「すでに手遅れだ」と諦めの声も
他方で、若者たちは秋田県の現状をどう感じているのだろうか。県内随一の国立大学である秋田大学の理工学部の学生は語る。
「秋田は海も山もあって、故郷としては最高です。でも、仕事をしたり子育てをしたりする場所ではないかもしれません。秋田に住むのは、上の世代のツケを払うことなんですよね。こうなるまで放置してきた自治体や国には不信感しかありません」
5月14日には、秋田大学の正門前でクマが軽自動車とぶつかったという報道もあった。別の学生はこう話す。
「ヤバいっすよ。秋田市の中心に近い大学でクマが出るとなると、どこにでもいるってことですから。クマとの共存なんて無理ですよ。秋田には就職先も少ないし、給料がヤバい(少ない)から、ここで一生過ごすのはありえない」
県の中央に位置する大仙市に住む若い男性は「秋田で生活する将来が想像できない」と語る。
「私は秋田市内の食品工場に勤務、妻はスーパーでレジ打ち、年収は二人合わせて400万円くらいです。
しばらく前に親父が病気になって、実家の田んぼを継いでくれと頼んできました。親の希望も叶えたいと思ってはいるのですが、宮城県の会社に転職することも考えています。でも、親を悲しませるので言い出せずにいるんです」
取材した若者の中には、保育士資格を取得したが、少子化で募集がほとんどなく、県外に出るしかなかったという人もいた。故郷に残りたくても残れない……それが秋田の若者の現実なのだ。
「すでに手遅れだ」と諦めの声も聞こえるが、この一年ほど、秋田では20〜40代の若手が続々と県知事や市長に当選しているのが唯一の希望だ。
2040年には、日本の高齢化率が今の秋田県と同じ40%になるという。秋田の惨状は、日本の未来を教えてくれているのかもしれない。
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「週刊現代」2025年6月9日号より