トランプの暴走を止める方法は「抗議」ではなく「サブスクの解約」である
消費者の力
経済の3分の2以上を支える消費者は、絶大な力を握っている。消費の落ち込みほど指導者を震え上がらせるものはない。大不況の際、消費支出は3.4%減少した※9──当時、第二次世界大戦以降で最も深刻な前年比の落ち込みだった──そしてパンデミックのどん底だった2020年第2四半期には9.8%落ち込んだ※10。 この2つの出来事は、歴史上最も素早い政治的行動を引き起こした。米国は各危機からの脱出に巨額をつぎ込んだ。コロナの場合、政治を動かしたのは死者数ではなく経済データだった。 所得上位10%の米国人は消費支出全体の約半分※11を担っており、ここでとりわけ大きな役割を果たす。2025年10月にこのアイデアを示したとき※12、わたしは彼らが支出を3%削るだけでGDPを1%押し下げられると試算した(乗数効果、輸入漏出、代替効果を除く)。 トランプがどう反応するか知りたければ、最近の歴史を見ればいい。2025年4月、大統領が「解放の日」関税を発表した後、債券市場の混乱を受けて政権は計画していた関税の大半を90日間停止した。債券投資家が「ヤッピー(yippy)」になっていた、と大統領は説明した。ウォール街はすぐにこの現象に名前をつけた。TACOトレード。「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビる)」の頭文字だ。 1月初め、トランプはグリーンランドを渡せという要求に屈しなければヨーロッパ諸国を罰すると脅した。するとマーケットが嘔吐し、大統領は方向転換、グリーンランドと北極に関する「将来の合意の枠組み」に達したと発表した。株価はこのニュースで急騰した。 フォーチュン500のCEOたちは団結して、米国を偉大たらしめている価値観を大統領がブルドーザーで踏み潰すのに抵抗すべきだ。誰も最初の一人にはなりたくないし、一人きりにもなりたくない。それはわかる。 だが正しいことだ。評判とビジネスの両面で得をするチャンスでもある。ミネソタ州の企業──政権の残酷で無謀な移民政策の犠牲者たち──には同情する。集団行動こそが進むべき道だ。だがBest Buy、Target、UnitedHealthを含むミネソタ州企業のCEO60人が署名した書簡※13──州・地方・連邦の当局者に「協力して真の解決策を見つける」よう求めたもの──は前向きではあっても、大勢は変わらない。