@tatsumin
#ノベルスキー不定期お題小説
#ノベルスキー不定期お題小説_第三回
(take3)
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」
「ああ……そうだな」私は疲れ切った声音で唸った。
そう、確実に決めねばならなかったんだ──あの時。
長年の政敵ではあった。
だが、共に国王陛下の為、国の為、心を砕いてきた仲でもあった。ただ、主張が食い違うだけ。時に厳しいと言われながらも法に則った沙汰を望む私と、情に篤い彼。
陛下がどちらを重用するか──他国の支援を巡り、意見が分かれ、会議は荒れに荒れた。
必要最低限の支援で切り捨てるべきだと主張する私と、やるならば彼等が独り立ち出来る迄と言う彼。
だが、我が国の資源とて無限ではない。この儘、共倒れになっては我が国民達からの信を失ってしまう。
そう考えた私は、彼を呼び出し、告げた。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」と。
だが──。
剣の腕も拮抗する二人、万が一の共倒れだけは避けねば。そんな詭弁の元、私は卑劣な手段でもって、彼を排除した。
毒杯は砕け、卓を汚した葡萄酒は絨毯を汚し、染みを作った。
そして──。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」
今宵も彼はそう告げる。
あの時、付けられなかった白黒を、今宵こそは付けようと。
幾晩も、幾晩も……。
だから、あの時に決めなければならなかったんだ。
あれ程国王陛下を慕い、国民を想ったお前が、御霊になどなってしまう前に。
呪いの暗雲に覆われ荒れ果てた国土。
切り捨て、手を差し伸べる事を拒んだ我が国に、援助を遣わしてくれる友好国は、無い。
その現状、知ってか知らずか、彼は繰り返す。もう、答えは出ていると言うのに。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」
─了─
そう、確実に決めねばならなかったんだ──あの時。
長年の政敵ではあった。
だが、共に国王陛下の為、国の為、心を砕いてきた仲でもあった。ただ、主張が食い違うだけ。時に厳しいと言われながらも法に則った沙汰を望む私と、情に篤い彼。
陛下がどちらを重用するか──他国の支援を巡り、意見が分かれ、会議は荒れに荒れた。
必要最低限の支援で切り捨てるべきだと主張する私と、やるならば彼等が独り立ち出来る迄と言う彼。
だが、我が国の資源とて無限ではない。この儘、共倒れになっては我が国民達からの信を失ってしまう。
そう考えた私は、彼を呼び出し、告げた。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」と。
だが──。
剣の腕も拮抗する二人、万が一の共倒れだけは避けねば。そんな詭弁の元、私は卑劣な手段でもって、彼を排除した。
毒杯は砕け、卓を汚した葡萄酒は絨毯を汚し、染みを作った。
そして──。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」
今宵も彼はそう告げる。
あの時、付けられなかった白黒を、今宵こそは付けようと。
幾晩も、幾晩も……。
だから、あの時に決めなければならなかったんだ。
あれ程国王陛下を慕い、国民を想ったお前が、御霊になどなってしまう前に。
呪いの暗雲に覆われ荒れ果てた国土。
切り捨て、手を差し伸べる事を拒んだ我が国に、援助を遣わしてくれる友好国は、無い。
その現状、知ってか知らずか、彼は繰り返す。もう、答えは出ていると言うのに。
「 さて、そろそろ決めようか。"正義"は、俺か、お前か」
─了─