「WEST EXPRESS 銀河」山陽コース(夜行)に乗って思ったこと
ほんの数日前に「JR東日本の『新たな夜行特急列車』は、ちょっと違う・・・」と題した記事を投稿しましたが、日をおかずしてJR西日本が運行する「WEST EXPRESS 銀河」の山陽コース(夜行)に乗って来ました。
私はもともとイベント列車には興味を持っていませんし、同じ「WEST EXPRESS 銀河」でも山陰コースや紀南コースには食指が動きませんが、この「WEST EXPRESS 銀河」山陽コースに限っては、機会あれば乗ってみたいと以前から思っていました。山陽コースの運転区間は京都-下関間なのですが、この区間は全線新幹線が並行していますので、今となれば定期の特急・急行で走り抜けることが叶わぬこの区間を、イベント列車でも良いので乗ってみたかったのです。そこで事前予約をしたいがために、東京在住でありながらJR西日本のWESTER会員になり、その甲斐あってか事実上の寝台車である普通車ノビノビ座席(クシェット)の指定券をゲットすることが出来ました。
1.運行ダイヤ
今回の「WEST EXPRESS 銀河」山陽コース(夜行)のダイヤは以下のとおりでした。
まず下り列車ですが、新快速だと約一時間半で走る京都-姫路間を約三時間半かけていますので、途中で大幅な時間調整をすることは明らかでした。このうち金曜日発は姫路で約一時間停車しますが、私が今回乗車した月曜日発はどこで時間調整するのだろうと思っていましたら、加古川で約一時間ほど停車していました。
手元の時計で発着時刻を確認していたのですが、加古川には23時28分に着いて、0時23分に発車していました。つまり55分間停車していたわけですが、これがちょうど金曜日の姫路での停車時間とニアリーイコールですので、金曜日は加古川で新快速1本を待避してからすぐに発車し、姫路まで先行するのでしょう。
「WEST EXPRESS 銀河」は、1分前に新快速が発車した直後に「はるか」も発着できる京都駅の31番のりばから発車しますが、茨木の待避線で後続の新快速(京都21時29分発)を通し、新大阪でもその次の新快速(京都21時49分発)に道を譲り、大阪ゆきサンダーバード48号(京都22時03分発⇒大阪22時31分着)からは逃げ切り、加古川の長時間停車の間に5本の列車を先に通します。そして後続の快速が到着する3分前に姫路を発車します。
姫路から先はさすがに起きていられず、途中目が覚めても体を起こすことなく再び眠りに堕ち、最終的に起きたのは西条の手前でした。広島以遠はところどころ減速したり、柳井では18分停車している間に弁当販売するなどイベント列車らしい趣向もありましたが、かつて山陽路を走った特急・急行に乗っている気分を大いに味わえました。
上りは下りよりもだいぶ早い時間帯に下関を発車しますが、停車時間は柳井で12分、岩国で11分、その他は数分で広島まで走ります。途中ところどころ減速することはあるものの、こちらも眠りにつくまではかつての夜汽車の雰囲気を存分に味わさせてもらいました。上りでも広島まではがんばって起きていましたが、広島を発車してから眠りに堕ちました。
目が覚めて外を見ると大久保に運転停車で停まっているところでした。大久保は西明石のひと駅手前にあり、神戸は目と鼻の先ですが時間調整のために停車しているようです。ここまで来れば着いたも同じですが、私は再び寝入ってしまい、気がついたら三ノ宮を発車したところでした。終点の京都まではあと一時間というところです。やはり体を横たえられるほうが良く眠れます。
運行ダイヤについて敢えて要望するとすれば、下りの発車時刻を大幅に遅らせ、姫路までの間の時間調整をもう少し短く出来なかったものかと思いますが、長い運転停車が嫌なら姫路から乗れば良いだけのことですので、気になりませんでした。実際に下りは姫路から多くの方が乗って来られました。
2.設備
私が利用したのは、往復ともに普通車ノビノビ座席・・・ヨーロッパでは簡易寝台と訳される「クシェット」の下段です。
昔の純粋な寝台車と違って座席利用を想定していないため下段の座面を低くし、そのぶん上下段ともに天井高が確保されています。ただ、下段の座面が低いので立ち上がるときに腹筋をつかうのが難点です。また、上段は窓からの視界にかなり制約があります。
さらに言えば寝台と窓とのモジュールが合わないのか、下段でも窓からの視界が遮られる区画もあり、ガチャの要素が強いなぁ・・・と思いました。
逆に驚いたのは「普通車リクライニング座席」・・・いわゆる一般的な座席が思いのほかシートピッチが長く、頭部の両側に突起をつけたハイグレードなものだったことです。
確かにノビノビ座席は体を横たえられるので眠るのには楽なのですが、起きている間はきちんと体をホールドしてくれる座席のほうが楽だと思います。ましてやこのぐらいハイグレードな座席であれば、なおさらです。今回の旅では往復ともにノビノビ座席を利用しましたが、こんな座席だった片道のどちらかはリクライニング座席にして乗り比べてみたかったものです。
「WEST EXPRESS 銀河」はイベント列車なので、下の写真のようなフリースペースも充実しています。ただ私の率直な感想としては、写真左の縁側スタイルのスペースよりも写真右の四人掛けテーブル席のほうが居心地が良かったですし、誰しもそう思うのかテーブル席のほうに人が集まっていましたので、テーブル席のスペースがもう少し広ければ良かったような気がします。
3.料金
この普通車のノビノビ座席とリクライニング座席は、ともに一般の在来線特急列車と同じく乗車券と在来線特急券で乗ることが出来ます。通常期の京都-下関間の料金は合計で1万2950円。ただし、姫路-広島間であれば乗車券4500円+特急券2950円=7450円ですので、これだとホテル代と比較しても遜色ありません。
私は東京在住ですので京都なり姫路なりへの往復にそれなりの費用がかかるのですが、青春18きっぷの旅の一部として東海道を西進して「WEST EXPRESS 銀河」に乗り継ぎ、翌日も旅を続けることが可能になります。私のような首都圏在住者が青春18きっぷを利用して西進する場合、品川駅を始発列車で出発しても関門海峡をくぐる-ことが出来ません。したがって首都圏から青春18きっぷで山口県や九州各地へ行こうとしたら、必ず途中のどこかで夜を越さなければなりませんが、山陽路を夜行列車を抜けることができるのは大きなメリットだと思います。
しかし、高速バスだと乗車券と同程度で大阪-広島間を利用できますし、新幹線との差額も2000円ほどしかありません。指定券がとりにくいのも供給量が少ないからでしかなく、座席数を増やして定期列車化するほどの需要は無いのが実情なのでしょう。やはり今の世の中、夜行列車は一部のマニアに向けた乗り物なのです。
4.乗って思ったことのまとめ
あえて無理を承知で、私の一方的な願望を次に述べたいと思います。
・複数編成による定期列車化
・ノビノビ座席とリクライニング座席の増席
・フリースペース「遊星」のテーブル席増席と飲料の(可能であればパンやおつまみ類も)販売・・・
つまり臨時イベント列車ではなく、普通の夜行列車として走らせてもらいたいということなのですが、まぁ見果てぬ夢ですね。
私は今年になって青春18きっぷと広島⇒神戸の夜行バスを組み合わせ、九州から東京へ帰ったことがありますが、来年「WEST EXPRESS 銀河」と青春18きっぷとの組み合わせが可能であれば、この両者を利用した九州旅行をしてみたいと思っています。


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