【ワシントン=大内清】米中央情報局(CIA)が12日、中国の軍人らに向け、米国のスパイとなるよう呼びかける中国語の勧誘動画を公開した。中国軍制服組トップの張又俠(ちょう・ゆうきょう)中央軍事委員会副主席らの失脚をはじめとする大規模粛清で動揺が広がる中国軍に揺さぶりをかける狙いがある。
動画は1分30秒ほどで、中国軍の現状に失望した中堅将校がCIAとの接触を決意するミニドラマ仕立て。「指導能力を持つ者は(上層部から)恐れられ、容赦なく排除される」「この狂人たちに、娘の未来の世界を形作らせるわけにはいかない」などとする中国語のナレーションが流れ、最後にCIAへの接触方法を伝える内容となっている。
CIAは昨年以降、動画による中国でのスパイ勧誘に力を入れており、軍人に狙いを絞った今回の動画もその一環。CBSニュースによると、CIA当局者は「(一連の動画は)これまでに数百万人に届き、多くの情報源を奮い立たせている」と効果を強調した。大っぴらにメッセージを発信することで中国側に疑心暗鬼を植え付ける思惑もありそうだ。
CIAのラトクリフ長官は12日の声明で「中国の当局者や市民がより明るい未来に向けて米国とともに働けるよう、機会を提供し続ける」とし、今後もスパイ勧誘に注力する考えを示した。