「十分に勝機あり」タイミング図っての参入か
そもそもの回転寿司のビジネスモデルは「客回転」で儲けるというスタイルで、アルコールなどを飲まれてゆっくりされるのを極端に嫌っていた。そのため、アルコール自体を置いていないか、あっても一人1本までという制約があるのが普通だった。
なんといっても店の目標が15分で帰ってもらうことだったのだから、居心地やサービスが良いわけがない。バブル期が訪れ、回転寿司が「安かろう悪かろう」の代名詞となるのも当然と言えば当然だったのだ。
以降、駅前立地の店は衰退の一致を辿り、回転寿司の暗黒期が訪れたのだが、2000年頃から大手チェーンがボックス席を主流にした郊外の大型店舗を展開していくことで流れが大きく変わり出す。ファミレスからファミリー客を根こそぎ奪い取り、急成長を遂げていくのだ。
この時、4人家族で楽しんで5000円という安さが最大の武器。それが現在では8000円近くにまで値上がりしており、焼肉をはじめとする他の外食との価格による優位性は失いつつある。一皿300円以上する商品も多く取り入れるなどビジネスモデルが変貌を遂げており、価格に見合った美味しさを提供できるかどうかが今後の課題だ。
こういった状況になるまでひっそりと身を潜めていたのではないかと思うくらいおとなしくしていた「すし松」が出店攻勢に出たのは、いまがタイミングと見たからではないか。価格勝負の時代では店舗数や経験値で勝てなかったとしても品質や業態の勝負になれば十分に勝機がある、と。
つづく【後編記事】『「スシローたちをぶっ潰せ」松屋が回転寿司業界に殴り込み…急増「すし松」があえて“飲み放題”ウリにする理由』では、具体的に「すし松」の業態などから、回転寿司業界での伸びしろを探っていく。