日米の近況から再考する「女子枠」
早いもので、もう2024年もあと一週間ほどとなりましたね。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
本日は「女子枠」を中心とした女性優遇制度の問題点について、あらためて記事を書いてみたいと思います。
近年の日本では、さまざまな理工系の大学・学部が、女子生徒のみが受験可能な「女子枠」を導入しています。
これに加え、大学の教員についても、女性のみを受け入れる「女性限定公募」が随所で見られるようになってきています。
これらの女性枠は、欧米などと比べて日本にSTEM (science, technology, engineering, and mathematics)分野の女子学生や女性教員が少ないという問題を解決することを目的として導入されているようです。しかし近年、手本とされている肝心の「欧米」において、こうした制度を不適切であるとして見直す動きが広がっているようです。
本日はこの点について論じた國武 悠人さん(Twitter @SUKANEKI_STI)の記事をもとに議論してみたいと思います。
國武さんは慶応義塾大の学部生でありながら、デジタル分野の消費者保護の研究などにおいて、既に様々な業績を上げられている新進気鋭の研究者です。
今回ご紹介するのは、情報処理学会の研究報告に掲載されている「STEM分野における性別を限定した教育プログラムの国際動向:米国事例の予備的調査」という記事です。
会員以外には有償の記事になりますので、ここでは内容の要点のみかいつまんでご説明します。
まず、米国ではTitle IX(タイトル・ナイン)と呼ばれる公民権法において、学問などの場における性別による差別を禁じているようです。
米国教育省公民権局(以下、OCR)が2021 年1 月に公表したTitle IX ガイダンスによると、教育機関は奨学金やフェローシップ、その他の財政援助や教育プログラムにおいて特定の性別を制限したり優遇したりすることはできない。(中略)また、単に「女性の割合が低い」という統計的根拠に基づいて男性を排除することも厳しく制限されている。当然に、男女逆も同様である。いずれにしても、性別に基づく「枠」を設けることは、違法な差別として制限されている。
そして米国には、この法律が適切に運営されるよう、必要に応じて公民権局への苦情や訴訟の提起を行う非営利組織が複数存在しているとのことです。これには National Coalition For Men など「男性差別」の問題を取り扱う組織も含まれています。
National Coalition For Men
そして近年、実際に公民権局により、女子限定の教育プログラムや奨学金の廃止が行われているようです。
現に公民権侵害の苦情を受けてOCR は、これらの教育プログラムや奨学金がTitle IX に抵触する可能性があると判断し、複数の大学に差別の解消を迫っている。OCR の調査を受け、2020 年以降、11 の大学が「自主的解決合意(Voluntary Resolution Agreement)」への署名によって女性限定の教育プログラムを廃止している。非営利団体から苦情が提出された後、OCR の調査を避けるために自主的に奨学金や教育プログラムを変更・廃止した大学も多い[7]。
引用されている2023年のTIMES UNION の記事においても、近年女性向けの理系教育プログラムが差別的であるとの指摘を受け、廃止されつつあることが述べられています。
これらの実態を受け、國武さんは近年の日本で拡大しつつある女子枠等について「国際的な潮流に逆行するものであることが示唆される」と指摘しています。
この記事とは別の話になりますが、最近、米国の企業においても、取締役に女性やマイノリティーを一定数選任するなどの「多様性」を強要する手法を見直す動きが出ていることが報じられています。
これらをまとめると女性限定の奨学金、教育プログラム、受験枠、昇進枠などは差別的であり廃止すべきである、というのがここ数年のアメリカの見解であると考えられます。
近年の日本では、逆にこうした女性枠が拡大しつつあるようですが、これは国際的な動向に逆行して差別を拡大する流れであると言えるのではないでしょうか。
付け加えるならば、そのような「特別扱い」をするまでもなく、理工系分野等における女性の活躍は進んでいると考えられます。
理系学部に進学する女子や女性研究者の割合は、平成初期から単調増加といっていい水準で増加しています。
そもそも「海外と比べた場合の女性比率の低さ」が問題なのか、という議論もあるでしょうが、百歩譲って問題だったとして、その「問題」は優遇措置などするまでもなく「改善」してきているわけです。
であるならば、わざわざ特別枠などを使って短期間に無理やり増やさせるような真似はするべきでないのではないでしょうか。差別的であり、国際的な潮流に反するのもそうですが、禍根を残すと言う問題もあります。
過去に東京医科大学の入試では「男性加点」を行っていたことがあり、これは大きな問題であるとされました。
この件は、既に謝罪され、是正されているにもかかわらず、ネットでは「女性差別の象徴」のような大問題として未だに引き合いに出されています。
であるならば「女子枠」が同様の形で禍根を残さないと、どうして言えましょうか?
さらに言えば、人材登用の観点からも問題があると思われます。女性比率を急激に増やそうとすればするほど、本来基準に満たなかった人物が多く採用される形になり、組織の水準を下げることになってしまうと考えられます。
差別への反対、国際的な潮流、自然条件下での男女比の変化、男女間の対立と禍根、急激な採用によるパフォーマンスの低下、これら5点のいずれの観点においても、本邦で進められている女性枠は不適切であると考えられます。
「なんとなくただしそう」などと流されず、私たちは今こそこれらの問題を再考すべきなのではないでしょうか。


コメント
3女子枠に限らず、日本はいつも周回遅れのような気がしますが…。
ものは考えようで、既に他国で大失敗している例も多いのですから、周回遅れをいいことに様子見の上、取捨選択すればいいのにいちいち成功も失敗も律儀に真似をするのがなんとも言い難し。
もしかすると官僚の習性でしょうか?
STEMの進学率でいえば、戦前はだいたい男女で半々だったようです。
あと、クソフェミが絶対に見たくない「不都合な真実」として、「女という理由だけであからさまに差別される社会ほど女のSTEM進学率が高い」というグラフがあります。
もしSTEM進学率を上げたいのであれば、女子枠なんて小手先のことをせず、「女だからという理由だけであからさまに差別する」社会にすれば、理系女子が少ない問題はあっという間に解決します。
https://gigazine.net/news/20180222-fewer-women-in-stem/
同意です、これ、制度の順番が逆なんですよね。
「先ず隗より始めよ」
大学の教授も職員も階級・役職の N割を女性枠にする、その後に
受験生へ向けて「入試でN割を女子枠とする」を導入するのが筋です。
女性を増やして活躍させるのが正しいと本気で思っているかどうか?
まず、自分の地域の県議・市議会の椅子の数なども
最初に女子枠を用意して予約しなさいよ、って思う。