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恐れていた「デジタルダークエイジ」の到来

昨年、FC2 WEBをはじめ複数のホームページサービスが一斉に終了したのは記憶に新しく、知る人も多いだろう。

あれから、Wayback MachineでFC2の過去のホームページにアクセスしようとした人はいるだろうか。

いるとしたら私と同じ絶望感を味わったに違いない。

そう、FC2の過去のホームページはもはやWayback Machineですら閲覧不可となったのだ。

アーカイブしておけばひとまず安心、そんな生やさしい考えでは足りなかった。

現在Wayback MachineでFC2のホームページリンクをアーカイブ閲覧しようとすると、高確率で「503 Service Unavailable」の画面となる。

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どんなに大手のサイトにアクセスしようがエラーが出てはじかれる。

これは単なるサーバー過負荷ではない。
FC2側が、インターネットアーカイブによる収集・表示を意図的に拒否しているのだ。

Wayback Machineは現行のrobots.txtを尊重する仕組みを採っている。

Archive.orgのスタッフも「現在のrobots.txtを常に尊重するのが安全策だ」と述べており、運営元が後から一括してクローラ拒否を行った場合、過去に保存されていたアーカイブであっても閲覧不可になる。

今回のFC2の事例は、個々のサイト運営者による設定ではなく、サービス運営側の判断による一斉遮断と見られる。

私達は今、まさに恐れていた「デジタルダークエイジ」のど真ん中にいる。

FC2は元々「個人に好き勝手やらせて、責任は本人」というスタンスで大きくなったサイトだ。

しかし

  • 著作権

  • 個人情報

  • 名誉毀損

  • 昔の無断転載

  • 当時はOKだった表現

これら全部が今の基準だと地雷になりうる。

企業として一番ラクな選択は何かと言えば「過去ごと見せなきゃ責任も発生しない」という事だ。

Waybackに残ってる=「うちが過去に置いてた物を今も見せてる」と解釈されかねない。

だから robots.txt を後出しで締めて、503で全部拒否する。

日本ではウェブアーカイブの無断保存・公開が著作権侵害に当たる可能性も議論されており、国立国会図書館の保存事業でもWayback Machineの方針は特異な例として、著作権上の理由から公開に制限を設けている。

FC2も同様に、法的リスクを回避する道を選んだのだろう。

要するにユーザーの思い出<会社のリスク回避である。

FC2はインターネット史に対して罪深い事をしている。

FC2がWaybackで一斉に見れなくなるのは、専門図書館を丸ごと焼いたのと同じレベルだ。

アーカイブ愛好者のコミュニティでもFC2のページ保存について議論されたが、FC2側のブロックのために自動保存が困難で、多くのページがアーカイブから抜け落ちていると指摘されている。

もう、2度と復元する方法が無いかもしれない。
この絶望感は相当のものだ。


Waybackで過去のサイトを遡ると、よく直面するのが、ページは表示されても画像データの大多数が破損していて閲覧できないという状況である。

たかが画像1枚かもしれない。

でも、同じ経験をした者ならわかると思うが、その画像1枚にとんでもない価値がある。

最近、絵を描く気力やモチベーション、創作意欲、表現欲が落ちている自分自身だからこそ、自分の過去の絵でさえも、尊く感じ、自分の何気ないイラスト1枚にどれだけ価値があるかという事を再確認した。

いいねの数やSNSのリアクションの数に限らず、完成まで描き上げた絵というのは、それだけで物凄くパワーに満ち溢れていて価値がある。

絵を一枚描き上げる事、
それがインターネット上で閲覧可能である事

全てが全く当たり前ではない、奇跡なのだ。

しかも、一枚の画像からAIに学習させて絵柄を変えずにポーズ違いのイラストを生成させる事すらできてしまう時代だからこそ、一枚の画像には膨大な情報量と価値を持つ。

しかし、かと言って無断転載がそうした知の損失を防ぐ事になるからと銘打って許される事ではない。

むしろ無断転載が理由で筆を折ったり表現活動をやめてしまうクリエイターもいるのだ。

作品の魂は守られるべきであり、無断転載や無断使用で決して踏み躙ってはならない。

しかし、作者本人にだけ任せていては、作品のログやホームページの消失、永久に閲覧できなくなるといった事態が実際に容易に起こってしまう現状。難しい板挟みだ。

もちろん「忘れられる自由」もあると思うし、残しておきたいと願うのはファンのエゴでしかない。

作者的に過去の作品を探られたくない人もたくさんいるだろう。

ならば、私達は、たった一枚の画像に価値と尊さを感じながらも、インターネット上の膨大な情報が日々失われ、観測不能になっていく、その事実を受け入れて、思い出として胸に刻んで進んでいくしか無いのかもしれない。

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