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韓国、歴史教科書を国定に 北朝鮮に融和的「偏向」

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【ソウル=小倉健太郎】韓国教育省は12日、中学、高校の歴史教科書で国定制度を導入する方針を発表した。検定制の現在の教科書は北朝鮮に過度に融和的な表現などが左派に偏向しているとみている。新しく国定教科書を作り2017年に一本化、先進国では異例の国定化に踏み切る。野党などは民主主義に逆行すると強く反発。朴正熙(パク・チョンヒ)政権などの「親日・独裁を美化するものだ」と批判している。

黄祐呂(ファン・ウヨ)社会副首相兼教育相が12日の記者会見で現在の教科書には「事実誤認や理念的な偏向が問われる内容が多い」と指摘した。同省は具体的な問題点として、朝鮮戦争の責任問題で南北を両論併記にしたり、北朝鮮の独裁よりも韓国の軍事政権の独裁を強調したりした事例を挙げた。

検定で修正を命令しても拒否されたり、修正要求の正当性を巡り教科書執筆者が提訴したりしたケースもあるため根本的対応をとるという。朴槿恵(パク・クネ)大統領も13日に大統領府で開いた会議で、子供に「正しい歴史観」を持たせることは次世代への使命だと述べ、教科書制度改革の推進に意欲を示した。

政府傘下の国史編さん委員会が中心となり「正しい歴史教科書」(略称)を作る。経済発展の促進など軍事政権の肯定的な側面が今より強調されるとの見方が多い。歴史学者は左派に偏っているとの見方が保守派を中心に根強いため、執筆者は経済学や社会学など幅広い分野から集めるという。

韓国の歴史教科書は朴正熙政権が1974年に検定制から国定に変えた。検定を中心とする現行制度は革新系の金大中政権が2002年に導入を決め、11年に全面的に実施された。朴元大統領の娘である朴槿恵政権で再び国定制が復活することになる。

朴槿恵政権が現時点で動いたのは16年4月の総選挙を意識した面もありそうだ。韓国国会は一院制で任期は4年だ。朴政権3年の成果が問われることになる。低成長が長引くなど経済面で目立った成果がないだけに、教科書問題に取り組むことで保守派にアピールする狙いがあるとみられる。

欧米先進国では政府が関与する場合でも民間教科書の検定や認定にとどまる。韓国最大野党の新政治民主連合は国定教科書を「独裁国家や発展途上国が使うもの」だとして作業中断を要求した。新しい教科書の内容についても朴正熙政権などの美化につながりかねないと警戒している。

保守派が数年前に出版した民間教科書には日本の植民地統治が韓国の近代化に寄与した面を指摘する記述もあった。今回の国定教科書でも論点の一つになりそうだ。日本の役割再評価につながる可能性がある一方で野党の親日批判も激しく、韓国の世論全体に与える影響は不透明だ。

朴正熙氏ら軍事政権トップは旧日本軍の出身であるのに加え、日本と連携して経済成長を実現させたため、独裁批判は親日批判にもつながりやすい。

検定制度の強化ではなく国定化を選んだ点は保守派も全面的に賛成というわけではない。保守系メディアの朝鮮日報は13日付の社説で教科書是正の必要性に言及したうえで、国定化に対しては「なぜ反対が多い中で実施するのか大統領が直接説明すべきだ」と論じた。

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