「自宅に『逮捕状』届いた」県警に十数件相談、レターパックに入れて送りつけ急増…「ニセ警察詐欺」で使われる新たな手法
レターパックに「逮捕状」を入れて個人宅に送りつける手口が兵庫県内で相次いでいる。警察官を装う「ニセ警察詐欺」で使われる新たな手法で、県警には1月中旬以降、十数件の相談があった。県警は「警察が逮捕状を郵送することはない」と注意を呼びかけている。(足立壮) 【写真】「ニセ警察詐欺」への注意を呼びかけるはがき
神戸市内の高齢男性は1月16日、自宅のポストにレターパックが届いているのに気づいた。中には「逮捕状」と記されたA4判の紙1枚。男性の氏名や生年月日、住所のほか、罪名として「組織犯罪処罰法違反 犯罪収益移転防止法違反」と書かれていた。
この3日前、男性のもとには「あなたに逮捕状が出ている」との電話があった。「NTT職員」や「東京中央署の警察官」を名乗る複数の人物と電話でやりとりし、届いたのが偽の逮捕状だったという。男性は不審に思い、県警に連絡した。
県警によると、「自宅に『逮捕状』が届いた」との同様の相談は1月半ばから目立つようになった。現金をだまし取られたケースは確認されていない。
ニセ警察詐欺は「あなたの口座が犯罪に使われている」などとうそを言い、被害者が犯罪に関与していると思い込ませるのが典型的な手口。無実を証明したい心理につけこみ、「紙幣を調べる必要がある」「保釈金を支払えば逮捕しない」などと迫って現金をだまし取る。
これまでは、スマホアプリのビデオ通話で偽の逮捕状を示すケースが確認されていた。県警は「アプリを使えない人に郵送を始めたのではないか」とみる。
県警は、今月からニセ警察詐欺に関する啓発を強化している。
民放の無料配信サイト「TVer(ティーバー)」では1日から、県在住の20歳以上の男女を対象に、警察庁が作成した「ニセ警察詐欺」の多発を伝える動画(15秒)の配信を始めた。
また、県と連携して3日から、県民に注意を呼びかけるはがき約2万5000通を順次発送している。対象は、全国の警察が押収した犯罪グループの名簿に個人情報が書かれていた県民。はがきに「捜査で入手した名簿にあなたの名前や住所、電話番号が載っていました」「ニセ警察詐欺が急増中」などと記載する。
県内でニセ警察詐欺を含む「オレオレ詐欺」の被害額は昨年、64億円に上り、前年の3・8倍に急増した。県警生活安全企画課の山本修次席は「被害を防ぐため、幅広い年代の方に効果的に情報が届く対策を取っていきたい」としている。