ドキュメンタリー映画『主戦場』を観ました。慰安婦問題の結論そのものだけでなく、なぜ歴史認識がこれほど激しく対立してしまうのかという構造が描かれていました。
人は必ずしも証拠の検証によって立場を形成しているわけではなく、むしろ多くの場合、既に持っている立場を維持するために証拠を解釈している。
立場ごとに異なる「信じたい物語」が存在し、その対立の中で、当事者の苦しみが誇張されたり矮小化されたり、政治的に利用されてしまう。
作中では、他者を見下すことでしか保てない自尊心に根ざした人種差別的言説が、女性蔑視と結びついていることも視覚的に理解できました。
また、元NHK会長が「政府が右と言っているのに、我々が左と言うわけにはいかない」と語る姿が作中に出てきますが、
政治的圧力のもとでは、「何が事実か」よりも、「どの事実が社会に共有されるか」が力関係に左右されてしまう現状も浮き彫りに。
権力監視を文春や赤旗頼みにしてしまう社会でいいのか考えさせられます。
私たちは、何を根拠に歴史を理解しているのか、多くの問いを投げかけるドキュメンタリーでした。
ぜひ多くの人に観てほしい作品です。
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