339 白衣の天使vs(シンティア)③

「じゃあね、シンティア――」

「――氷の蜃気楼アイスガーデン


 次の瞬間、予想通りにココ先生が私たちにとどめをさそうとしてきました。


 しかし、それを魔力の半分を使って姿を隠します。


「へえ、魔力妨害も含んでるんだ。でも、遠くまでは逃げられないよ?」


 ココ先生が、視えない霧の中で言いました。

 その通り、私たちは結界に閉じ込められているのです。


 しかし、もちろんそれはわかっていました。


「シンティアさん、諦めずに攻撃を続けますか?」

「……そうですね。ルナさんは、どう思いますか?」


 私には考えがあります。しかし、あえてルナさんに尋ねました。

 この作戦は、誰か一人の気持ちが欠けていては成功しません。


「攻撃は塞がれてしまう。魔法は効かない。こうしている間にも……魔力が吸い取られてしまう……」


 覇気のない声で、静かに項垂れています。

 ここで声をかけることは容易いでしょう。もしかしたら、それでやる気が出るかもしれません。

 しかし、それでは意味がない。


 貴重な時間を使って、ただ返事を待ちました。リリスは少しやきもちしていますが、目配せで答えます。


 私は、リリスのことは心から信頼しています。ですが、ルナさんのことはまだよくわかりません。

 それでも訓練を通じてわかったことがあります。

 それは、ヴァイスがルナさんを信じていること。


 ならば、私も信じるべきです。


「……わたしはずっと臆病でした。みんなの影に隠れて、こそこそと生きてきたんです。でも、ヴァイ君みたいに強くなりたかった。わたしも、みんなと同じ隣で戦いたかった。ごめんなさいシンティアさん。私にはわからない。でも、最後まで諦めたくありません」


 すると、ルナさんがそう言いました。

 私は、静かに笑みを浮かべる。


 ああ、さすがだ。流石、ヴァイスが信じた子です。


「――私に考えがあります」


 ――――――――――――――――


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