タコの祖先は「イカ」だった!? 「生きる化石」コウモリダコをDNA解析、難易度の高いゲノム解読 島根大学の吉田教授が論文で発表「人生で5本の指に入る発見」
タコの祖先はイカだった―。島根大隠岐臨海実験所(島根県隠岐の島町加茂)の吉田真明教授(43)=進化生物学=の研究グループが、深海に生息するコウモリダコのDNA上の塩基配列(ゲノム)が、イカに近い特徴があることを突き止めた。タコはイカが進化した生物と推測できるといい、研究者の間で「タコが先か、イカが先か」との議論に影響を与えそうだ。 【写真】タコの祖先は「イカ」だった!? 「生きる化石」コウモリダコをDNA解析、難易度の高いゲノム解読
過去に実験所で勤務経験のあった教員が2022年6月、東海大実習船に乗って駿河湾で調査中にコウモリダコの幼体3匹を捕獲し、吉田教授のもとに送った。吉田教授は解剖した上で国立遺伝学研究所(静岡県)に送り、ゲノム解読を依頼した。ゲノムは人間の4倍にもなる大きさで難易度は高かったが、全解読に成功し、研究グループが特徴を分析した。 配列はヤリイカやソデイカの遺伝子と対比でき、深海で進化せず「生きる化石」とされるコウモリダコは、イカに近い形態を持つことが分かった。イカやタコの仲間の頭足類は専門家の間で「脚が8本が先か、10本が先か」と言われ、祖先がはっきりしなかった。 今回の解析でイカの祖先が回遊から海底での定着に生態を変え、タコに枝分かれした可能性が高くなった。研究グループは25年10月、米国の英文論文誌「iScience(アイ・サイエンス)」で論文を発表した。 吉田教授は「人生の中で5本の指に入る発見となった。他の深海ダコと比較して解析したい」と話した。