【太陽13倍の質量の恒星が突然消滅か】アンドロメダ銀河で爆発なきブラックホール誕生の瞬間を観測

ブラックホールの想像図©Ute Kraus, Physics education group Kraus, Universität Hildesheim

天文学者たちが、私たちの隣の銀河であるアンドロメダ銀河で、ひとつの恒星が突然“消えた”瞬間をとらえた可能性があります。しかもその最期は、通常イメージされるような大爆発ではなく、まるで闇に吸い込まれるような「静かな崩壊」でした。

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明るい星が、ある日突然いなくなった

アンドロメダ銀河©David (Deddy) Dayag
アンドロメダ銀河©David (Deddy) Dayag

注目されている星は「M31-2014-DS1」と呼ばれ、地球から約250万光年の距離に位置していました。質量は太陽の約13倍。ブラックホールを生むにはやや軽量と考えられてきたクラスの星です。

この星はかつて太陽の約10万倍という圧倒的な明るさを誇り、オリオン座の肩に輝くベテルギウスのような赤色超巨星に匹敵する存在でした。

ところが観測データを調べていた研究チームは、奇妙な変化に気づきます。2014年ごろに赤外線で急激に明るくなった後、2016年から急速に減光。そして2023年には、ほぼ完全に視界から消えてしまったのです。

従来の理論では、巨大な星は燃料を使い果たすと超新星爆発を起こし、その後にブラックホールや中性子星が残ると考えられてきました。しかし今回のケースでは、爆発の痕跡が確認されていません。

研究チームは、星の中心核がわずか数時間のうちに重力崩壊し、直接ブラックホールになった可能性が高いとみています。現在観測されているのは、誕生したばかりのブラックホールの周囲を回転するガスや塵が放つ微弱な赤外線の輝きです。

爆発なきブラックホール誕生

超新星残骸 おうし座のかに星雲©NASA, ESA, J. Hester and A. Loll (Arizona State University)
超新星残骸 おうし座のかに星雲©NASA, ESA, J. Hester and A. Loll (Arizona State University)

今回の発見が確定すれば、「ブラックホールは極端に重い星からしか生まれない」という長年の常識が大きく揺らぐことになります。質量が太陽の13倍程度でも、爆発を伴わずにブラックホールへ直接崩壊する可能性がある――。

それはつまり、宇宙には私たちが想像していたよりもはるかに多くのブラックホールが存在しているかもしれない、ということを意味します。今後、同様の“赤外線の一瞬の増光”を手がかりに、静かに消えていく星を探す新たな観測戦略が広がると期待されています。

爆発せず、ひっそりと終わる星の最期。宇宙では、私たちが思っているよりも静かなドラマが進行しているのかもしれません。皆さんは、宇宙にまだ発見されていないブラックホールがどれほど存在していると思いますか?ぜひコメントお待ちしています。

Science : Disappearance of a massive star in the Andromeda Galaxy due to formation of a black hole

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