人違いでSNS晒され…電話1日280件、DM1000件「思考も感情もなくなった」当事者の悲鳴どう受け止め?“晒す側”に聞いてみた
■拡散に「正義」を求める側の論理
一方で、SNSの拡散力を武器として頼らざるを得ない現状を訴える者もいる。番組には、いじめの被害者を救済したいという思いから、SNSで動画を拡散しているマサさんが出演した。 マサさんは、当初は晒し行為に罪悪感もあったが、活動を続ける中で心境に変化が生じたと語る。「正直、最初の頃はあまりよくないとは思っていたが、学校のいじめに関して投稿していくうちに、拡散して炎上するまで学校などが全然動いてない現状を知り、完全悪ではないのではと思いも変わった。(被害者が)見ていてすごくかわいそうだし、残酷だなと思っていたので、少しでも加害者が罰を受けて心が救われるならそれがいいと思う」。 マサさんによれば、自身が晒した案件の9割が進展したという。特に、被害者が警察に相談しても動いてもらえなかった事件が、SNSでの炎上をきっかけに警察が動き、逮捕に至ったケースを目の当たりにし、「騒がないと動いてくれない行政や学校に対して、正義感というか反感を持っている感じに近い」と、その動機を明かした。 これに対し、情報キュレーターの佐々木俊尚氏は「日本社会では内部告発がもみ消されるケースが多く、そこに対して風穴を開けたのがSNSだという流れはある。ただ、ポイントになるのは実名とか個人名を出すかどうか。個人名を勝手に特定して、根拠なく名前を出してしまうのはものすごく問題がある」と、拡散の意義とプライバシー侵害の危うさを切り分けるべきだと提言した。
■「正義」が暴走する社会への処方箋
議論は、晒し行為がもたらす「過剰な制裁」についても及んだ。コラムニスト・河崎環氏は、一度拡散された情報がデジタルタトゥーとして残り続けるリスクを危惧する。「最終的に確かにいじめはしたかもしれない。ただ、彼ら(加害者)にはこの後、反省なり更生なり、チャンスはいくらでもある。(晒し行為が)最終的に社会的に殺してしまう可能性として決して小さくない」。 被害に遭ったさはらさんの話を聞いたマサさんは、「晒すことにおいては、ある程度自分で責任を持って、責任感がある中でやらないと、なんでもかんでも晒せばいいとなる。もう少し自分も情報の精査など、厳しくやっていこうかなと思った」と語った。 最後にさはらさんは、SNSとの向き合い方について、次のように訴えた。「SNS自体が悪ではないと思っている。あくまでもツールの1つなので、それの使い方を知る必要がある。被害者というよりも加害者が増える世の中になっている」。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部