ではない。レビューとテストは人間の仕事だ。……とわかっていても、動いたコードを疑うのは難しい。決算のPDFも企業によって項目が違っていたり、複雑になっていたりする。株探やIFISの凄さはそれをミスなく抽出しているところだ。まじで凄い。金払ってでも見る価値はある

大した火傷はしてないな・・・

教訓:AIは完璧な火ではない。使い方を間違えると火傷するのでテスト環境を構築してから実践しましょう


第5章:猿と機関投資家の距離は縮まったのか

正直に言うが、まだまだまだまだ遠い。

機関投資家が持っているのは、リアルタイムの板情報、独自の分析モデル、企業との直接対話、そして圧倒的な資金力。個人投資家がPythonスクリプトを20本走らせたところで、この差は埋まらない。

でも、方向は確実に変わった。

以前は「情報を集める」だけで1日が終わっていた。今は「集まった情報をもとに考える」時間が圧倒的に増えた。これは決定的な違いだ。

石器は言い過ぎかもしれない。素手で戦っていた猿が、火を使えるようになった。マシンガンやライフルにはまだ遠いが、少なくとも火の明かりで周囲が見渡せるようになったのだ。もう暗闇で藻掻く必要がないのだ。


第6章:個人投資家 × AIの未来 ── 火はライターとなり更に簡素化する

ここからは既に始まっている話を

AIエージェントの進化

現在のAIは「聞かれたことに答える」存在だが、これが「自分で判断して動く」エージェントへと進化しつつある。将来的には「この決算内容なら明日の寄付きは売り圧力が強そうだから、逆指値を引き下げておきますか?」みたいな提案をAIがしてくる世界が来るかもしれない。数年以内に証券会社提供のものが出てくるのは確実だと思う。AIエージェントは既に手に届く場所にいる。俺達がトレンドに疎いだけなのかもしれない。

マルチモーダルの活用

テキストだけでなく、画像(チャート分析)や音声(決算説明会の自動書き起こし・要約)もAIで処理できるようになってきた。決算説明会をリアルタイムで聞きながら、要点がテキストで流れてくる未来はすぐそこだ。NotebookLLMなどでYoutubeの配信も文字起こしからAIまとめが現在ですらある

情報の民主化

かつて端末でしかアクセスできなかったような業績情報処理能力が、月額数千円のAIサブスクリプションで手に入る時代になりつつある。完全に同等ではないが、40%くらいのことは個人でもできるようになった。残りの60%を埋めるのは、AIの進化か、個人投資家の創意工夫か。たぶん、両方かな。いまだに端末でしか配信されないものは多いが

注意すべきこと

AIが身近になることで、「AIが言ったから正しい」と思考停止する人も増えるだろう。しかし、AIは道具であって、投資判断の責任は常に自分にある。火は便利だが、扱いを間違えれば山火事になる。猿は火を恐れつつ、敬意を持って使うべきだ。


おわりに:それでも猿は火を焚き続ける

半年前、自分はExcelとブックマークだけで戦う猿だった。今思えば手動であれだけのタスクとツイ廃だったのがいまだに信じられない。キラーマシンのばくれつけんの如く情報を処理しトレードしていたのは自前のAIでも入れてたのかもしれないと思えるほどだ。今は、自動監視スクリプトとAIアシスタントを従えた猿だ。

……いや、まだ猿なのは変わっていない。

道具が変わっただけで、中身は同じ。損すれば腹立つし、損切りは痛い。AIが教えてくれない「握力」と「メンタル」は、結局自分で鍛えるしかない。

でも、少なくとも「情報を集める」という最も退屈で最も重要な作業を自動化できたことで、投資の本質「考え判断すること」に集中できるようになった。

これからもAIは進化し続けるだろう。新しい火の使い方を覚えるたびに、猿はもう少しだけ賢くなる。まだまだアイデアが溢れ出して止まらない。火の使い方を覚えた猿は、もう元には戻れない。個人投資家なのだから自分のタスクを自動化することを徹底した方がいい。未来の時間を買うんだ

プロの奴らはそんなショボいものを作ってどうするの?とか上から目線で馬鹿にしてくると思うけど、「はいはい」って言って無視あるのみ。俺達は猿だったんだよ。レベル0が1になるんだ楽しいに決まってんだろ。ばーか


またAIの記事か?と最後のこの文章を最初に見た者も多いだろうね。前回の記事は全部AIだったからw
この記事を書くのにも、AIの力を借りたが今回は自分で手を加えたものが多いと思う。猿は徹底的に火を使う。ダイヤモンドだゼ!!💎は?(終)

令和の大AI時代に原始人のままでいいのか?
いいんだろうなおじさん達は…おじさんだもの

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猿が火の使い方を覚えたということ|たかぴー
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