東北楽天ゴールデンイーグルスを人気球団にするための考察
2024年10月、ドラフト会議にて東北楽天ゴールデンイーグルスはアマチュアNo. 1内野手・宗山塁の交渉権を引き当てた。この時にXのトレンドに入ったのが「球界の損失」というワードだ。
楽天は昨年最多安打を獲得した辰己涼介、12球団唯一のフルイニング出場を果たした小郷裕哉を育てるなど、決して大卒野手の育成が下手なわけではない。むしろ宗山のような巧打者タイプの選手を育成するのは上手いと言ってもいい。では、なぜ「球界の損失」と言われるのか。
その理由としてよく耳にするのが、「楽天は地味だから」という意見だ。
「地味」、つまり言い換えると「不人気」という事である。
ここでは実際に東北楽天ゴールデンイーグルスは「不人気」なのかを幾つかの観点から考えていこうと思う。
1、観客動員数
まず初めに考えるべきは観客動員数であろう。「人気さ」を考える上で最も客観的に測れる数値と言っていい。
以下、1試合あたりで平均した12球団の観客動員数ランキングである。
楽天は11位と最下位こそ免れているが、下は歴史的ペースで敗戦を重ねダントツで最下位だった西武である。シーズン終盤までAクラス争いをしていた楽天からすると物足りない数字である。無論、球場のキャパ等もあるが、より収容人数が少ないZOZOマリンスタジアムや神宮球場を本拠地とする球団よりも下回っていることや、2019年よりも観客動員数が減っていることを踏まえると、観客の少ない理由とするには不十分である。
2、球団公式SNSの総フォロワー数
次に見ていくのが、球団SNSのフォロワー数である。あくまで私見であるが、このSNSのフォロワー数こそ、現段階の球団の「人気さ」に直結していると考えられる。
まずはYouTubeから見ていくと、1位の巨人が60万人以上の登録者を誇る中、楽天は18万人と、特殊な形態をとっている広島を除き、唯一の登録者が20万人以下の球団となっている。動画の内容は主に試合のハイライトや選手のパーソナリティに焦点を当てたバラエティ形式の動画など、他の球団と特段変わったことはしていない。試合後の生配信をするなど、むしろ積極的に運用している。
次にXのフォロワー数。楽天は2010年からX(当時はTwitter)を運用しており、現時点でフォロワーは780000人だ。これはXをやっている11球団で8位である。下3球団は2016年からXをやっている横浜、楽天と同時期に始めたオリックス、西武だ。
楽天のXのフォロワー数の推移は以下のようになっている。
2021年までは順調にフォロワーを増やしているが、それ以降は3年間で8万人と苦しんでいる。2021年以降Aクラスから遠ざかっているのが原因の一端だと考えられる。
Instagramのフォロワー数は11球団中8位であるが、下の球団より2年以上早く開始している利用期間の利があるため一概に比較することは難しいだろう。
3、パ・リーグTVの再生数
パ・リーグTVではパ・リーグの選手の好プレイを中心にYouTubeやInstagramで動画をアップしている。
楽天が不人気と言われる理由がこのパ・リーグTVのSNSで明確に分かる。
まずはYouTube、チーム毎の好プレイ集等の再生回数が最も少ないことや、それ以前に楽天をピックした動画の本数が約580本とダントツで少ない。最も多いソフトバンクと比較すると240本も少ないのだ。動画など作ろうと思えばいくらでも作れるはずだ。それをわざわざやらないということは、再生数の回らない楽天の動画は作らないという考えの表れだろう。
他にもInstagramに載せているリール動画では楽天関連の動画はダントツでいいねが少ない。他の球団の動画は10,000以上のいいねが付くのが普通だが、楽天の動画だけは8000前後のいいね数に止まっている。
では、楽天はなぜ不人気なのだろうか。
4、「不人気」な理由
1、本拠地の場所の問題
楽天は人気度で他球団に劣る。しかし、私は楽天イーグルスの売り出し方、運営の仕方が悪いとは思わない。他の球団よりも人気で劣るのは、そもそも本拠地を置く宮城県の人口の問題なのだ。
宮城県の人口は約230万人である。これは当然NPB球団を有する都道府県の中では最も少ない数字だ。パ・リーグで限定すると、次点で福岡県の500万人と、2倍以上の差がある。
これでは球団の間で人気の差が出るのは至極当然である。むしろ230万しかいない中で、よく頑張っているのでは?とすら思う。
2、「東北」を取り込めていない
次に「東北」を謳っているがなかなか宮城県以外の東北の県を取り込めていないのも課題の一つである。
「東北」楽天は福島県に根付いたか
この記事を読んでいただけると分かると思うが、やはり未だ東北地方を代表する球団にはなりきれていない。菊池雄星、佐々木朗希などの東北出身のスターをくじで外すという不運こそあるが、地方開催を増やすなどの策は練られるはずだ。無論、キャパやアクセスの問題もあるが、多少短期的な不利益が生じても、長い目で見たら東北各県にイーグルスを根付かせる利益の方が大きいと私は考える。
3、スター選手の不在
最後に挙げるのが最も深刻な問題である、生え抜きスター選手の不在だ。楽天の選手別のInstagramのフォロワー数を見ると、最多が辰己選手の6.6万人、そして次がルーキーの宗山選手の6.5万人なのだ。さらに宗山選手のフォロワー数の増加具合を考えると、近いうちにチームトップとなるのは間違いないだろう。いくらスーパールーキーと言えど、ルーキーがチームトップのフォロワー数というのは些か寂しく感じる。
これをどのように感じるかは人それぞれであるが、少なくとも私は楽天にスター選手がいないのではなく、楽天というチームがスター性を隠してしまっているのではと感じる。代表にも選ばれた辰己選手は他の球団ならばフォロワー10万人はいても不思議ではない。辰己選手も楽天という球団の地味さを理解しているからこそ多少過激な発言や二刀流挑戦などの話題を作り、球団を盛り上げようとしているのだろう。
5、今後
では、楽天は今後どうすれば人気が出るのか。
当たり前だが、まずは優勝だろう。オリックスが一気に人気を博したのも優勝の効果だ。また、優勝のメンバーにも必然的にスター性が纏ってくる。
楽天も優勝することが出来れば今よりも人気球団になり、松井裕樹指名時からも分かるように、少なくとも「球界の損失」などと言われることはないだろう。
次にロゴ、ユニーフォームの刷新だ。これはNPB球団各位に言えることだが、その中でも特に楽天はロゴやユニフォームがダサすぎると感じる。先日、巨人のビジターユニフォームを着た田中将大の写真を見たが、とてもカッコよくて驚いた。また、同じイーグルスでもハンファの方が遥かにカッコいい。とりあえずロゴやユニフォームをMLB球団のようなものに変えるだけで選手のスター性は付くのでは?と完全な私見ではあるが感じる。せっかく球場もボールパークなのだからユニフォーム等もMLBっぽく変えてみてはどうだろうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。


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