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高市自民党の大勝で大注目の「女性ウオッシュ」とは #エキスパートトピ

政策ディスラプティブストラテジスト、早稲田大学招聘研究員
日本初の女性首相である高市氏の自民党は2月の衆院選総選挙で歴史的大勝を成し遂げた。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 企業や政党が、表面上は「女性活躍」や「ジェンダー平等」を強くアピールしながら、実際には構造的な問題解決や実態が伴っていない状態を指します。環境配慮を装う「グリーンウォッシュ」のジェンダー版で、イメージアップを狙った「見せかけの多様性」を批判する際に使われる言葉です。

ココがポイント

ジェンダー平等に配慮しているようにアピールする一方で、実際にはそうした取り組みが不十分である企業の行動を指します。
出典:第一生命経済研究所 2023/5/15(月)

ジェンダー平等を積極的に進めない人物が首相になったことで、女性にとっては厳しい時代になったと感じています。
出典:Vogue Japan 2025/12/13(土)

グリーンウォッシュの他にも、実態が伴っていない活動を指す「◯◯ウォッシュ」が存在します。
出典:サストモ 2025/7/1(火)

エキスパートの補足・見解

 2026年2月の衆院選で、日本初の女性総理・高市氏率いる自民党が歴史的な大勝を収めました。女性が国のトップに立つことは大きな前進ですが、一方でこれが「女性ウオッシュ」ではないかという厳しい指摘もあります。

 懸念される理由は主に次の2点です。

 第一に「組織実態との乖離」です。リーダーが女性でも、党内の意思決定層や議員全体に占める女性比率が低いままでは、男性中心の古い構造が変わったとは言えません。

 第二に「政策の先送り」です。女性リーダーの存在が「ジェンダー平等が進んでいる」という見せかけの免罪符(ウオッシュ)となり、選択的夫婦別姓や賃金格差の是正といった、女性が直面する構造的な課題解決が後回しにされる恐れがあります。

 強力な政権基盤を得た今、問われているのはイメージではなく、制度や法律の抜本的な改革です。実態が伴わなければ、国内外からの信用を失うリスクもあります。

 私たちは、こうした「〇〇ウオッシュ」に惑わされることなく、表面的な演出の裏にある事実を冷静に見極め、判断していく姿勢が求められています。

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ありがとうございます。
政策ディスラプティブストラテジスト、早稲田大学招聘研究員

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与(大臣付)、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演等多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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