「聖書」と「記紀」と「日本のアニメ」の謎:その1『魔法使いサリー』(後編)

 さて、前回はサリーちゃんのことだけを紐解いたが、後編はサリーちゃんの周囲のキャラクターたちについてを解き明かしてゆきたいと思う。

 

◆カブ

 

  

 まずは「カブ」である。

 

 「サリーの使い魔。人間界ではサリーの弟ということにしている。アニメオリジナルキャラで、国王たちの家来で魔法も使える。国王の前ではカラスのような姿に変身することが多い。大のいたずら好き」という設定となっている。

 

   

 

 問題は「カラス」の姿に変身するという点だ。「カラス」とは「記紀」では熊野で道に迷った神武天皇を導く「八咫烏」(ヤタガラス)のことである。謎系の話がお好きな方ならご存知かと思うが、「八咫烏」とは天と地を行き来する神の遣いでもあり、人間でもある。が、その実態は天皇家と神道を裏から支える秘密結社であり、裏陰陽師の集団。この国を太古より呪詛で守る名を持たない人たちのことである。

 

  

 

 「カブ」とはきっと「烏の部」を約した暗号であり、カブの正体は女性の姿をした天照大神を投影した「サリー」の遣いである「八咫烏」(ヤタガラス)のことである。なにせ、サリーの「使い魔」で「国王たちの家来で魔法も使える」という。それは大陰陽師・安倍晴明の使いである「式神」(しきがみ)と同じで、魔法=陰陽道の使い手という意味も込められている。さらに「カブ」は「いたずら好き」の弟=高天原で悪さをして追放される「スサノオ」も投影されている。

 カブと共に登場する「ポロン」もサリーの使い魔であるが、横山の原作には存在しないアニメオリジナルキャラクターで、使い魔という意味では同じ。カブ(男)、ポロン(女)で陰陽を表している。

 
◆花村 よし子 + トン吉、チン平、カン太 + 花村 利夫
  よし子はサリーの同級生の友達で、あだ名は「よっちゃん」。性格は男勝りで、髪型は三つ編み。三つ子の弟、「トンチンカン」ことトン吉、チン平、カン太がいる。この三つ子もアニメ化に当たって設置されたオリジナルキャラでるが、原作にも「逆輸入」として登場している。
 
 
 
 「よっちゃん」の父親は花村 利夫で、職業はタクシーの運転手。妻とは死別している。原作漫画では「八百屋」で妻も健在だが両親共に多忙という設定。
 
 アニメ化で「妻とは死別している」としたのは「イザナギ・イザナミ」が投影されている。「記紀」では夫のイザナギが「黄泉の国」(死の国)に行ってしまったイザナミを追って行ったが、8つの雷神(イカヅチ)を体につけ醜悪な体となったイザナミの姿に驚いてイザナギは逃げ出す。魑魅魍魎の醜女に追われたりするが、逃げ切ることに成功。
 黄泉の国から戻ったイザナギは「死者の国の穢れ」を清めるために、「禊祓」(みそぎはらえ)を受け、その後に「三貴子」がイザナギから誕生する。左目から「天照大神」(アマテラス)、右目からは「月讀命」(ツクヨミ)、鼻からは「素戔嗚命」(スサノオ)が生まれたとしている。
 
 そう、「よっちゃん」の父親は花村利夫はイザナギが投影され、「トンチンカン」の三つ子にはこの「三貴子」が投影されており、「聖書」で言えば「御父・御子・聖霊」の3神である。さらに「男勝り」の女の子「よっちゃん」には陰陽逆転の天照大神が投影され、それは「三編み」=「御父・御子・聖霊」=「三種の神器」にもつながっている。
 これだけでも大笑いされると思うが、日本は「ダジャレ」の中に秘密を隠して表す国である。だからこそ、こんな他愛もないダジャレのような子供向けの話の中に奥義を込めるのである。
 
 
◆春日野 すみれ
  サリーの同級生の友達である「すみれちゃん」は、「よっちゃん」とは正反対のおとなしい女の子。いつもサリーとよっちゃんと共に登場するが、よっちゃんと比べると出番が少なく、登場しない回も多い。原作漫画では「すみちゃん」となっている。
 
  
 
 「すみれちゃん」は「記紀」的には影が薄くて詳細が不明な「月讀命」(ツクヨミ)が投影されており、「サリー」+「よっちゃん」+「すみれちゃん」の3人で「宗像三女神」(むなかたさんじょしん)を表している。「宗像三女神」は宗像大社を総本宮として、日本全国各地に祀られている三柱の女神の総称。記紀に於いてはアマテラスとスサノオの誓約で生まれた女神のことである。ちなみにひな祭りの「三人官女」もこの「宗像三女神」が反映されている。もちろん「三女神」実態は「男神」であり「御父・御子・聖霊」がその正体である。
 
 
◆サリーのパパ
  サリーちゃんのパパは魔法の国の国王である。威厳のある王であり、サリーにも厳しく接しようとするが甘さが隠せない。2本角の髪型でカイゼル髭を生やし、常に黒ずくめの服装に黒のマント姿。
 
 
 
 まずは「2本角」である。2本の角を持つ神は「「牛頭天王」(ゴズテンノウ)=スサノオの象徴であり、頭に生える牛の角は、
『旧約聖書』で大預言者「モーセ」の〝牛の角〟と関わっている。これはヘブライ語のqrn「ケレン:光」をラテン語の「カルン:
角」と訳した結果、ミケランジェロがモーセ像を製作する際に牛の角が生える結果となっていることでも知られる。「記紀」的に考えればサリーちゃんのパパは八坂神社に祀られる「牛頭天王」であり、そこにモーセが投影されているのだ。パパは高天原=魔法の国に住んでいる大王でもあるから、牛に関わるスサノオであり、荒ぶる神=ヤハウェをも象徴していることにもなる。
 
 日本のアニメじゃ「呪詛」である。子供向けだと思って馬鹿にしてはならない!知らず識らずのうちに原作者も「書かされている」のであり、アニメを製作している人々も「作らされている」のである。そして子供の頃から「日本の正体」を脳裏に深く刻むことになるのである。
 
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