「大手チェーンがやっていないことを徹底的に」
寿司メニューもユニークだ。すべての寿司は一貫から注文可能で(77円税込から)、グルメ回転寿司店で人気の三貫盛りや五貫盛りも充実している。また平日限定のランチセットもこれでもか、というくらいに種類が豊富で、大手チェーンがやってないことを徹底的にやってやろう、という気概に満ちている。
商品自体は大手チェーン同様、アルバイトが機械で製造されたシャリマシーンにネタを貼り付けるだけのスタイルであるため、味に大きな差はない。しかし大人が一人、もしくは数人で気軽に回転寿司店に行って、飲んでつまむ、というスタイルに対応できる店はこれまでになかった。
「金沢まいもん寿司」や「回転鮨おのでら」など高級回転寿司店では可能ではあるが、5000円もする客単価を考えれば気軽さとは無縁である。回転寿司業態のブルーオーシャン地帯だけにまだまだ伸び代はあるはずだ。
ゼンショーHDでは2026年3月期の中間決算でついに「はま寿司」が「すき家」の売り上げを上回った。「すし松」のターゲット層である30代から60代のサラリーマン層は子供の頃から回転寿司に慣れ親しんできた層であるとともに、ちょい飲みの主力世代でもある。これまでになかった回転寿司でちょい飲みという世界観が刺さる人もかなり多いことだろう。
寿司業態への挑戦からちょうど今年で20年。その間に温め続けてきた構想が一気に開花してもおかしくはない。すべては認知度拡大と松屋フーズの本気度に掛かっている。