どけ!!俺は出久のお兄ちゃんだぞ!!   作:俺もお兄ちゃんだぞ!!

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そのまま続けて荒れまくったら本当に消すしかないので後半部分消しました。
バカテスが好きだからそれっぽい展開になっただけなんですが、もう忘れてもらっていいです。
後日後半部分の内容全て変えて普通の日常にした修正版を改めて出すので。

というわけで、不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。令和にやるべき内容じゃなかったというのはよく分かったので続けるなら以後気をつけます。
それでも収まらないようだったら最終手段としてこの小説そのものを消します。私個人としても楽しんで読んでいただきたいだけで荒れさせたいわけではないので。




海へ 弐

メリッサさんの案内で僕たちは研究室に辿り着いた。

そのすぐのこと。

 

「私がぁぁぁぁ! 感動の再会に震えながら来た!」

「オールマイト……いや、トシ!」

 

ポーズを決めながら叫ぶオールマイトと、満面の笑みでオールマイトの側に行って抱きつくデヴィット博士。

オールマイトも抱きしめたかと思えば一回転。

こ、これは物凄くレアなシーンなのでは!? もしかしたら二度と見れない光景かもしれない! しゃ、写真に撮っておきたい……!

 

「しかし、何年ぶりだ?」

「よしてくれ、お互い歳の事は考えたくないだろう」

「HAHAHA! その通りだな!」

 

互いに笑いあってることから、仲の良さは誰が見たってわかる。

オールマイトはナンバーワンヒーローとして日本中を駆けずり回っているし、デヴィット博士は高名な研究者だからずっと研究室にいる。

それもあって、親友なのにずっと会えなかったのかな。

もしかしたら僕も、いつか転間兄ちゃんと会えなくなる日が来るのだろうか。

それは嫌だな……。ううん、僕が追いついたらそんなこともない。OFAを完全に扱えるようになれば、きっと!

 

「ところでトシ、そちらの子が君の弟子の……」

 

自分の中で覚悟を決めていたら、博士が僕に気づいたみたいだった。

 

「はじめまして、緑谷出久です! よろしくお願いします!」

 

初めて会う人とは最初の挨拶が肝心だと、転間兄ちゃんが何故か死んだ目で言ってたことを良く覚えてるのもあり、両手を伸ばして90度のお辞儀をした。

ここまでお辞儀が綺麗になったのはデヴィット博士がノーベル個性賞を受賞した個性研究のトップランナーであり、アメリカ時代のオールマイトの相棒、オールマイトのコスチュームを作った偉大な人物ということを知ってるのもあったけど。

 

「はっはっは。礼儀正しい子だね。私はデヴィット・シールド。トシ……いや、オールマイトの装備の開発者だ」

「は、はい! お噂は常々聞いてます! オールマイトのヒーローコスチュームを、ヤングエイジから始まりブロンズエイジ・シルバーエイジ……そしてゴールドエイジ!」

 

興奮して思わず夢中になって話してると、博士が苦笑いを浮かべていて、オールマイトが手のジェスチャーで落ち着くように言ってたため、ハッとした僕は妙に恥ずかしくて顔に熱が集まる。

 

「HAHAHA! ほら、デイヴ。君の紹介の必要は無かっただろう?」

「そうだね。僕もすっかり有名人だ。しかしあのトシが弟子を取るとはね、確かに体つきを見る限り程よく鍛えられている。トシのような巨体ではないが、体格に見合った筋力があるというか……それは自力でやったのかな?」

「いえ、僕の兄がメニューを考えてくれまして……」

「ふむ、であるならば兄であることと同時に優秀な指導者でもあるわけか。トシ、師匠として立つ瀬がないんじゃないか?」

「ぐっ、なかなか痛いところをついてくるね……1度そのお兄さんに会ってみたいところだよ、私も」

 

オールマイトの教えは……庇ってあげたいけど僕からしても否定出来なかった。

転間兄ちゃんはなんというか、分かってる事は説明出来るけど感覚で掴んでることは抽象的になってしまっていて、オールマイトは全部がそんな感じ。

オールマイトは天才肌なんだと思う。僕の兄は真逆で、人の何倍も時間を注いだ結果今があるから。それも小さい頃からずっと。

ただどうだろう、転間兄ちゃんは僕がオールマイトを好きなのは否定しないけど本人は全然オールマイトのことが好きじゃないんだよね。

理由は分からないんだけど、たまにオールマイトのことで凄く不機嫌になる時がある。

超える相手として見てるから、どっちかというとライバル意識の方が高いのかな?

 

「さて、ゆっくり話でもしたいところだが、私はともかくトシの時間はとても貴重だ。何でも弟子の力を見て欲しいというらしいからね。サポートアイテムを作るにせよ、データの採取が必要だ。ここはヒーロー関連のガジェットの研究もやっているから、テスト場も沢山有るんだよ。ひとまず移動しようか」

「は、はい! お願いします!」

 

そう、ここに来た目的はOFAの制御が完全に出来ない以上、サポートアイテムで補うという選択もあったため、僕がオールマイトに提案したのもある。

そこからオールマイトがツテがあるということで、今に繋がる。

サポートアイテム頼りにはしないけど、今の僕には足りない出力を補うように選択肢の幅を広げる必要があるんだ。

でもこれは転間兄ちゃんがサポートアイテムを作って戦力の幅を広げる、ということを示してくれたから思いついたこと。

 

I・アイランドの技術。あのデイヴィット博士の力が借りられるかもしれない。世界中のプロヒーローが憧れるような研究所の施設が借りられる。

ヒーローを目指す人たちが憧れる場所へと一足先に足を運べた。

その特別性と僕にかけられているオールマイトの期待に応えなくちゃ。

頑張ろう。僕は転間兄ちゃんの弟だ。情けない姿なんて兄にだけは見せたくない。

 

 

 

研究所の訓練・実験区画だ。ここはその一角で、人口的に岩場が再現されている。なんでも来年のエキスポのパビリオンのひとつに選ばれた施設らしい。

服は動きやすさを重視してジャージ姿。

靴はサポートアイテムで、両手首にはウィップシューター。力を貯められるらしいグローブを念の為装着し、完全装備で望む。

そうして更衣室を出ると、僕に気づいたメリッサさんが見つめてきた。

 

「あら……それってサポートアイテム?」

「は、はい。こうして完全装備するのは初めてなんですけど、僕の動きに耐えられる靴となると……」

 

オールマイトとデヴィット博士は高所のモニタールームで待機しており、メリッサさんは博士の提案でせっかくなら間近で見てくるといいと提案されたからだ。

これは間違いなくオールマイトを少しでも長くトゥルーフォームで居させて負荷を減らすためだと思う。

そしてこの靴は長くは無理だけど浮けるようになってるだけじゃなく、当然サポートアイテムなので耐久力も段違いだ。

これがなければ裸足でやるしかなかったけど、そうはならなくてよかった。

 

「ああ〜……確かに学生のうちじゃまだコスチュームは出来上がってないものね。だけど……」

 

このことはメリッサさんも納得が言ったようで、彼女は腰を降ろすと僕の靴を見てきた。

真剣な表情だ。

 

「ちょっと触れるね、イズクくん」

「はっ、はいっ!?」

 

思わずドキッとしてしまうけれど、服越しでもわかる柔らかな手と優しい手つきで僕の足に触れて浮かせた彼女は靴をじっくりと見ていた。

小さな声で、どういう構造になってるのか。どんな機能があるのか調べるように隅々まで見ていて、立ち上がったかと思えば今度は僕の手に触れてグローブを見たり。

ち、近い……!!

何処かとは言わないけど視線が吸い寄せられそうになって、僕はすぐに顔を逸らした。

 

「すごい、詳しいことは調べて見なければ分からないけど耐久力はプロヒーローが実際に活動しても問題ないくらいちゃんとしてる。実際にサポートアイテムの会社が作ったと言われても違和感がないくらい。でもイズクくんはヒーロー科に入学してないからまだ申請は出来ないはず……となると自分で作ったなら試すだろうし誰かが作った……?」

 

『――ッサ。。メリッサ。もういいかな? 始められないよ』

「あ、ごめんなさい!! つい考え込んじゃった! あれ、イズクくん顔赤いけど大丈夫?」

「大丈夫です!!」

「そ、そう? 無理はしないでね」

 

本当はメリッサさんの手の柔らかさや彼女が動く度に鼻腔を擽るいい香りに意識しまくってバクバクだったけど、そんなこと恥ずかしくて言えない。

デヴィット博士の助けに、僕は感謝した。そんなつもりはなかったと思うけど。

 

『さて、さっきも説明した通りイズクくんにはヴィラン・チャレンジに挑戦してもらおうと思う。色んな配置にロボットを複数体出すので、これを戦闘不能にすること。もちろん壊してくれて構わないよ。来年に向けてのテストやデータ収集にもなるからね。全力を見せて欲しい』

 

ストレッチをして軽い準備体操をした後、僕は全身にワン・フォー・オール・フルカウル8%を纏う。

いつでも準備は万端。

 

「イズクくん頑張って!」

「はい!!」

 

メリッサさんが応援してくれる。

応援される以上はいい記録を出したいよね。それにオールマイトの弟子だってことはメリッサさんもデヴィット博士も知ってるんだ。

ふたりがオールマイトの弟子が僕だということに安心出来るようにもここで頑張る!

 

『スタート!!』

 

カウントなし!!

でも僕は焦ることなく一気に駆け出した。

 

「えっ、速いっ!?」

 

すぐに配置を見ろ!

ヴィラン・チャレンジの配置は頭上に向けて順に配置されている。

ウィップシューターを両手から近場の岩に伸ばし、張り付いたところで引き寄せながら正面のロボを貫く。同時に靴で浮いて急停止しながら既に伸ばしていた鞭で登り、岩によって隠されていたロボに急加速。

アームを振るってきたロボに黒いムチを左手から五本出しながら巻き付けることで拘束し、回転しながらひとつ上にいるロボに投げ飛ばす。

岩と岩を蹴るように右、左と次々と蹴って高速で駆け登り、その最中に居たロボを殴って破壊するとてっぺんに向けて僕の体は引き寄せられ、空中に投げ出される。

靴の効果を発揮しつつ解除し、回転しながら頂上のロボに踵落としを決めると同時に終わりを迎える。

 

『テスト終了だ。これは凄いな、初戦で12秒。まさかここまで速いとは……サポートアイテムなしでも1秒か2秒くらいしか変わらなかっただろうね』

『HAHAHA! 私の弟子ってのも信じられるだろう?』

『ああ、ここまでとは思わなかった!』

 

デヴィット博士の反応からして悪くないんだと思う。

安心しながら頂上から降り、地面に触れる直前で反重力の効果で衝撃を起こさないようにしてそっと着地する。

 

「イズクくんスゴいわ! まるでマイトおじさまみたいって思っちゃった! 瞬発力に破壊力。その瞬発力を補って機動力を上げるサポートアイテム。まだヒーロー科に入学してないのにここまで早くクリア出来るなんて! 今まで努力してきたのが目に見えて分かったわ!」

 

少し興奮した様子で話してくれるメリッサさんに僕は照れる。

じょ、女子に褒められちゃった……!! そ、それも僕自身の戦い方を。

 

「これならおじさまの弟子というのも納得ね! でも確かに服が耐えられないのは間違いないわね。早く作ってあげなくっちゃ。中学生でここまでやれちゃうなんて、マイトおじさまは弟子の育成も上手なのね!」

『えっ!? HAHA……、も、もちろんさ!』

 

オールマイト……その、見栄を張るのは良くないかと。

 

『トシはガジェットに頼らなかったからなんだか新鮮だな』

『私は私の肉体が最高のガジェットみたいなものだからね!』

『間違いない。さてイズクくん。今日はこの程度にしておこう。そうだ、メリッサ。よかったらイズクくんを案内してあげたらどうだい? 私はトシと積もる話が有るからね。その間暇だろう?」

「はーい、パパ。イズク君もそれでいい?」

「あっ、は、はい! 是非お願いします!」

「ええ、じゃあ早く着替えちゃって! 案内するわ!」

「う、ぅぇえええっ!?」

 

メリッサさんに手を引かれ、更衣室前まで連れられる。

手! 手を繋いじゃった……!! それに女の人とお出かけ!? だ、大丈夫かな。持ってきた服大丈夫だよね!?

転間兄ちゃんがI・アイランドのような場所なら文字Tよりもこっちの方がいいと言ってくれたものを持ってきたけど……!!

と、とにかく待たせるわけにはいかないよね! 早く着替えなきゃ!!

色んな思考がグルグルと回りながら、更衣室前で止まったメリッサさんが手を離したため、僕はそそくさと更衣室の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――セントラルタワー内にある視察室。

医療用カプセルの中で検査を受けた私はカプセルが開いたため、体を起こした。

 

「どういう事だ、トシ……個性数値が何故これほど急激に下がっているんだ!?」

 

モニターに映し出された数値は今まで緩やかに下降していた物が、ここ数ヶ月で急激に落ち込んでいる。

自分の力だからこそ、残り火がどれほどなのか自分でも私は何となく分かっていた。

数値の通りだ。

私が100%以上を引き出せるのはもう残り少ないだろう。

 

「オール・フォー・ワンとの戦いから数値が下降したのは臓器を摘出したから分かる。だが、この数ヶ月で何が有った!?」

「ゴホッ……長年ヒーローを続けていれば、ガタも出るさ」

 

必死の形相で私に確認してくるデイヴだが、私は咳き込みつつ、心配かけないように弱々しく笑って言葉をかける。

言葉もなく俯くデイヴに私は何も言ってやることが出来ない。

ワン・フォー・オールの秘密は話せない。AFOを討った今でも、デイヴやメリッサを巻き込んで危険な目に遭わせてしまうかもしれない。

 

「このままでは、平和の象徴が失われてしまう。日本のヴィラン犯罪発生率が6%を維持してるのは一重に君の存在があるからだ。他の国は軒並みに20%を越している。何度、君がアメリカに残ってくれればと思ったことか……」

 

デイヴが見せた不安。

確かに私は平和の象徴として身を粉にしてやってきた。今更そのことに後悔などひとつも無い。

私が望み、私がそうなりたいと。柱になると決めたからだ。

 

「……それほど悲観する必要は無いさ。私以外にも優秀なプロヒーロー達や、君のようなサポートしてくれる人間も大勢いる。そして今もヒーローを目指して研鑽を積んでいる有精卵達も居る。それに、私もまだ1日数時間はオールマイトとして活動を……」

「だが、オール・フォー・ワンの様な敵がまた現れる可能性も……」

「デイヴ」

 

更に不安を述べるデイヴの言葉を私は遮る。

確かにAFOのような存在は生まれる可能性はあるだろう。ヤツのような存在がまた現れるなど思いたくはないが……今はデイヴの不安を取り除かねばならない。

 

「その時の為にも、私は平和の象徴を降りるつもりはないよ」

「トシ……」

 

そう、私はまだオールマイトで居られる。

私の弱体化が世間に晒されれば最悪な事態になるだろう。

しかし私は知っている。

知っているのだよ。

 

「それだけじゃないさ、デイヴ」

「どういうことだい……?」

「君も見ただろう? 緑谷少年を。彼は間違いなく、私のようなヒーローになる」

 

ワン・フォー・オールの意志を。平和の象徴を時代に繋ぐ希望。

“無個性”でも夢を諦めなかった粘り強さ。ヒーローになるんだという強い意志。目標に絢爛に向かってゆける輝かしさ。

彼は必ず頭角を現す。

 

「確かに彼の力は凄まじい。しかし私には君ほどの素質があるとは到底思えない。いつだ? 君がオールマイトで居られなくなるまでに追いつけると考えているのか? ……無理だ。彼はまだ中学生なのだろう」

 

確かに緑谷少年はまだ、私の力の8%しか使えない。しかし継承して2か月で自分なりの戦い方を身につけ、8%まで引き出している。

それに。

 

「既に次代の英雄は誕生しつつあるんだ。それも私に匹敵するような、いやそれ以上かもしれない者が」

「なんだって……!?」

「詳しい話は守秘義務があるから聞かされていない。しかし()()()()と先日会うことが会ってね。彼女が包帯を巻くほど怪我をしていたのは驚いたが、彼女から聞いたよ。学生に私に匹敵する、もしかしたら超えている人材がいると」

「あのスターアンドストライプが……怪我を? それも学生が……? 何の冗談だ、トシ。スターを相手取れる者など君くらいしかいないだろう」

 

デイヴの反応も最もだ。

私も彼女を見た時は酷く驚いた。

内容は彼女自身も私に名前や特徴、個性といったもの全部話すことは出来ないと言っていたが、学生であることだけは話してくれた。

その時語った彼女の顔は本気で楽しそうで、何処か嬉しそうだったのを私は深く記憶に残っている。

キャシーは私から見てもトップレベルのヒーローだ。そんな彼女に怪我を負わせ、あまつでさえ()()()()()()()()()()と彼女に言わしめるほどの人物が、希望の花がもう咲いている。

緑谷少年はまだ芽だが、それが本当であるならばいずれ緑谷少年とその生徒が手を取り合い、私ですら成し得なかったことを成せるかもしれない。

彼女がこんなことでわざわざ嘘をつく必要もないし、彼女の身に巻かれていた包帯が証拠だ。

 

「事実さ、デイヴ。既に私の時代から新たな世代へと変わり始めている。現に私を超えるような人物は生まれつつあるんだ。本当かどうか信じられないならば、キャシーに連絡してみるといい。きっと彼女も同じように答えるだろうさ」

「トシ……。確かに君は……嘘は言わない、か。……そうだな、私は君に引退して欲しくないと思っていた。君という光を失いたくなかった。平和が崩れるのが怖かった……」

「デイヴ……」

 

デイヴの目が伏せられる。

私にはこれが、デイヴの本音だということが痛いほど伝わってきた。

 

「だけど私も、未来を……希望を信じなくちゃ前に進めないのかもしれない。……緑谷出久。彼に賭けて見るのも、ありかもしれない」

「デイヴ……!!」

 

しかし次の瞬間、何処か吹っ切れたような、優しい眼差しでデイヴはそう言ってくれた。

分かってくれたのか。

だが私はワン・フォー・オールの秘密を……。

 

「たけどトシ、本当に大丈夫なのか? 君、彼のお兄さんに指導で負けてるんだろ」

「ぐふっ……!!」

 

痛いところを突かれ、思わず吐血する。

緑谷少年が個性を制御出来たのもフルカウルを身につけたのも、肉体を鍛えたのも今の戦闘能力があるのも彼のお兄さんが教えたらしい。

――もしかして私、何もしてない?

 

「……ま、まあまあ。これからは私も協力する。イズクくんを共に強くしていけばいいだけだろ? あの時のように、僕が君の力になるさ」

 

慰めるように私の背中を摩ってくれる。

同時に私の中で、ひとつ決めたことがあった。

これが正しいことなのか間違ったことなのか。

緑谷少年に言っておいて、釘を刺しておいて。

 

「……聞いてくれ、デイヴ。ワン・フォー・オールについて大事な話がある」

「大事な話……?」

 

だが私を信じてくれて、緑谷少年に賭けてくれて、私に協力すると言ってくれた彼に私はもう、秘密は隠したくないと思ってしまったのだ。

これが良い未来へ繋がる、その一歩になってくれればとそう思って。

 

 

 

 

 

 

原作

  • 入る
  • もっとお兄ちゃん読みたい
  • 作者の好きなようにやって欲しい
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