事実の焦点:トランプ政権が重要な科学的見解を撤回した際の虚偽の主張について
コロンビア特別区、2月13日 (AP) ー トランプ大統領は12日、2009年に発表された自動車からの排出量を抑制する連邦政府の取り組みの法的根拠となってきた「危険性認定」を撤回した。 しかし、この発表にあたり、トランプ大統領とリー・ゼルディン環境保護庁長官は、政府の宣言、気候変動、エネルギーに関して虚偽の主張を行った。 事実を詳しく見てみよう。 ___ トランプ大統領:「危険性認定として知られるこの決定は、事実に基づくものではなく、まったく根拠がなく、法律にも基づいていなかった」 事実:これは誤り 危険性認定は、2007年に米国最高裁判所が温室効果ガスは「大気浄化法」で規制できる大気汚染物質であると判決を下した後、2009年に環境保護庁(EPA)によって採用されたものである。 「危険性認定に法的根拠がないという考えはばかげている」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の環境法教授、アン・カールソンは言う。「最高裁はマサチューセッツ州対EPA訴訟において、環境保護庁に対し温室効果ガスが公衆の健康と福祉を危険にさらすかどうかを判断するよう具体的に指示した。危険性認定はその結果だ」 危険性認定を裏付ける科学的証拠は、EPAが認定時に提示しており、現在も同庁のウェブサイトで閲覧可能。 この危険性認定は16年前に採択されて以来、複数の連邦裁判所によって支持されてきた。 ___ トランプ大統領:「我々は基本的に国内の風力発電を全て停止させた。最も高価なエネルギー源だ」 事実:陸上風力発電は最も安価な電力源の一つであり、エネルギー情報局の7月推計によれば、新規風力発電所は1メガワット時あたり約30ドルで発電すると見込まれている。 これに対し、新規天然ガス発電所は約65ドル/MWh、先進型原子炉は80ドルを超える。EIAは7月、洋上風力は新規発電源の中で建設・運営コストが最も高く、88ドル/MWhと発表した。 ___ トランプ大統領は健康と環境へのコストについて問われ、「公衆衛生とは無関係だ。これ は全て詐欺、巨大な詐欺だ。オバマとバイデンによる国家への搾取であり、オバマが始めて推進した恐ろしい搾取だ」と述べた。 事実:数千の査読付き科学研究が気候変動と健康被害を関連付けている。熱波による死亡者増加、ハリケーンや洪水などの異常気象、悪化する山火事による大気汚染が確認されている。2021年の『ネイチャー・クライメート・チェンジ』誌の研究では、732都市(うち200以上が米国)のデータに基づき、人為的気候変動に起因する熱関連死が世界で年間約9700人に上ると算出された。 別の昨年発表された研究では、気候変動による数十の健康被害を列挙し、EPA(米国環境保護庁)自身の計算方法を用いて、健康被害のコストは少なくとも年間100億ドル、おそらくそれ以上であると結論づけている。 気候変動の科学は、約170年前に遡る。米国の科学者ユーニス・フットによる研究では、二酸化炭素を封入した円筒容器が、周囲の空気よりも内部の温度計をより高く加熱することが示された。オバマとバイデン政権以前の2000年に実施された初の全国気候評価は、「気候変動と変動性が疾病率と死亡リスクを高める可能性が高い」と結論づけた。 ___ ゼルディン長官:「オバマ元大統領とバイデン政権は危険性認定を利用して、電気自動車義務化を含む左派の願望を強引に実現させた」 事実:トランプは以前にも同様の主張をしている。連邦政府がEV購入を強制する義務付けは存在しなかった。 「バイデン政権の規則に含まれていた表を見れば、企業が基準を満たすための様々な方法が存在したことが分かる」とハーバード大学ロースクールの環境・エネルギー法プログラム責任者キャリー・ジェンクスは述べた。「危険性認定も規制も、ある種の車両から別の車両への移行を義務付けてはいなかった」 バイデン前大統領は、2030年までに新車販売の半分をEVとするという、拘束力のない目標を設定した。トランプ大統領は就任初日に、この目標を撤回する大統領令を発令した。 バイデン前大統領の政策は、アメリカ国民にEVの購入を促し、自動車メーカーにガソリン車から電気自動車への転換を促すため、ガソリン車やトラックの汚染に関する規制を強化した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)